オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
インターコネクトプラグ
インターコネクトプラグは楽しい!何が楽しいって?様々な形状や機構を備えたインターコネクトプラグは見ているだけで楽しい。これぞ、機能美の賜物。インターコネクトプラグ(以下インコネプラグ)とはインターコネクトケーブル(ラインケーブル)の端末に装着されているプラグのことであり、ラインケーブルをオーディオ機器の入出力端子に接続するための部品である。オーディオ用インコネプラグには大別すると3種類の形状がある。一般的なのはRCA社が開発したRCAプラグで、俗にピンプラグとかRCAコアキシャルプラグも呼ばれる。RCAプラグはアンバランス音声ケーブルや75Ω同軸デジタルケーブル、同軸映像ケーブルの端末に用いられる。キャノンプラグ社が開発したキャノンプラグ(XLRコネクターとも呼ばれる)も高級オーディオ用として多用されており、これはアナログバランスケーブルや110Ωデジタルケーブルに用いられる。比較的マイナーだが、BNCプラグも75Ω同軸デジタルケーブルや色差映像ケーブルに利用されている。極めて珍しいものとしてレモ(LEMO)というプラグがあるが、これはマークレビンソン製品に搭載される入出力端子であり、一般には無縁の存在である。レモはとても小さなプラグなのだが、接続性は良好。普及しなかったプラグ形式なので、レモプラグを装着したケーブルというのもほとんど見掛けない。レモプラグは秋葉原ラジオデパート1階のパーツ屋で売られているので、興味のある人は探してみるといい。店名は忘れた。
RCAプラグの例
WBT-0144
XLRコネクターの例
AET DCT-XLR-M
XLRコネクターの例
フルテックFP-601M
BNCプラグの例
オヤイデSLSB
インコネプラグうんぬんというのは、ケーブルの自作をしない人にとっては、興味の対象外だと思う。当然のことながら、市販のインターコネクトケーブルにはプラグが装着済みだからだ。こういうわけで、自作派以外にはご縁の少ないインコネプラグだが、つっこんで考えるとなかなか奥が深い。材質、金属加工法、加工メッキ手法、絶縁材、ロック機構の有無、精度、ケーブルの固定手段、ケーブル装着の難易度、完成後の使用感など、個々のインコネプラグにはそれぞれ特徴がある。価格もピンからキリまで。ジャンクパーツ屋で売られている1個百円のプレス品から、オーディオ店で売られている4個セット1万円以上の高級品まで様々である。オーディオ用高級インコネプラグの代名詞といえばドイツのWBT社やカルダス社が有名。
WBT RCAプラグ
WBT-0101
WBT RCAプラグ
WBT-0108
WBT RCAプラグ
WBT-0110AG
オヤイデ RCAプラグSLSC
中堅ところでは、米国のモニター(旧モニターPC)、台湾のシャークワイヤー。意外と知られてはいないが、米国のワイヤーワールドもプラグの単売をおこなっている。最近は、自作ブームにあやかって、フルテック、AET、オヤイデ電気などの国内メーカーからも高級プラグが相次いで発売されており、自作マニアにはうれしい限り。業務用途としては日本のカナレ、米国のスイッチクラフト、ノイトリックが有名であり、これらメーカーのプラグ類はピュアオーディオ用としても十分に通用する。無名ブランドでは、TMSというメーカーのプラグがお勧め。私はTMSインコネプラグを多数愛用している。TMS製品はオーディオ機器メーカーへの卸が主体らしいが、秋葉原ラジオストアーの(株)小沼で小売入手できる。小沼電気の名は知らなくても、秋葉原ラジオセンターをうろついていて、色々なRCAプラグがずらりと並べてある店を覚えている方も多いのではないだろうか。TMSは価格も手頃で、作りもしっかりしており、バリエーションも多様。オーディオケーブルのガレージメーカーで有名なTMD(トータルミュージックデザイン)もこの“TMS”のプラグを使っている。MITのラインケーブルT2iのプラグもTMSだ。ネオテックもTMDのプラグを使用している。その他、ノーブランド品は種々雑多であり、ジャンクパーツ屋、ネットショップ、ヤフオクなどで見かけることができる。なお、下記に紹介するインコネプラグについて、音質うんぬんは記述していない。インコネプラグの純粋な音質比較というのは、比較試聴の本数分だけケーブルを用意して、ケーブルとプラグをハンダ付けしなければならず、なかなか面倒なためだ。それと、最初からある程度良質なプラグを使う事にしているから、ここに紹介しているものは一定水準以上の音質は有していると思われる。
