オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
インシュレーター
 オーディオアクセサリーの中でもインシュレーターは歴史が古く、また製品数も多い。そもそも、インシュレーター(insulater)の直訳は防音材とか絶縁物という意味合いで、オーディオ装置へ不要振動を伝わらないようにするための介在物。オーディオコンポーネント付属のインシュレーターはプラスチックモールドの安物だったりするので、これを高音質のインシュレーターに交換若しくは追加してやると音質向上に繋がるのである。インシュレーターの材質は金属等の硬質系と、ゴムなどの軟質系に大別される。近年、インシュレーターの世界は複雑な構造や独自の理論を持つものが製品化されて話題を振りまいている。オーディオリプラスの人工水晶、ローゼンクランツのエコブラス、クリプトンやセイシンのM2052、J1プロジェクトの特殊樹脂などはここ数年で定番商品になった。オルトフォンの大谷石、ブラックダイヤモンドレーシングのカーボンインシュレーター、AETのコーンスパイク、インフラノイズのマグナライザーフローティングインシュレーターがここ1〜2年の新顔。また、発売以来、長きに渡り愛され続ける定番インシュレーターも存在する。例えば、TGメタルの鉛、TAOCの鋳鉄などはハイCPインシュレーターとしていまだ多くの愛用者を抱える。また、東急ハンズの素材コーナーにはインシュレーターに使えそうな素材が沢山見つかる。こういった素材を組み合わせて、オリジナルインシュレーターに仕立てているマニアも多い。
AET スパイクTI3530/4P スパイクベースTI3515spec2004/4P
2004.8.18追加更新!
購入先:オーディオユニオンお茶の水店 
TI3530/定価:\18,000 実売特価:\11,340 TI3515spec2004/定価:\12,000 実売特価:\10,800
AETは日本の誇るオーディオアクセサリーブランドであり、オーディオアクセサリーに関する理路整然とした主張、いずれの製品も精度が良く、いかにも日本的な魅力を有している。私もAC-GAIAを愛用しているが、良く作られたケーブルだと思う。価格は手頃であり、ケーブルなどの切り売りも積極的におこなっているので、AETブランドの愛用者は多い。このスパイクとスパイクベースもAETのエッセンスが詰まった製品に仕上がっている。まずは、見た目が美しい。同じようなデザインのインシュレーターは幾つも存在するが、AETのインシュレーターには「きっと良い音がするに違いない」と思わせる何かがある。もちろん、ここまでAETに関しては異論を持つ方も多いだろうが、そこらへんは私も承知している。ま、私は少なくともAETのスパイクを買って正解だったと思う。
TI3530とTI3515はかねてから欲しかったインシュレーターだった。私は以前よりTAOCのTITEシリーズを愛用していて、それなりの満足度を得ていた。しかし、オーディオマニアたるもの一ケ所に留まってはおられない。魅力的なインシュレーターが次から次へと発売される中、AETのインシュレーターは発売当初からオーディオマニアの方々が絶賛されていた。デザインも機能美に溢れていて美しい。うーむ、これは物欲魂がくすぐられるの〜。とはいえ、スパイクとスパイクベースを合わせると実売3万円近くになる。インシュレーターに3万円となると、ちょっと躊躇してしまう。欲しいなぁ、けど高いなぁ、どうしようかなぁ、などと思い続けること1年あまり。そうこうしているうちに、2004年春にTI3530とTI3515がspec2004へとバージョンアップした。そして、ほどなくオーディオユニオンお茶の水店にて旧バージョンの在庫処分セールが実施されたのだ。TI3530は通常\15,000程度で売られているのだが、処分特価ゆえ\4,000近くも安くなっていたのだ。これは買いだ!
私はTI3515(スパイクベース)をspec2004、TI3530(スパイク)は旧バージョンで買い揃えた。TI3515をあえて処分特価でないspec2004にしたのは、新バージョンの方がすり鉢状部分が深くなっており、それによってTI3530とTI3515を組み合わせた時の高さをできるだけ低くしたかったから。旧バージョンと新バージョンのどこがどう変わったかはAETのホームページにあるTI3530旧バージョンTI3530spec2004でご確認あられたい。なお、同製品には4個入りと3個入りがある。私が買ったのは上の写真のように4個入りである。
TI3530旧バージョン。高さ30mm、直径35mm。重量は量り忘れたが、けっこう軽い。素材はエアクラフト合金で、スパイク先端は硬質チタニウム合金で出来ている。エアクラフト合金とはつまるところアルミニウム合金のことだ。それとこのスパイク、底面にM8のネジ溝が彫ってある。これは私にとって非常に都合が良いのだ。というのも、私はこのTI3530を愛機VRDS-25xsに搭載しようと考えていたからである。VRDS-25xsのインシュレーター取り付け部分にはM8のネジが突出していて、純正品とTI3530をそっくりそのまま無改造で交換できるはずだ。VRDS-25xsにTAOCのTITE-27を取り付ける時には、M8のネジ溝を彫る改造をしなければならなかった。そんな改造はこのTI3530では不要なのである。
