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自作電源ケーブル05夏コレクションCV-Sケーブル編
2005.10.03公開

このページではCV-Sケーブルを使用した自作電源ケーブルを4本紹介する。

No.98 Shiva

ACケーブル:藤倉電線CV-S3.5 ACプラグ:松下WF5018 IECコネクター:YAMATE

ケーブル長は2m。電源ボックスとCDPとの長さに合わせ、少々長めに製作してみた。CV-S3.5に日本ジッパーチュービングのシールドメッシュチューブを被せている。CV-Sそのものには頑丈な銅箔シールドがなされているので、その上からさらにシールドをかける必要はないのだが、これは外見上の見栄えを良くするためである。副次的にはプリエステルメッシュチューブと同様に、外部振動からの緩衝作用を狙うという意図もある。ご覧の通り、メタリックに輝く奇麗な仕上がりとなった。
この電源ケーブルの実験的要素はこのアルミの塊にある。ちょうどケーブルの中程のところに据え付けられている。このアルミの塊はアルミ棒からの削り出し。金属素材を売っているお店で見つけ、ケーブルを通すのにちょうど良い穴が開いているため購入した。これを耐水ペーパーで研磨し、コンパウンドで丹念に磨き上げると、ご覧のようなピカピカの状態になった。ケーブルへの収まりもちょうど良い感じだ。なぜにこのような塊を取り付けたかというと、ケーブルの振動排除を目的としている。ケーブルの中間辺りに重量付加を加える手法は、様々なケーブルメーカーでおこなわれていることであり、別に珍しい事ではない。ただ、自作ケーブルでは適当な部材の入手が難しいため、あまりおこなわれていないようだ。私自身、ケーブルへの重量付加が効果的だということを度々耳にしていたので、やってはみたかった。ただ、なかなか適当なパーツが見当たらなかったため、いままで実践する事は無かった。今回、このケーブルでケーブルへの質量付加を初めて挑戦する。
このアルミの塊、見た目にもアクセントになって面白い。効果については後述するが、素の状態のCV_Sに比べ、位相の揃いが多少向上しているような気がする。製作ナンバーはNo98。このケーブルには“Shiva”というネーミングを与えている。シバ神はヒンズー教の神の名前であり、雷雨を起こす破壊神として知られる。CV-Sもスパッと芯の通った押しの強いケーブルで、音のエッジが立ち、パルス音等の激しい音声信号の再生において抜群の性能を発揮する。人によっては既存のケーブルとの変化の度合いに驚くこともままある。このCV-Sのイメージを破壊神に重ね合わせたわけだ。
プラグとコネクターには熱収縮チューブを被せている。プラグには松下WF5018、コネクターにはヤマテのIECコネクターAP-400を使用。
ヤマテのIECコネクターAP-400のアップ。型番はあるのだろうが、忘れた。ヤマテのコネクターは秋葉原で一般的に売られているので、入手は容易である。ケース樹脂はガラス繊維入りと思われ、強度は高い。オーディオ用ではないので、価格は900円ほどと手頃。作業性はあまり良いとは言えないが、造りはまあまあだ。コネクター側は特に曲げの付加が掛かりやすいので、接合部分が痛みがち。もちろん、コネクターの種類によって、ケーブルとの接合部分の強度は変わってくるのだが、シェルター系、ヤマテ系、SFO系のコネクターはケーブル接合部の強度がやや弱い。市販の中古ケーブルでも、コネクター接合部が劣化している例を良く見かける。これの対策としては、写真のようにコネクター全体からケーブル部分までを熱収縮チューブですっぽり覆ってやると良い。ケーブルの柔軟性は多少犠牲になるが、所詮は端末数センチのところに被覆するだけのこと。柔軟性が極端に悪くなるわけではない。電源ケーブルでもっとも重要な安全確保という観点からは、ケーブルの耐久性を優先させた方が良い。ちなみに、このケーブルに使用した熱収縮チューブはスミチューブのB2(3×)というもの。これは熱処理で1/3に収縮する高収縮率タイプ。プラグとケーブルの間のように、極端に被服の口径差がある部分への被服にはB2(3×)のような高収縮タイプが欠かせない。
実はヤマテのコネクターを使うのはこれが初めてである。中身をあけるとこのような感じになっていた。導体金属は真鍮で、アース配線もきちんとおこなえるような構造になっている。シェルター系コネクターではアース側配線がケース締め付けネジと干渉して配線しづらいので、その点ではヤマテの方が構造的に有利である。ただ、ケーブルの固定ネジと金具の空間的余裕が少ないため、極太導線の固定にはやや不利である。普通のφ0.37ほどの細い撚り線なら固定もしやすいのだが、今回は単線なみの硬さの3.5スケア線を固定しなければならない。結局、耐久性を考慮して、ネジ留め固定の後に、接触部分をハンダ付けで補強してやる事にした。ハンダ付け後、これら接合部部にはケイグを塗って酸化防止してある。
ケーブルを固定したコネクター部分。右はケーブルを固定したプラグ部分。この後、これらプラグコネクター部分にスミチューブB2を被せれば完成となる。