RCAコアキシャルプラグ
TMS 6623G
販売価格:\1,050/ケ 購入先:小沼電気
TMSの6623Gは秋葉原のラジオセンター内の小沼電気で売られている。6623Gははっきりいってお気に入り。たぶん、材質は真鍮と思われ、ホット、マイナスともに金メッキがしてある。なかなか高級感があり、作りもしっかりしている。重量もある。コレットチャックの出来映えも見事。機器の端子にがっちり固定できる。価格はTMSのRCAプラグの中でも高価なのだが、出来は価格以上だ。こ6623Gとほとんど同じ構造のプラグも小沼電気で売られており、それはMITやネオテックのケーブルにも利用されている。
6623GはTMSプラグの中でもかなり凝った作りで、ご覧の通り3つのパーツで構成されている。カバーを装着した状態での全長は43mm。 ハンダ付けの状況。ネジ留め式ではないので、ハンダは必須である。コレットチャック用カバーはプラグ先端から被せるタイプなので、作業が楽。
なかなか美しい仕上がりだ。私は6623Gで幾つかのラインケーブルを自作したが、いずれも製作しやすかった。音質面については、他のプラグとの聴き比べをしていないのでなんとも言えないが、いいものだと信じて使っている。 ケーブル適合径はφ8まで。S/ALABのHLPMWTがぴったりハマった。プラグのケーブル差し込み側リングを回すと、差し込んだケーブルを締め上げる事ができる。うーん、ブランド品でもここまで凝ったプラグはなかなかないぜよ。
メッキは多層24k金メッキ。マイナス側金具は肉厚があり、バネ性も強い。端子に差し込むと、ググッとした感触が得られる。さらにコレットチャックを締めれば、接続はさらに強固に。 写真はプリアンプPRA-2000ZRに接続している様子。プラグの最大直径がφ14.5と太いので、オーディオ機器の端子間が狭いと、プラグ同士が接触してしまうのが欠点。
S/ALABのHLSへの装着例。ケーブル引き出し口はスミチューブAにて被覆処理。なお、HLSにはシールドチューブを被覆している。 TMS RP-201Gと6623Gとの比較。コレットチャックカバーは同じだが、RP-201GにはTMSという刻印が入っていない。
RCAコアキシャルプラグ
TMS RP-201G
販売価格:\1,500/2ケペア 購入先:若松通商エルプラザ
RP-201GというプラグはTMSの刻印が見られないが、おそらくTMS製と思われる。みじんこが知っている限りでは秋葉原の若松通商エルプラザでのみ販売されている。RP-201Gはなんとφ14のケーブルまで対応できる巨大プラグである。とにかく外見が凄い。まるで宇宙戦艦ヤマト3に出てきた惑星破壊ミサイルである。このRP-201G、台湾のケーブルメーカーNEO-TECHのケーブルにも使用されている。構造はコレットチャック式で、極めて頑丈な作りをしている。私はRP-201Gに、なんとS/Aラボの電源ケーブルHH3.5を組み合わせてインターコネクトケーブルを作ってしまった!とてもお気に入りの自作ケーブルである。ただし、プラグが太すぎるので、LRの端子間が十分に広い機器でないと差し込めない。また、HH3.5自体が比較的硬いケーブルなので、使い勝手は悪い。
RP201Gの外見。全長は70mm、最大径は19mmもある!こんなでかいプラグを買っていく人はどんなケーブルと組み合わせているのか、ぜひ知りたいものだ。 6623Gと同様、このPR201Gもプラグの前後ともにコレットチャック式になっている。つまりケーブル側にも締め付けカバーが装着されていて、装着したケーブルを締め上げる事ができるのだ。
ハンダ付けの状態。HH3.5の導体は3.5スケアあるので、やや苦労する。導体をまずハンダで固めてから、ヤスリで整形し、先端を細らせる。それからプラグにハンダ付けするとうまくいく。 HH3.5にRP-201Gを装着したラインケーブル。長さは70cm。完成度の高さに気を良くして、この他に長さ60cmのものも作ったりした。ははは、この太さ!見てるだけで迫力満点!
このプラグ、最大径がφ19mmもあるので、端子間の狭い機器には使えない。無理に接続すると端子を壊してしまう恐れあり! 音はというと、これまた迫力があり、以外とバランス良く聴けるものになっていた。さてさて、誰か真似するだろうか?