TI3515spec2004。旧バージョンに比べてすり鉢状の部分が深くなっている。また、裏面にも変更があり、外周が盛り上がった形状に変更されている。旧バージョンでは底面は平らで、底面の中程にゴムリング(硬質ダンパー)が嵌め込んであったのだ。spec2004へのバージョンアップついてAETのホームページから引用すると「プロ、ハイエンドシーンで大ヒット中のTI315の2004年バージョンです。チタンビットの大型化やボディイ形状の改良により、更なる強度向上を果たしました。 剛体設置を徹底したラウンド状の底面とあいまり、力感、開放感、情報量の向上が期待できます。」とのこと。性能向上とともに、ゴムリングを廃止した事によるコスト削減の意味合いもあったのかも。
TI3530の硬質ダンパー(ゴムリング)を外したところ。カッターなどの刃先で引っ掛けてやれば簡単に外れる。この硬質ダンパーを外した方が解像度が上がるという雑誌批評を読んだ事がある。よって、VRDS-25xsにはダンパー無しで取り付ける事にした。右上はVRDS-25xsに取り付けたところ。鋭いスパイク形状がはっきりと見て取れる。やはり、ダンパー無しの方が底板にがっちり固定出来る感触があり、ぐらつき皆無で良い感じ。
参考までに、VRDS-25xs純正のスパイクとの比較。純正スパイクは直径50mmで、ご覧の通りなだらかな円錐状をしている。かたやTI3530は鋭い形状で、なんとも刺激的。
VRDS-25xs底面を正面から。左がVRDS-25xs純正のスパイク。右がTI3530を搭載した状態。
スパイクとスパイクベースを組み合わせた時の高さ比較。左が純正で、高さは20mm。右がTI3530とTI3515spec2004を組み合わせたもので、高さは36mm。つまり純正より16mm腰高になる。
実際の設置状態を比較する。左は純正。右はTI3530とTI3515spec2004。高さ36mmというのは、インシュレーターとしてはかなり高め。実際の見た目も底板の下に空間が空き過ぎてやや間抜けな印象になってしまう。音が良ければそれでいいじゃないかとも思うのだが。さて、純正インシュレーターといかなる点に変化があったかと言うと、繊細で細かい表情、パーカッションなどの中高域の分解力がかなりの向上を見た。素材そのものの印象と同じだが、やや音色全体がカッチリとしてくるようだ。低域が締まる感じもあり、その影響で音楽全体の反応性が速くなったのかなとも思う。美味しい部分がやや薄まった気がしないでもない。ま、ここらへんは主観だし、全く別の意見があるだろうとは思う。気持ち良く思う表現と言うのは人それぞれだし。いずれにせよ、私がこれまで愛用してきたTAOCのTITE-27Rとは傾向が違う。TITE27Rは重量級インシュレーターだけあって、それが音にも反映される。中低域の厚みが増すので、VRDS-25xsとの相性はなかなか良いと思う。TI3530とTI3515はVRDS-25xsの個性をより強調すると思われ、スーパーツイーターからの放射がいつもより多く感じるほど、高域の解像度が増したようである。まぁ、インシュレーターに何を使おうがVRDS-25xsはまぎれもなくVRDS-25xsなのであり、機器を代えたような劇的な変化があったわけではない。ほんの微少な、それも良く注意していれば分かる程度のものである。プラシーボ効果も多少はあるかな。
さて、ここで一工夫。きらっとひらめいたのだ!TI3530だけ残し、スパイクベースのTI3515を外してしまおう。そして御影石ボードと組合わせてみよう。早速、使っていないオーディオムカイ製黒御影石(480×430×15)を引っぱり出し、コーリアンボードと交換してみた。そしえ、スパイクベースを介さず、スパイク直置きで設置してみた。コーリアンはスパイクを直接置くと削れてしまう。黒御影石なら圧倒的に硬度が高いので、スパイクを直置きしても凹むことなく支えてくれるはずだ。TI3530とTI3515の組み合わせより、TI3530と黒御影石の組み合わせの方が極端な強調感もなく、なおかつTI3530の解像度の良さが活かされていてバランスが良い。うーん、これ!これですがな!見た目も良いし、TI3515を外した分だけ高さも低く抑える事が出来た。かくて、TI3530は私のお気に入りインシュレーターとなったのである。TI3530と黒御影石の組み合わせでしばらくは楽しむことにしよう。飽きたらTITE27Rに戻してみるか。
TAOC ハイカーボン鋳鉄インシュレーター
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TAOC TITE-26R2万以上送料無料!店舗も同売価で販売致します!!メーカー正規仕入れならではの早い...
TITE-26R φ60xH25 4個1組 \6,600 実売\5,500円前後

