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オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
電源プラグ
オーディオマニアにとっては承知の事実だが、脱着式の電源ケーブルは一般の電気コードと構造が異なっている。電源プラグ(ACプラグともいう)はアース用の電極がプラスされた3極刃受けとなっている。医療現場向けに規格化されたプラグなので、ホスピタルグレード、UL規格に準拠したものが多い。フルテックの電源プラグは最初からオーディオ用として開発されている。マリンコ、レグランド、明工社、レビトンは業務用の電源プラグなのだが、オーディオ用としても十分な性能だ。なお、電源プラグは音質も然る事ながら、作業性並びに安全性も重要。このページではみじんこが愛用している電源プラグについてご紹介。これら電源プラグと切り売り電源ケーブルIECコネクターを組み合わせて、電源ケーブルを自作する。
ワッタゲート5266i透明タイプ
2005.1.1up!

 購入額:\2,900 購入先:ヤフーオークション(K'sLab)

電源プラグワッタゲート5266iとIECコネクター320iの透明タイプ。電極は真鍮の無メッキだ。ヤフオクにて購入した。私も度々利用しているkslab21さんの出品物だ。kslab21さんはオーディオアクセサリーのネット通販店K'sLabを運営されている。ヤフオクのオーディオカテゴリーで「電源プラグ」と検索すれば見つかる。IECコネクターのワッタゲート320透明タイプやワッタゲート8215TNに関しては昔からK'sLabなどで販売されていたが、5266iの透明タイプは初モノではないか。ケーブルメーカーの完成品ケーブルに搭載されているのも見たことがない。K'sLabのホームページにもまだ紹介されておらず、現在はヤフオクでの販売のみのようだ。5266iスケルトンの購入ついでに320i透明タイプも購入したので、これで配色の統一感が出る。通常見かけるワッタゲート5266BLやマリンコ5266BLとはケース部分が透明になっているだけの違いだが、この透明バージョンは存在感抜群。使うのがもったいないくらいだ。私は予てから、5266BLのスケルトンバージョンが輸入されることを密かに期待していたのだが、この度その想いがかなったわけだ。K'sLabさんありがとう。
ワッタゲート5266iは左写真のような袋に入っている。右上写真のようにワッタゲート5266には黒バージョンと、この透明タイプが存在する。5266i透明と黒ではまだ未検証だが、同じモデルでケース部分に透明タイプと色付きタイプがあった場合、透明タイプの方が若干ながら音が良い可能性がある。これはケースの材質に関係がある。少なくともレビトンの場合、これがあてはまる。黒などの色付きタイプはナイロン樹脂製であることが一般的だが、透明タイプはナイロンより硬質なポリカーボネイト製である。実際にケースを手で触ってみると、黒タイプのケースは柔らかいのに対し、スケルトンは硬い。この材質の違い、具体的には材質の硬度の違いが音に影響するようだ。構造が同じなら、ケース部分が透明の方が解像度が高い。気のせいの範囲かもしれないが、ケースの材質による音の違いがわずかながら感じられるのだ。なお、オーディオ店に出回っているマリンコ5266と、このワッタゲート5266は全く同じで、ブランド名のみが違う。あえていうなら、ケーブル引き出し口の黒いリングに「WATTGATE」と表記してあるか「MARINCO」と表記してあるかの違いだ。ワッタゲートのスケルトンタイプの電源プラグと言えば、8215TNや330iがある。WATTGATE330iは言わずと知れたワッタゲートの最高級電源プラグ。WATTGATE330iにも黒タイプと透明タイプがある。WATTGATE330i透明タイプはやや茶褐色がかった透明で、これはワッタゲートの親ブランドであるキンバーケーブルの電源ケーブルに採用されている。ワッタゲート8215TNはマリンコ8215のスケルトンバージョンであり、PSオーディオの電源ケーブルに採用されていた実績がある。8215TNはこのページの下の方にも紹介しているが、これは完実電気がPSオーディオの補修用パーツして限定輸入したことがあり、一時期秋葉原のオーディオ店で売られていたこともあるが、すでに店頭から消えている。8215と5266はほとんど同じ構造をしているが、若干の違いがある。規格上は8215/8215TNはホスピタルグレードで、電極固定部分は白い樹脂製。5266はホスピタルグレードではなく、電極固定樹脂が黒だという違いがある。ちなみに、シュンヤッタリサーチの電源ケーブルは8215TNと320iスケルトンバージョンを組み合わせている。