さて、完成したケーブルの音質傾向はというと、CV-Sの瞬発力がよく活かされた粋の良いケーブルに仕上がっている。エージングがまだ完全ではないため、解像度はMITのShotgunよりやや甘く、少々粗っぽいところもある。これも使用とともに多少解消されていく部分があるだろう。ただ、粗っぽさは骨太さとも取れる部分もあり、これはCV-Sの特徴のひとつでもある。ケーブルの中間に設けたアルミ塊の効果は微妙なところだが、素の状態のCV-Sに比べ、中高域の位相的なものがきっちり揃っているとも感じ取れる部分もあり、例えば複数の楽器が重なるような再生箇所では、個々の楽器の位置関係や、空間表現が手に取るように感じられたため、これはなかなか面白いケーブルに仕上がったと思う。

No.95 Sledge Hammer

ACケーブル:藤倉電線CV-S3.5 ACプラグ:AET PSE-018HG IECコネクター:SCHURTER4781

ケーブル中間にアルミの重量付加を施している点など、外見上、先に紹介したNo98Shivaとよく似ている。このケーブルにおいては、CV-Sにシャークワイヤーの青メッシュを被服し、コネクターにはシェルター4781、プラグにはAETのPSE-018HGを装着している。
ケーブルの中間に装着したアルミの重量付加物。これにより、ケーブルの振動を抑制する効果を狙っている。
プラグにはAETのPSE-018HGを使用。これは明工社のME2591を元に、AET特注バージョンとしてオーディオ向けに改良されたプラグ。私もこのプラグを幾度か使用してきたが、高域の切れと中域の雰囲気の良さを兼ね備えた優秀なプラグであると実感している。実売3,800円程度と価格的にも値ごろ感があり、おすすめのプラグである。ただ、太いケーブルへの対応力にはやや難なところがあり、これは松下系/明工社系のプラグ共通の泣き所である。これは何の事かと言うと、プラグのケーブル挿し込み部分のケーブル締め付け部品の構造に問題があり、φ13以上の太いケーブルを挿し込むと、締め付け部品がケーブルを水平に挿み込むのではなく、斜めに傾斜しながら固定してしまうのだ。うーん、言葉で表現するのが難しいなぁ。この問題は実際に製作した人でないと、何の事を言っているのかさっぱり訳が分からんはずだ。とにかく、太いケーブルを固定するのに、締め付け部品が傾斜しようが、耐久性等には問題ないのだが、見てくれが悪いのだ。これには対処法があり、ケーブルの端末部分を少し細くしてやれば良い。CV-Sの場合には黒い外装ジャケットをひんむいてやるとφ9くらいになる。この状態でケーブル保護のために収縮チューブを1層被覆してやるとφ10ほどになる。この口径10mmというのはPSE-018HGも含めた松下系/明工社系プラグにちょうど良い太さなのだ。この作例においてもケーブル端末は細く加工しており、PSE-018HGが無理なく装着出来ている。
この電源ケーブルにはNo.95 Sledge Hammerというネーミングを与えた。Sledge Hammerとは大きな金槌の意味で、同名のカクテルも存在する。CV-Sの特徴である強烈な押しの強さを表現するにはもってこいの名前だと思って名付けてみた。
こちらはコネクター部分の状態。コネクター全体とケーブル側5cmほどにかけてニシチューブの収縮チューブを被覆している。ニシチューブはスミチューブFに比べ厚みと光沢がある。電気絶縁性はスミチューブの方が高いらしいが、機械的強度はニシチューブの方が上らしい。右は制作過程の写真で、CV-Sの端末処理の状態である。両端末はそれぞれ、プラグコ/ネクターとの現物合わせで被服の除去範囲を決める。この作例で言うと、おおよそプラグ側は3cmくらい、コネクター側は3.5cmくらい被服除去をしてやるとよい。2本映っているケーブル端末の下側の方が、プラグへ装着する側。被服除去が外装ジャケットだけを剥いた1cmほどのところと、芯線をむき出しにしたところの、2段階に分かれているのが見て取れると思う。これは前述の松下系/明工社系プラグへのケーブル固定のための処理方法だ。
ケーブルに被服するためのポリエステルメッシュ処理の一端をお見せしよう。ポリエステルメッシュ、ここではシャークワイヤーのカラーメッシュを使っているが、メッシュチューブの切り口は作業中にばらばらとほどけてくるのが厄介だ。これを防止するには、切り口にテープを貼付けておいてほどけなくするか、ご覧のように切り口をライターであぶるのが有効。ライターの火で切り口をあぶると、繊維同士が溶けて融着し、ほどけづらくなる。さっと軽くあぶるのがコツで、あぶり過ぎるとメッシュに火が着いて黒い煙を上げながら燃え始めてしまう。メッシュチューブをケーブルに通す時には、ケーブルの先端がメッシュの網に引っかからないようテフロンテープ等でまとめておくと良い。
ケーブルにメッシュチューブを被せたところ。メッシュがずれたりしないよう、メッシュチューブをよくしごいた上で、端末にテフロンチューブを巻き付けてやる。右はコネクター側ケーブル端末にコネクターの導体金具をハンダ付け固定しているところ。シェルター系コネクターはケーブル導体の締め付け強度が弱く、長期的な安全性に不安があるため、ご覧の通りハンダ付けで固定してしまった方が良い。必ずそうしなければならないわけではないのだが、ハンダ付けしたほうが良いと思うのだ。
ケーブル端末を固定し終えたコネクターの内部状態。シェルター系コネクターにケーブルを繋げる場合、ケーブル被服をどこまで剥くかなどを調べるために、必ず現物合わせで確認した方が良い。右はプラグ側の接合状況。アース配線(この作例では赤)も一応接続しておいたが、これは別に配線しなくても構わない。余談だが、CV-Sのように赤黒白の3芯を有する場合、どれをホット(H)コールド(WまたはNで表される)アース(G)に使うか疑問を抱く人も多いだろう。白をコールドに配線するのはほぼどのケーブルでも共通の事項。ただ、黒と赤のどちらをホットに配線すればいいかで迷う方が多いと思う。私もその一人である。電源配線の場合、基本的には黒がホットである。こうなると、必然的に赤がグランド配線に使われる事になる。しかしながら、赤をホット、黒をグランドに配線しているケーブルメーカーもあり、現実にはきちんと統一されているわけではないようである。

