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電工用ケーブル使用自作電源ケーブル その2

ここでは電工用切り売り電源ケーブルを用いた自作電源ケーブルの続きをご紹介しよう。主にVCTやCV-Sケーブルでの自作例を掲載している。

CV-S3.5使用電源ケーブル
No.50 SKYDiving

2005.2.22

半年ほど前に製作。たまたま手元にあったあり合わせの材料から適当に作ったケーブルなのだが、今はこれが一番のお気に入りになっている。藤倉電線CV-S3.51.8mにシャークワイヤーのポリエステルカラーメッシュチューブを被せ、ハッベル8215Tとオヤイデ4781PBGを組み合わせている。

藤倉CV-S3.5は電工用の電源ケーブル。CV-Sは電線メーカー各社から発売されており、メーカー毎にシールド材や充填材の種類が異なっている。その中でも私が知る限り一番良質なのは藤倉のCV-Sだ。ケーブル構造は質実剛健そのもの。導体は0.8φのタフピッチ線が7本束ねたもの。これに厚肉ポリオレフィン系絶縁を施し、強固な充填材で被い、その上からさらに厚肉の銅テープを巻いている。さらに頑丈な紙で締め上げ、最外装にはPVCのシースを被せている。このような構造と被服材を採用しているため、藤倉CV-Sはとても硬くて、取り回しがしにくい。ただ、全く曲がらないわけではない。音はストレート感強いもので、熱気をはらんだロック・ジャズ向きのケーブルといえる。使い始めの繊細さは今一歩だが、これもエージングとともに多少解消されてくる。¥400/mという価格が信じられないくらいお買い得な電源ケーブルだ。ハイCP電源ケーブルの最右翼的存在だ。
藤倉CV-Sの外装シースは艶消し黒なので、良く言えば渋い外見だが、悪く言えばが高級感に欠ける。そこでメッシュチューブを被せることにした。私のホームページではお馴染みのカラーメッシュチューブだ。これは台湾のオーディオアクセサリーメーカーであるシャークワイヤーの製品。当時、秋葉原での扱い店はなく、遠く大阪日本橋の河口無線に行って買い込んでおいたもの。なお、昨年末から秋葉原のタイガー無線でも扱うようになった。ただ、2005年2月時点でこの青メッシュ幅広タイプは輸入の滞りからタイガー無線に未入荷となっている。右上はハッベルの8215取り付け状態。このプラグのケーブル挿入口は狭いので、挿入口の部品の突起などを削り取ってみたが、やはりそのままではCV-Sケーブルが差し込みにくい。そこで、CV-Sケーブルを少し細めてやることにした。端末付近の外装シースと銅テープを剥ぎ取り、8φくらいにしてから収縮チューブにて被服保護し、9φほどに仕立ててやった。端末加工の甲斐あって、8215に無理なく差し込めた。
完成した電源ケーブル。名前はスカイダイビングとした。スカイダイビングとはブルーキュラソーを使ったカクテルの名称。ケーブルの色をカクテルに準えてみたのだ。
このケーブルにはエンブレムを装着してみた。手作りエンブレムにしてはまぁまぁの仕上がりかな。エンブレムを付けるとケーブルに高級感が出て、一層愛着が湧く。
ACプラグハッベル8215TとIECコネクターオヤイデ4781PBGの取り付け状態。スミチューブB2の3倍収縮タイプでコネクター全体を被った。シェルター4781系コネクターはケーブルの固定強度に若干の不安があるため、収縮チューブにてコネクターとケーブルの接合部分を補強してやったほうが良い。さて、スカイダイビングの音色はというと、これがしっくり私好みなのである。適度な荒さを有しつつ、馬力感のあるエネルギッシュな傾向。プラグとコネクターは暖かみのある性格。男性的なCV-Sを女性的なプラグコネクターで和らげているようで、CV-Sの刺が若干抑えられバランスが良い。現在はパワーアンプB-2103の給電に使用中。
PORTFOLIO No.51
~Bacardi~

2005.2.19

VCT5.5を使用した電源ケーブル。長さは2m。ケーブル径は15φ。朱色のメッシュチューブが印象的。音質は中低域の厚みがウェルバランスな落ち着いた音色。このケーブルはプリアンプへの給電などに使うため製作。自作電源ボックスSaturnianMoonsの試聴にもこのケーブルが活躍。このケーブルは柔軟性に優れているので、何かと扱いやすい。

プラグにはフルテックのFI-11Cu、コネクターにはシェルター4781を使用。シールドもきちんと施してあるのでS/N良好。作品名「Bacardi」の由来はラムベースのカクテル。このケーブルの鮮やかな朱色がBacardiを連想させるため。真鍮シートにプリントしたエンブレムを装着している。
VCT5.5は富士電線製。長岡鉄男先生も電源ケーブルやSPケーブルとして愛用されていた。導体断面積は5.5スケア。導体は4Nタフピッチ銅。絶縁材及び外装シースはPVC。
VCTは銅平編線でシールドしている。メッシュチューブはデンカエレクトロンのFLチューブ。型番はFL-9(R)。このカラーメッシュチューブ、とても良い色をしているのだが、残念なことに店頭で見かけることはない。私は小川町にあるデンカ本社へ直接買い付けにいった。私が行き付けの秋葉原タイガー無線にもFLカラーの扱いをお願いしていたところ、2005年1月よりFLカラーの白を小売りし始めた。私は需要のありそうな透明を扱って欲しかったのだが・・・。そんなわけで、今度は透明を入れて下さいと頼んである。タイガー無線としては4ロールまとめて在庫しなければならないため、そうおいそれとカラーバリエーションを増やせられないという事情があるのだが、みんなが望めばきっと置いてくれるはず!

VCT3.5使用電源ケーブル

私の電源ボックスの購入者から依頼があって製作した電源ケーブル。富士電線VCT3.5を使用し、長さは1.8mとなっている。

メッシュチューブ、プラグ、コネクターともに黒で統一しているので、渋い見栄えに仕上がっている。SFチューブの下には銅平編線を被覆してある。このケーブルは中域の適度な張りと低域の弾力感を特徴としている。
ACプラグはマリンコ5266、IECコネクターはシェルター4781を使用。コネクターにはスミチューブB2(3×)にて全体を収縮処理している。コネクターとケーブルの接合部分にはケーブルの反発力による力が掛かりやすく、素のままだと音質にも悪影響を及ぼしかねない。この問題を解決するにはスミチューブでコネクターとケーブルの接合部を被服してやると良い。
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