ワッタゲート5266iとIECコネクター320iの内部構造。芯線差し込み穴はφ4とやや狭い。6スケア以上のケーブル芯線は差し込みにくい。もし、極太導体を差し込みたいなら、ドリルで差し込み穴を広げるか、圧着端子を仲介させることになるだろう。さて、このプラグ、もったいないのでまだ使っていない。だから、これからどんなケーブルと合わせてどう調理してやろうか、考えるだけで楽しくなってくる。
フルテックFI-11M(Cu)
2005.1.1up!
定価:\3,800 購入額:\1,000 購入先:オーディオユニオンお茶の水店
オーディオユニオンで在庫処分されていたので購入した。通常は実売\3,000程度で売られている。OFC銅のメッキレス電極。他にFI-11M-Gという金メッキバージョンが存在する。電極にメッキ無し銅を使った電源プラグはおそらくこのFI-11M(Cu)が初めてではないだろうか。電極にメッキ無し銅を使うことは珍しく、耐久性を鑑みて真鍮を使うのが一般的だ。ご覧の通り、綺麗な銅電極がこの製品の特徴。ケース部分は透明。少し安っぽく見える。兄弟機のFI-11M-Gに比べ価格が安い。左上写真の通り、綺麗な箱に入って売られている。なお、電極はメッキ無しなので、手垢などで酸化膜がすぐに出来てしまう。磨き布などでこまめに磨いてやろう。
FI-11Mシリーズの特徴はケーブル引き出し口にある。頑丈な万力構造でケーブルを固定する。最大でφ18位までは挟み込めるが、無難なのはφ16までだろう。プラグ自体が非常に頑丈に出来ており、信頼性は高い。ただ、ケーブル差し込み口にはゴムカバーなどがなく、差し込むケーブルの形状によってはケーブル差し込み口に隙間ができる。これは松下電工のWF5018や明工社ME2573にも言えること。ただし、それほど大きな隙間が空くわけではないし、水やほこりが被る危険性がなければ特に問題ではない。気になるようであれば、熱収縮チューブ スミチューブB2(3×)を被服すれば良い。キムラ無線オリジナル電源ケーブルもFI-11M-Cuを使っている。私はFI-11M-Cuを品川電線VCT3.5使用の自作電源ケーブルに使ってみた。フルテックの最新バージョンの電源プラグだけあって、取付作業はやりやすい。固定作業はプラスネジのみでできる。さて、音色はというと、ごくごく無難な感じで、癖や嫌みもなく、どちらかというと中高域はほどほどに、低域がやや厚く出るような気がする。ただ、他のプラグとの純粋な比較試聴ではないので、異論もあろうかと思う。オーディオ専用電源プラグとしては安く、作業性も良好なので、見た目が気にならなければお勧めできる。ま、もう数百円出せば、下記に紹介するFI-11M-Gが買えるので、音質と見た目ではそちらの方がよりお薦めではある。余談だが、オーディオアクセサリー誌特別増刷「ケーブル大全2005」の128ページには、FI-11M-Cuを装着したACデザインの新型AC-ZEROが掲載されている。しかしながら、実際に店頭に並んだAC-ZEROにはオヤイデP-029/C-029が装着されていた。
フルテックFI-11M(G)
2005.1.1up!
定価:\4,800 購入額:\3,000 購入先:ダイナミックオーディオ秋葉原中古トレードセンター
フルテックの新型電源プラグ。2003年末に発売された比較的新しい製品だ。とても良い作りをしていて価格も手頃、音質も必要十分なのでお薦めの電源プラグだ。ご覧の通り、金メッキをしている。電極はOFC銅。ダイナミックオーディオ秋葉原中古トレードセンターの決算セールにて\3,000で購入。通常は\3,700程度で売られている。プラグの形式としては、松下電工のWF5018などを参考にしたと推定されるが、フルテックのオリジナル金型だ。兄弟機には電極のメッキ処理の有無の違いでFI-11M-Cuがある。
ペアとなるべきIECコネクターFI-11(G)とのショット。音質的にも外見的にも、FI-11MGにはFI-11Gをあてがうのが最適だ。右上はケーブルの接続状態。アクロリンクのP4020||を2本差し込んでいる。このようなパラレル仕様にFI-11Mは最適だ。FI-11Mのケーブル差し込み口は四角をしている。説明の仕方が難しいのだが、ケーブルを挟み込む万力部分は両側とも直線上をしているのだ。このような形状から、φ10程度のケーブルを2本差し込んだ時、もっとも安定的に固定できる。最も、電源ケーブルの2本仕様をやる人間はそうはいないと思うが。ただ、φ12 以上のケーブルを2本差ししようとすると、ケーブル差し込み口の開口幅が足りなくなる。