RCAコアキシャルプラグ
TMS 6104G 6105G
販売価格:\800/ケ 購入先:小沼電気、オヤイデ電気 他
TMS6104Gは構造がWBTと良く似ている。6104Gと6105Gはコレットチャックカバーの色違いであり、構造は全く同じ。小沼にはこの他に艶消し黒バージョンの6858Gというものや、右左識別用の刻印表示の位置が違うRP137Tというものもある。小沼電気の店員さんに「このTMSというプラグはWBTとそっくりですねー」と尋ねると、店員いわく「実はWBTのプラグはTMSが下請けで作っているらしいですよ。」とのこと。あれ?たしかWBTはプラグを自社生産しているはずでは。何かの雑誌で0108のネジ切りを自社工場で一個一個丁寧に加工している写真を見たことがあるが・・・。TMS=WBTはにわかには信じがたい。ともあれ、TMS6104Gは良く出来たプラグである。コレットチャック機構も精度良く、メッキもしっかりしている。WBTと比べても遜色はない。それとこのプラグ、ケーブル適合径がφ8.5(実質はφ9まで可)なので、太めのケーブルに対応できる。例えば、オヤイデ電気の切り売りラインケーブル75AD。このケーブルは外径がφ8.5と太いので、適合するプラグは少ない。そんな中、TMSの6104Gは丁度良いのだ。よって、オヤイデ電気でも6104Gを取り扱うようになった。最初は、金色がどぎつくていやらしいなぁと思ったが、実際に手にしてみるとなかなかかっこ良くて気に入っている。
TMSの6104G。ガンメタリック色をしている。 TMSの6105G。コレットチャックカバーは金色。
型番なし処分品。全身金メッキで、刻印などが全くされていない。とても美しい。これは小沼に10ヶほど入荷しただけで、そのうちの6ヶを私が買い占めた。二度と入荷しないとのこと。 プラグ三兄弟である。左の処分品は真ん中の6105Gよりわずかだが金色が強く、独特の高級感を醸し出している。全長は51mm。これはWBT0144と全く同じ寸法である。
ケーブルのハンダ付けの様子。作業性は普通。 完成したケーブル。ケーブルはオヤイデ75AD。
RCAコアキシャルプラグ
WBT-0144

定価: 実売:\6,000/4ケ組 最安:\5,480/4ケ組 購入先:ダイナ秋葉原中古トレードセンター 他
言わずと知れたWBTの代表的なプラグで、ハンダ付けタイプ。欲を言えば上級クラスのWBT-0101やWBT-0108を使ってみたいが、ほぼ半額で買えるWBT-0144で取りあえずは充分かと思う。WBT-0144はテレオン、キムラ無線、シマムセン、河口無線、ヨドバシカメラ、ジョーシンなどで入手できるが、最安販売店はダイナミックオーディオトレードセンター2Fの\5,480。店に陳列されていないことが多いが、店員さんに言えば出してくれる。同じ系列のダイナミック5555は\5,555。WBT-0144に限らないのだが、ダイナミックオーディオは系列各店で価格が違う。
WBT-0144にはS/AラボハイエンドラインMWT PLUSをあてがった。私はMWT PLUSの光沢艶ありシースが好きなのだ。 WBTー0144のアップ。半艶黒色のカバーが渋い。カバーは先端側から嵌め込む方式なので、工作もやりやすい。
ハンダ付けの状態。ホットとマイナスを介在する絶縁材は熱にやや弱いので、ホット側のハンダ付け作業は迅速におこなうこと。プラグの左側にはケーブルを固定するトルクスネジが見える。WBT-0144にはトルクスレンチも付属している。 ケーブル適合径はφ9まで。ケーブル固定には本体に埋め込まれているトルクスネジを締めるのだが、私は収縮チューブを被覆してケーブル径を太くし、差込口にがっちり嵌め込んだ。小さなネジ1箇所で留めるよりも安定的に固定できる。
RCAコアキシャルプラグ
フルテックFP-160G
定価:実売価格:\/4ケ組 購入先:オーディオユニオンお茶の水店 他