TAOC TITE-27R2万以上送料無料!店舗も同売価で販売致します!!メーカー正規仕入れならではの早い...
TITE-27R φ70xH25 4個1組 \7,700 実売\6,500円前後

TAOC TITE-47R2万以上送料無料!店舗も同売価で販売致します!!メーカー正規仕入れならではの早い...
TITE-47R φ70xH40 4個1組 \9,900 実売\8,000円前後

 みじんこが愛用しているインシュレーターは、実はこのタオックのTITEシリーズだけ。今から5年ほど前、オーディオ雑誌で高い評価を得ていたので、期待を胸にTITE-26Rを購入。早速、CDP-XA50ESの付属インシュレーターをTITE-26Rに交換。そのダイナミックな音質変化に感動して以来、TITEシリーズのファンになった。TAOCのインシュレーター全般に言えるのだが、値段が手頃で効果明解なのが魅力。音の締まりと芯が増すのである。デザインもオーソドックスで、いぶし調の塗装が良い。質実剛健な雰囲気が漂う。みじんこの黒いオーディオシステムにマッチングするのだ。みじんこはTITEシリーズを新品でも入手しているが、オーディオユニオンお茶の水店や新宿店で中古を見つける度に購入。今や6組所有している。MDS-JA30ESにはTITE-26R、PRA-2000ZRにはTITE-27Rを使用。VRDS-25xsにはTITE-27Rにねじ切り加工して取り付けている。KP-1100スケルトンにもTITE-47Rにねじ切り加工して強引に取り付けた。いずれ、他のインシュレーターもいろいろ試してみたいが、取急ぎみじんこはTITEに満足している。なお、このインシュレーターが欲しい人は上の商品画像をクリックしてみてね。楽天市場でネット通販出来ます。正直、秋葉原のオーディオショップより安い。忙しい人や地方の人はネット通販が便利かも。
TITEは大きさと高さによって3種類ある。右がTITE-26R、左がTITE-27R、奥がTITE-47R。 TITE-26Rは標準のインシュレーターと交換しても、極端に高さが変わらないので使いやすい。
TITE-27RはVRDS-25xsのインシュレーターに使用。取付けるためにネジ切り加工をおこなった。 TITE-47RはKP-1100のインシュレーターに使用。こちらもネジ切り加工を施して取り付け。
クロロプレンゴムシート

価格:\800 販売先:東急ハンズ新宿店渋谷店 大きさ:0.3mm×500mm×500mm

クロロプレンシートは東急ハンズの素材コーナーで薄型ゴムシートとして売られている。黒くて薄いゴムシートで、用途は使う人次第。もともとオーディオ用途ではない。以前、福田先生がオーディオ雑誌でシートの比較試聴をやっていた。その時に1位だったのがこのクロロプレンシート。0.3mmという薄さが音質に適度に働いているのであろう。みじんこも一時期、御影石の下に敷いていた。コンポ設置時の微妙な隙間を埋めるのにもちょうど良い。スーパーツィーターと鉛台の隙間調整にも有効だった。ただ、厳密に使用前使用後で試聴していないので、クロロプレンゴムシートによる音質の変化までは確認していない。実は、みじんこのオーディオアクセサリーの撮影にクロロプレンゴムシートは大活躍。シートの上にアクセサリーを置いて撮影するのだ。さらには、このクロロプレンゴムシート、アナログプレーヤーのカバーに具合がいいのである!しんなりとレコード全体を被ってくれるし、つや消しの黒なので、みじんこのオーディオシステムに馴染むのだ。そういえば、長岡鉄男先生は土産物を包むビニールシートやゴミバケツの蓋をプレーヤーのカバーにされていたなぁ。しみじみ。
何かと役に立つクロロプレンゴムシート。 KP-1100に被せたクロロプレンゴムシート。
J1プロジェクト PA35D/4P

定価:\3,800 実売:\3,040 購入:オーディオユニオン新宿店

もう、オーディオ界ですっかりお馴染みになった感のあるJ1。青いタイプとは違いPA35Dは硬い。AX-900の脚の下に敷くスペーサーに使用。なんだか、ただの安いプラスチックの円盤ではないか?と思ってしまった。うーん、こんなもので音が変わるのか?で、AX-900に使ってみる。うーん、音がパリッと明るくなったような感じがする。悪くはないが、見た目が安っぽいなぁ。φ35mm

鉛柱
φ40×H5mm 4ヶ入り\480 東急ハンズ各店

東急ハンズで「鉛柱」として売られているが、柱ではなく円盤というのが正しいと思う。まさにオーディオ用インシュレーターに使ってくれ、と言わんばかりの形状。ま、これを買っていく人はオーディオマニア以外に違いない。鉛は柔らかいので、使用箇所に馴染みやすい。紙やすりで表面を馴らしてやると具合が良い。防振効果も御墨付き。今は使っていないが、持っていて損はない。

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