さて、FI-11M(G)の音質はというと、音楽のエッセンスたる中域を良く聴かせるプラグだと言える。高域はすんなりと延びていて、妙な誇張感はない。低域の締まりは適度。帯域的なバランスがとても良い。どんなジャンルの音楽にもオールマイティに対応できるプラグだ。今や、金メッキはごくオーソドックスなメッキ手法となってしまっているが、私は暖色の音質を有する金メッキが好きだ。ロジウムはたしかに一見解像度が高そうで、高域にシャキッとした切れの良さを有しているので、積極的に聞き込む際には魅力的なメッキ手法だと思うのだが、ややもすると耳障りで聴き疲れすることもある。その点、金メッキにはそのようなどぎつさがなく、聴いていてほっとする安心感がある。ま、メッキによる音の違いというものは、意識的に聴いていないと分からないくらいの差であったり、時には明らかに違って聴こえたり、環境や心理状態によって様々だとは思う。なにはともあれ、FI-11M(G)はその作業性の良さ、音の良さに対する価格の手頃さでお薦めだ。今まではFI-15Mがフルテックの定番プラグであったが、これからはFI-11がスタンダードたる地位に値するだろう。ただ、FI-15Mには他のプラグにない工作上の利便性があり、これはこれで貴重な存在ではある。
フルテックFI-25MR
2005.1.1up!
定価:\7,800 購入額:\5,000 購入先:ダイナミックオーディオ秋葉原中古トレードセンター
ダイナミックオーディオ秋葉原中古トレードセンターの決算セール時に\5,000で購入。通常は実売\6,000程度だ。価格/構造/性能的にオヤイデP-037の良きライバルと言える。FI-25MRは福田雅光先生にして「ワッタゲートも震え上がる世界ナンバーワンの地位についた」と言わしめた電源プラグ。私はWATTGATE350を使ったことがないので、なんとも言えないのだが。PCOCCの電極にロジウムメッキを施している。フルテック独自のアースジャンパーも配線されている。また、電極以外の金属にはα-Process処理を施している。これはクライオ処理と特殊電磁界処理を施すフルテックオリジナルの高音質処理。特殊電磁界処理の詳細は明らかにされていないが、たぶん磁界を断続的に送りだして帯磁を解消する消磁装置に掛けているのだろう。FI-25MRには対となるべきIECコネクターFI-25Rが同時発売されている。だから、このペアで使うのがおすすめだ。このプラグは前身のFI-20MRの改良版で、FI-20MRで指摘のあったケーブル固定ネジの使いにくさ、ケーブル差し込み穴の小ささなどを改善している。実際、FI-20MRより工作上はるかに使いやすくなった。また、ケース自体の厚みも増しており、強度も抜群だ。FI-25MRはたしか2003年の春頃に登場したと記憶している。前身のFI-20MRの発売中止から1年ほどのブランクがあっての再登場だった。細かいことではあるが、FI-25MRは発売後も小改良が加えられている。具体的には、ケーブル固定用ネジのネジ受け部分が樹脂製から真鍮製に変更されている。フルテックの社員さんによると、わざわざ型番を変えるほどではなかったので、この改良については未発表とのこと。もっとも、小改良を明らかにすれば、改良前の在庫が売れなくなるだろうし。私が入手したのは小改良後のバージョンだ。
FI-25MRはトラス型プラスネジでケーブル導体を固定できるようになっている。ネジは大形なので、作業性は良い。ケーブル差し込み穴が大きいので、一見かなり太い導体もすんなり固定出来そうだが、実際にはうまくいかない。3.5スケア1〜2本挿しくらいなら何の問題もないのだが、6スケア以上の導体だと、穴の中心に通っている固定ネジが邪魔をしてうまく差し込めないのだ。実際、アクロリンク6N-P4030を差し込む時にも相当苦労した。こういった太い導体を差し込む時には、導体を解いて2つに撚り分けてY字状にする。そして、ネジを回避するように差し込めば良い。これはほぼ同じ固定構造を有するオヤイデP-037などにも共通する事項だ。予想外の苦労の末、完成したのが右上の電源ケーブル。FI-25MR/FI-25R/6N-P4030の組み合わせだ。P4030はレンジが広くとても高品位なのだが、導体が太いので低音がやや緩みがち。それをFI-25MRで適度に絞ってやろうという意図。お互いの利点欠点を補いあって実にバランスの良いケーブルに仕上がったと思う。FI-25MR自体はロジウムメッキとPCOCCらしく分解能が良好で、メリハリの効いた傾向。切れのよさが目立つためやや硬さや冷たさも感じるが、時間が経てばこなれてくる。ある程度お金を掛けてもよいから、最高の電源プラグを手に入れたい人にお薦めの電源プラグだ。
オヤイデ電気P-037