FP-160Gはフルテックの中堅プラグである。ホット側はネジ留め式で、マイナス側はハンダ付け。素材は真鍮。メッキは金メッキで、ケーブル適合径はφ9mmまで。作りは頑丈で、コレットチャック機構も精度が高い。ただ、FP-160Gに限らずフルテックのプラグ類は全般的に工作がしにくい。コレットチャックカバーはケーブル差込側から挿入するタイプなため、工作時にはカバーはあらかじめケーブルに通しておく必要がある。カバーをケーブルに通し忘れてケーブルとプラグのハンダ付けをしてしまうと、後でカバーを装着できなくなる。また、ケーブル差し込み側の小さなカバーはコレットチャックカバーの外れ防止用の留め具であり、これの固定ネジが長過ぎるので、太いケーブルを固定する場合には、ネジの頭がプラグの外側に突出してしまう。文面でこのことを伝えるのはなんとも難しいのだが、とにかく作業性が悪いのだ。それでも、なんとか仕上げてみたのが下の写真である。コレットチャックにも様々な方式があるのだが、WBT、TMS、AETのようにプラグの先端からカバーを装着するタイプは工作しやすい。逆に、フルテック、古川電線FR-150などはケーブル側からカバーを嵌め込む方式のため、ケーブル工作の際には、あらかじめカバーをケーブルに通しておく必要がある。これがうっかり忘れやすいのだ。なお、このFP-160Gはどうやら絶版になるようで、最近、オーディオ店の店頭で見掛けなくなった。
部品は本体、コレットチャックカバー、右左の色識別リングの3パーツで構成されている。メッキもしっかりしている。プラス側に導体固定用のプラスネジがあるのをお分かりだろうか。 FP-160GはS/ALABの完成品ケーブルハイエンドラインMWTPLUSマーク2のプラグとしても使用されていた。私も偶然ながらMWTPLUSと組み合わせた。一見すると完成品ケーブルのようである。
RCAコアキシャルプラグ
フルテックFP-106R
定価:\11,800実売価格:\9,900/4ケ組 購入先:キムラ無線、オヤイデ電気 他
フルテックの最高級RCAプラグである。ライバルはWBT-0108だ。ケーブル適合径はφ9.3mmまで。このプラグはいくつかの特徴がある。まず、導通部分がロジウムメッキされていること。次に、ホットマイナス側ともにネジ留め式としていること。さらに、ホットのピン部分が特殊な形状をしていること。これは、筒状のホットピンを主軸として、ここにリン青銅ワイヤーを束ねて通し、折り曲げた独特のピン構造をしていること。リン青銅のバネ性により、接触性の向上を狙っているらしい。あと、最近のフルテック製品に共通のα-プロセッシング処理を施しているらしい。これは同社独自の高音質処理だが、要はクライオ処理の一種のようである。それにしても、リプラスのウルトラSZ処理、ローカルメールオーダーのX処理、クーナルの生体エネルギー、エネピッコの波動転写など、オーディオ業界には怪し気な処理が溢れている。効果があればそれでいいのだが。以前、エンゼルショップでX処理のスピーカーと無処理品を聴き比べた事があるが、私には差が分からなかった。
FP-106Rはこのようなケースに入って売られている。各所に使用されているトルクスネジを締め上げるためのトルクスレンチも付属している。 主要パーツは本体、コレットチャックカバー、カバー脱落防止カバーの3点。同社共通の構造。ネジはプラス、マイナス、カバー用の3本ある。
左の写真はプラス側のネジ留め構造。φ6mmの導体まで固定できる。プラスマイナスともにネジ留めというのは珍しい。FP-106Rの他にはWBT-0108やAETの新型プラグがプラスマイナスネジ留め式だ。右の写真はマイナス側のネジ留め構造。これがなんとも使いにくい構造なのだ。このマイナス側のでっぱりが大きすぎて、プラス側への配線の邪魔になるのだ。プラス側配線はマイナス側でっぱりを回避するため、大きく湾曲して配線せざるを得ない。もし、φ2.0くらいの単線を配線しようと思っても、プラス側への配線作業はかなり困難なはずだ。
プラス側のピン形状。筒状のピンを主軸として、ここにリン青銅ワイヤーを束ねて通し、折り曲げた独特のピン構造をしている。リン青銅はバネ性に優れているので、こういう用途にうってつけの素材である。この構造のおかげで、機器への差込みはフワッと柔らかい感触になる。 FP-106Rの本体アップ。ロジウムメッキが美しい。ネジは金メッキ。ハンダの音質劣化が防げると言う理由から、ネジ留め圧着が絶対有利と捉えがちだが、ネジ留めというのは使用中に緩んでくる事もあり、実は信頼性に乏しいのだ。それでもあえてこのプラグを買った理由は以下に述べる。