さて、このケーブルの使用感はというと、なかなかよろしい感じ。よろしい感じとは申しても、私のシステムでのことなので、私以外のシステムに組み込んだ場合、どんなパフォーマンスを示すかはさっぱり不明。私のシステムはスピーカーなどをご覧になれば分ると思うのだが、高能率で浸透力の強い、バリバリ鳴りまくりのシステムである。このシステムにCV-Sケーブルはばっちりハマるのだ。ロック系などのソースでは相性が抜群に良く、この作例ケーブルにおいてもそれは言える事だった。やや硬くてしなりが悪いケーブルだというのが扱いずらい点ではあるが、極度に曲がらないわけではないので、慣れれば使用上の不都合は無い。No.95 Sledge Hammerは今後、私の常用ケーブルとしてCDP配線に接続する事になるだろう。

No.91 Fulgor

ACケーブル:藤倉電線CV-S3.5 ACプラグ:松下WF5018 IECコネクター:SCHURTER4781

CV-S3.5を用いた電源ケーブルである。ケーブル比較実験で使用したCV-S3.5を仕立て直したもの。
ACプラグには松下WF5018、IECコネクターにはSCHURTER4781を使用。これもハイCPプラグ/コネクターとして定番の組み合わせである。シャークワイヤーの赤メッシュを被覆し、外部振動の緩衝作用を持たせてある。CV-S3.5は頑丈で硬く、一般的なケーブルに比べるとやや曲がりにくい。単線を撚り合わせたような導体構造のため、ヌケの良さはピカイチ。これら音色傾向はケーブル比較実験にあるCV-S3.5の感想をご覧いただいた方がいいだろう。このケーブルに与えられた“Fulgor”とは「眩い」という意味合い。CV-Sの持つストレート感を表すため命名した。
No.87 Verberis

ACケーブル:藤倉電線CV-S5.5 ACプラグ:松下WF5018 IECコネクター:SCHURTER4781

この電源ケーブルVerberisは、比較試聴時に使用したCV-S5.5ケーブルを仕立て直したもの。シャークの青メッシュでスタイリッシュに仕上げてみた。ケーブル外径は16mmとけっこう太い。硬いのでしなりにくく、取り回しにやや苦労するが、頑丈そのもののケーブルである。導体が5.5スケアもあるので、非常にエネルギー感があり、特に低音の量感が素晴らしい。音の輪郭は中堅どころ。アンプに使ってみると、アンプのドライブ力を底から押し上げるような変化を感じさせる。バリバリと鳴るのが素性だが、意外が意外、しっとりと穏やかな一面も感じさせる。ケーブル長は2.1m。
こちらはVerberisの収縮チューブを仕立て直した状態。プラグ全面を覆ってみた。
ACプラグには松下WF5018を使用。左が改修前、右は改修後。音質的な変化までは純粋に比較しようがないので確かめてないが、収縮チューブで全体を覆う事により、高域の延びが若干素直になったかと思う。プラグ全体を収縮チューブで覆ってやった方が、プラグの振動抑制に効果があり、音質には若干有利になる。
IECコネクターにはSCHURTER4781を使用。ケーブルにはシャークの青メッシュを被せている。シャークのカラーメッシュは東京なら秋葉原のタイガー無線、大阪なら日本橋の河口無線で入手できる。シャークの青メッシュは発色が奇麗でいいですなぁ。
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