定価:\7,000+税 実売:\5,250+税 購入:オヤイデ電気

オヤイデ電気のオリジナルACプラグの製品化については2003年初頭には耳にしていた。当初は昨年夏に発売予定だったものが、相当の試行錯誤があったようだ。試作段階で20回以上のも金型の試作を繰り返している。そして、昨年12月末にP-037として発売に至ったのだ。みじんこにとっては待ちに待った電源プラグ。オヤイデの製品ポリシーはずばり「安全性」。電気を扱う以上、製品には絶対の安全性が要求される。それゆえ、P-037は電気用品安全法(旧電気取締法)適合品となっている。仕様は125Vの15A。さて、肝心の音質だが、「無色透明」という言葉があてはまるほど色付けがない。澄み切った感触だ。今後、相当な評価がなされるだろう。なお、P-037と対をなすIECプラグ「C-037」も同時発売されている。

オヤイデ電気から昨年末に新発売された電源プラグP-037を早速購入!定価\7,000で実売\5,250。銀色の缶に入って販売されている。それにしても、斬新というか、スケルトンブルーのプラグなんて見た目が奇抜すぎ!これ、慣れれば、かっこいいのだ。近月中に、金メッキバージョンも発売予定とのこと。P-037の電極部分はOFCに銀+ロジウムメッキ。電極固定部分はガラスフィラー入り樹脂。SWO-DXのケースと同じ素材だ。ケースのモールドはレビトンの8215に似た波型形状をしている。実際の製品は試作品と同じスケルトンブルーになった。部品の噛み合わせにおいても、隙間が皆無であり、精度は抜群。
P-037のケーブル差し込み部分。ここらへんの構造は、マリンコ5266やフルテックFI-25MRなどに似ている。ケーブルはφ17mmまで対応。やろうと思えば、最大で5.5sqを2本挿入できるらしい。そんなことする人がいるかは別として。各所のネジも非磁性体で、デザインにこだわったオヤイデ特注ステンレスネジ。国産らしく、ネジはミリネジのようである。ケースは硬質なポリカーボネイト製。レビトン8215などに比べるとやや薄手だが、かなり硬く、強度は充分。ケーブル導体圧着金具もロジウム掛けされている。金具の片側は山状になっており、挟み込んだ導体を強固に圧着できる。また、圧着金具のネジは大形で、作業性が良い。みじんこはこのACプラグをパワーアンプB-2103MOSにあてがった。
レビトン699
2004.01.17更新!
定価:\3,000 実売:\2,250+税 購入先:ダイナミックオーディオ秋葉原中古センター

レビトン699はホスピタルグレードプラグ対応の3つ股分岐プラグ。今から3年ほど前から輸入開始された。輸入元は他のレビトン製品と同じヒノエンタープライズ。値段はダイナミックオーディオ秋葉原中古センターで\2,250(税抜)、テレオン2号館3階で\2,250(税込)。この699、使い方によっては簡易的な電源タップにもなりうる。実際に、電源タップの代替品として活用している人もいる。

レビトン699。ご覧の通り、3つ股分岐プラグである。インレット部分が顔の様でかわいらしい。電極はメッキ無し真鍮。やや弾性のある硬質樹脂でモールドされており、分解は不可能。
電源プラグの刺し込みには、かなり力がいる。それゆえ、差し込んだ電源プラグはぐらつき皆無。ただ、3つも電源ケーブルを差すと、かなり重くなる。この状態で、垂直に取り付けられた壁コンセントに699を差し込むと、重みでずり下がる。ずり下がりを抑えるには、なんらかの対処が必要だ。みじんこは壁コンのもう一方に差し込んだ電源プラグと699の間にシルクの塊を挟み込んで、ずり下がるのを抑え込んだ。輪ゴムと画鋲を使って壁から吊り上げるのもいいだろう。
マリンコ5266BL ロビン企画バージョンロジウムメッキモデル
12/11更新!
定価:\8,000+税 実売:\8,000+税 購入:ロビン企画

後述するマリンコ5266BLのロビン企画ブラッシュアップモデルである。オリジナルの5266BLはメーカー製完成品ケーブルに多用されているので、見慣れたものだ。このロビン企画モデルは5266BLの電極を研摩して、メッキ掛けの後、Wクライオ処理をしているのが特徴。メッキ掛けは24金メッキとロジウムメッキの2モデルが用意され、ともに値段は同じ。構造上の変更点は全くない。よって、オリジナルの5266BLと同様に工作しやすい。オリジナルの5266BLと純粋な比較試聴をしていないので、音質評価は控えておこう。

マリンコ5266ロビン企画モデル。ロジウムメッキモデルはHOT/COLDの導電部分がロジウムメッキ、GNDG及び各部のネジは金メッキ。 5266ロビン企画モデルを分解。メッキは肉厚でしっかりしている。みじんこは5266が好きなので、こういった特別仕様モデルは大歓迎だ。
マリンコ5266ロビン企画モデルは、プリアンプPRA-2000ZRの電源ケーブル交換時に使用した。マリンコ5266ロビン企画モデルは、ロビン企画の社員さんによると「ワッタゲート350を超えていますよ!」とのこと。みじんこはワッタゲート350を使ったことはないのでなんとも言えないが、そう言う事にしておこう。とにかく、5266の派生商品として注目すべき電源プラグだ。参考までに、電源ケーブルはS/A LABのHHSを使用。5266とHHSともに艶有り黒色、かっこよく仕上がった。
レビトン 8215CAT

定価:\5,400 実売:\4,000前後 購入:オーディオユニオンお茶の水店(\3,980+税)

レビトン8215CATは月刊ステレオ03.3月号に掲載されて以降、注目を浴びたACプラグ。福田先生が取り上げなければ、レビトンにL型プラグが存在することを知られなかっただろう。L型プラグの先駆者である長岡先生でさえ、使っていたのはハッベルの8215CATだった。というわけで、ステレオ誌のプラグ特集で90点の最高評価が掲載されて以来、みじんこはレビトン8215CATを捜しまわった。しかしながらどこのオーディオ店にもレビトン8215CATは置いておらず、どうしても欲しければ取り寄せになるらしい。唯一、ダイナ秋葉原トレードセンターだけは、雑誌掲載後すぐにレビトン8215CATの販売を開始。さすがはダイナ!頼りになる。ただ、初回入荷の10ヶはすぐに売り切れたそうで、みじんこは2回目の入荷分で購入できた。値段は\4,300/ケ。ちなみにレビトンの8215PLCはダイナで\3,400/ケにて販売していたが、雑誌の高得点で人気が出らしく\4,050/ケに便乗値上げした。またダイナは今まで扱いの無かったハッベル8115Vも置くようになっていた。雑誌掲載から一ヶ月が経過した頃にキムラ無線でもレビトン8215CATの扱いを開始。さらにはオーディオユニオンお茶の水店にも一時的にレビトン8215CATが入荷、\3,980と安かったのですぐに売り切れた。なお、同お茶の水店の松浦さんはあまりレビトンが好きでないらしく、在庫を置く予定はないとのこと。地方の方はオーディオアクセサリーのネット通販店「K's Lab」で入手するのが便利だろう。このように、プラグ一つにも様々なエピソードがある。みじんこは調子にのってレビトン8215CATを3つ購入した。とにかくこの8215CAT、造りも頑丈で音質もストレートで高解像度な印象。福田先生がすすめる理由に納得。ただ、レビトン8215CATにはステレオ誌では検証されなかった難点がある。作ってみれば分かるが、L型プラグはプラグケース内でケーブルを急激に曲げなければならず、特に4芯ケーブルの取り付けは難しい。

LEVITON8215CAT。
LEVITON8215CAT。
レビトン8215CAT。みじんこのアイデアでケース上面にアルミの円盤を貼付けてある。見た目もかっこいい。こういう工夫はL型ならでは。 8215CATの側面。L型プラグは導体の引き回しに苦労する。ケース内部の空間的余裕が乏しく、導体を急激に曲げなければならないのだ。
LEVITON8215CAT。
LEVITON8215CAT。
8215CAT上部。ケーブルの引き回し状態が良く分かる。ケースは非常に分厚く頑丈だ。グリーンドットマークが洒落ている。 8215CATの電極はメッキなし真鍮。8215はケーブル引き出しを8方向選択できる。写真では90度回して固定している。
レグランド5266

定価:\? 実売:\2,980 購入:オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館

legrandは米国の電気部品メーカーで、レグランドと発音する。legrandの電源プラグ5266は知る人ぞ知る電源プラグ。雑誌のACプラグ特集でも今だ取り上げられたことが無い。みじんこが知る限りではオーディオユニオンお茶の水店と新宿店のみで販売されている。日本のACデザイン、イギリスのECOSSEの完成品電源ケーブルにはこのレグランド5266が使用されている。数あるホスピタルグレードプラグの中でも電極固定部分が透明なのはこのプラグだけだろう。店員さんいわく、音質はワイドレンジではないものの安定した音質、とのこと。みじんこは自作電源タップに使用中。しっかりした作りのため、ケーブルへの固定作業も迅速、確実におこなえる。

legrand5266。
レグランドlegrand5266。
legrand5266と外箱。外装ケースは軟らかめ。 legrand5266。艶消し黒の外装ケースが渋い。
レグランドlegrand5266電極取り付け部分。
レグランドlegrand5266外装ケース。
legrand5266の電極。独特の構造だ。大形のプラスネジで導体をしっかり固定できる。 ホットとグランドの電極はメッキ無し真鍮。コールドは真鍮にニッケルメッキ。
マリンコ 8215TN

定価:\4,000 実売:\3,360 購入:オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館

マリンコ8215にはカバーが透明タイプと黒タイプがある。ホスピタルグレード、UL規格、耐圧125V15A仕様。8215の透明ケースタイプは8215T、さらに電極のニッケルメッキ仕様は8215TNと呼ばれている。TNはTranceparent Nickelの略で、透明ケースのニッケルメッキの意。ニッケルメッキ無しの8215Tは今までネット通販のK'sLabか、完成品の電源ケーブルに装備されているだけであった。しかしながら、2002年末に8215TNがオーディオアクセサリー店に相次いで入荷した。限定入荷の理由はPSオーディオの電源ケーブル用補修パーツとして限定輸入されたのだった。入荷店はオーディオユニオンお茶の水アクセサリー館、ダイナ秋葉原トレードセンター、キムラ無線。どの店も限定入荷で在庫限りとのことだが、キムラ無線にはまだ在庫がある。透明ケースがかっこいいので、一つ試しに買ってみた。8215TNの電極は5266BLと同じく真鍮製。構造もほぼ同じ。性能は同等と思われる。8215TNと5266BLではケースの固定ネジのネジ切りピッチが違う。なお、同じ型番のプラグでも黒いタイプより透明タイプの方がケースが硬く、従って音にも締まりが出るらしい。同様の効果は1/3収縮のスミチューブBXプラグ全体を被うと良い。電源プラグ用には収縮前40mm、収縮後は13mmになる。スミチューブBXはオヤイデやタイガー無線、大阪なら河口無線にある。

マリンコMARINCO8215TN。
マリンコMARINCO8215TN。
マリンコ8215TN。電極は全てニッケルメッキ。 マリンコMARINCO8215TN背面。
マリンコMARINCO8215TN。
マリンコMARINCO8215TN。
電極本体とケース。透明ケースが美しい。 導体挿入口はやや狭く、3.5sqがぎりぎり入る。

マリンコ 5266BL

定価:\4,000 実売:\3,200 購入:ダイナ秋葉原トレードセンター

全身真っ黒でかっこいい電源プラグ。なんでもホームシアター用に開発されたオーディオ用プラグらしい。最安はテレオンで\3,200。ステレオ2003.3月号のACプラグ特集で85点と高得点だった。マリンコ5266BLに似たものにマリンコ8215があるが、8215はブレードの固定部分が白いだけで、他は5266BLと全く同じもの。5266BLはキムラ無線、ダイナ秋葉原トレードセンター、オーディオユニオンお茶の水店、テレオン2号店などで入手できる。最安はダイナ秋葉原トレードとテレオン2号店の\3,200。5266BLはワッタゲイト330の元になったモデル。5266BLは真鍮電極にメッキ無し、ワッタゲイト330は金メッキ。ブレードはポリマールで磨いてやればピカピカになるし、メッキは無くていいのだ。現在、上述の藤倉電線CV-S 3.5Sqに装着して使っている。装着作業はとてもやりやすいが、導体のネジ締め作業をする前に円筒形のカバーを先にケーブルへ通しておくのを忘れないように。ただ、電極への導体挿入口がやや狭いので、太い導体を挿入するには加工が必要。音については細かく比較試聴していないが、フルテックのFI-20M-Rより明るい音調に感じる。余談だが、マリンコのホームページには日本に輸入されていないモデルが多数見受けられる。

マリンコ5266BL。メッキ無しの真鍮電極。
マリンコ5266BL。
マリンコ5266BL。メッキ無しの真鍮電極。 マリンコ5266BL背面。
スミチューブBX(φ40mm)を被せたところ。
スミチューブBXを被せるとこうなる。
ケーブル導体の固定構造は8215TNと全く同じ。
フルテック FI-15M-G

定価:\3,000 実売:\2,000 購入:ダイナ秋葉原トレードセンター

フルテックは台湾のオーディオアクセサリーメーカーである。特に、IECコネクター初のオーディオ専用品FI-15を新規開発するなど、オーディオ界に多大な貢献をしてきた。この FI-15M-Gは1999年の登場以来、電源ケーブルメーカーに多用されており、ケーブル自作派にも定番の電源プラグとなった。なお、現在は後継機種のFI-15ME-Gにバージョンアップしている。FI-15ME-Gの発売に伴い旧型となったFI-15M-Gであるが、アースジャンパーの装着によりFI-15ME-Gにグレードアップできる。アースジャンパーはダイナ秋葉原トレードセンターで入手できる。

フルテックFI-15M-G。写真では熱収縮チューブをかけている。ケースは一体モールド成型で、内部構造はIECプラグFI-15-Gと同じ。 ケーブルの取付作業はやりやすい。ただ、ケーブルの固定はプラスネジに巻き付けて締め上げるだけ。耐久性にやや不安がある。
フルテック FI-20M-R

定価:\7,800 実売:\5,980 購入:ダイナミックオーディオ新宿店

フルテックFI-20M-Rは2002年初頭に発売されたものの、半年も経たずに絶版になった非運の電源プラグ。オーディオ専用電源プラグとして音質に配慮した設計となっている。FI-20M-Rと対をなすIECプラグFI-20Rも発売されていた。FI-20M-Rの下位には金メッキバージョンのFI-20M-G(\4,800)も存在していた。FI-20M-Rの外見形状はマリンコのプラグを模倣している。しかし、内部構造はマリンコと全く違う。フルテックFI-15とも構造が全く異なる。FI-20M-Rの電極は全てロジウムメッキされており、アースジャンパーが搭載された最初の機種でもある。アコースティックリバイブや根岸通信の完成品電源ケーブルにも採用されていた。このFI-20M-R、音質面での評価は高いのだが、はっきり言って構造的に問題が多い。まず、ケーブル導体の圧着ネジは六星型の特殊なレンチでしか締め付けられない。また、このネジは小さいので強く締め付けにくい。無理に締めるとネジ山をなめてしまう。ネジを強く締めると本体が変型してしまい、外装ケースがはまらなくなってしまう。これは明らかに構造的欠陥だ。さらには、アースジャンパーがちぎれてしまう事例もあるらしい。ケーブルを挟むクランパーのネジもつぶれやすい。ひょっとして、これらの欠陥が原因でFI-20M-Rは短命に終わったのかもしれない。なお、2003年春にはFI-20M-Rの後継機種FI-25M-Rが発売されている。FI-20M-Rの反省を踏まえてFI-25M-Rは大幅改良されている。ただ、後継機種FI-25M-Rにおいても構造欠陥が完全には払拭されていない。FI-25M-Rの発売当初、ダイナ秋葉原トレードセンターでフルテックの社長を見掛けた。店長さんとの会話の中で、フルテック社長は近日中にFI-25M-Rの問題点を改善すると言っていた。具体的には、クランパーのネジ受け部分の強化などとのこと。

フルテックFI-20M-R
フルテックFI-20M-R、藤倉CV-S3.5スケア
フルテックFI-20M-R。透明ケースが美しい。 FI-20M-RとFI-20-R、藤倉CV-S3.5の組合わせ。
フルテックFI-20M-R フルテックFI-20M-R
明工社 ME2573

定価:\1,680 実売:\1,400 購入:オヤイデ電気

明工社は日本の電気部品メーカー。ME2573はもともと医療用のホスピタルグレードのUL規格品。オーディオ用に開発されたものではない。ME2573は価格も安く、音質も良いことからオーディオ用に流用できる。ME2573の電極はホット真鍮メッキ無し、コールドとグランドは真鍮ニッケルメッキ。ケーブル導体の固定はプラスネジでしっかり止められる。ME2573の下位にはME2591という電源プラグがあり、電極は全て真鍮にニッケルメッキで、価格は\1,270。明工社のライバル的存在として松下電工のWF5018があるが、音質はME2573の方が良いと言われる。ME2573は電極が固定されていて分解できないが、WF5018は電極が簡単に外せるのがメリット。武藤製作所ではWF5018用のオーグ電極を販売している。みじんこはKP-1100の外付けトランスに使用している。よって、音質については分からない。

明工社ME2573。透明のプラスチックケースはとても頑丈。貴重なメイドインジャパン。ケーブルメーカーの完成品ケーブルにも多用されている。 ケーブルはクランパーで強固に挟むことができる。安価な製品だが信頼性は高い。透明ケースは硬度が高いので音質に有利と言われている。
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