FP-106Rを買った理由はビンテージケーブルの比較試聴をするため。このように、ビンテージケーブルをネジ留め接続し、次から次へとケーブルを付け替えて試聴していくのだ。我ながら面白くて合理的なケーブル試聴方法だと自画自賛していたのだが、試聴を繰り返す内に難問発生。トルクスネジを何回も回しているとネジ山をなめてしまい、留めネジがバカになりかけたのだ。仕方なく、比較試聴は中断。目的を果たせなかったFP-106Rはヤフオクにて売っぱらい、すでに手元にはない。WBT-0108ならうまくいっただろうか。
RCAコアキシャルプラグ
スイッチクラフト3502
販売価格:\420/ケ 購入先:平方電気(秋葉原ラジオセンター内)、河口無線 他
「おやまぁ、安っぽいプラグだこと」とお思いのあなた。たしかに、このスイッチクラフト3502は構造も単純で、\420と安いのである。スイッチクラフトといえば、米国のプラグメーカーで、主に業務向け機器の端子を製造している。この3502、素材は真鍮で、メッキは一般的なニッケルメッキと思われる。なんの変哲もないプラグのように思えるが、これが見た目になかなか味があるのだ。この古めかしいプラグはビンテージケーブルにぴったり。3502からひょろんと出ているビンテージケーブルを眺めていると幸せになってくるのだ。なお、3502は秋葉原ラジオセンター平方電気にて入手できる。大阪であれば、日本橋の河口無線にある。平方電気は秋葉原ラジオセンター内にパーツ部門とオーディオ部門の2店鋪あり、どちらでも3502を扱っている。平方電気オーディオ部門は知る人ぞ知るオーディオアクセサリーショップで、店長の中村さんが製作した3502使用オリジナルケーブルがわんさか売られている。また、平方電気にはクライオ処理した3502も扱っている。価格は4ヶで\3000位だったか。
光沢のある外観。3502の全長は34mmとかなり小さい。ホットピンはプレス成型で、高級感はない。ケーブル適応径はφ5mmと小さめなので、使えるケーブルは限られてくる。 3502の内部構造。パーツは2点のみ。ケーブル接合はハンダ。3502の兄貴分には3502Aというものがあり、構造が若干違う。3502Aはベルデン製インコネケーブルSTR192に装着されている。
ホットピンの先端には穴が開いている。この穴からプラス導体をやや貫通させ、ハンダを流し込んでやる。その後、ピンの先端をやすりなどで整形する。ケーブルはベルデン1506A。音質上も特に問題はない。端子への食い付きも意外に強い。 スイッチクラフト3502とビンテージワイヤーGE1950AWG20との組み合わせ。なんともいえない味が醸し出されている。ビンテージワイヤーについてはいずれ別項目を設けて詳しく述べてみたいが、とにかく見た目も音も独特の世界だ。
ベルデン1506Aを10m買込み、スイッチクラフト3502を装着したケーブルを何組か作った。1506Aはφ5なので、3502にぴったり差し込める。これらはビジュアル系のケーブルに使用。値段も安くて、画質も十分。
RCAコアキシャルプラグ
バレットプラグ
定価:\6,000 販売価格:\4,000〜5,000/4ケ組
購入先:オーディオユニオンお茶の水店アクセサリー館、ジンジャーケーブル
珍しい樹脂製プラグである。音質を考慮した結果、樹脂製になったようである。BulletPLUGは「驚異のピンプラグ」という触れ込みで一時マニアの間で話題になった。BulletPLUGは日本ではバレットプラグとかブレットプラグとか呼ばれている。これはオーストラリアのアイクマンというオーディオアクセサリーメーカーのプラグで、同社の完成品ケーブルにも装着されている。バレットプラグにはここに紹介するテルル銅バージョンの他に、銀バージョンも存在する。日本のガレージケーブルメーカーであるジンジャーケーブルも採用している。ブレットプラグはジンジャーケーブルの登場とともに一部のマニアで話題になり、個人輸入品がヤフオクで売られていた事もあった。S/ALABのHLSマーク3にもバレットプラグが採用されていた。アイクマンの製品が本格的に輸入され始めた2003年には、このバレットプラグも店頭に登場。ただ、私の知る限りではブレットプラグを店頭販売したのはオーディオユニオンお茶の水店アクセサリー館のみであり、現在は同店でも取り扱いを止めている。もともと、同店にバレットプラグを仕入れて欲しいと頼んだのは私で、松浦店長が輸入元に交渉して数箱だけ入荷したのだった。このバレットプラグ、買った刃いいものの使っていない。AETの切り売りSCR LINE(\10,000/m)を組み合わせようかと思いながら、SCRが高いのでなかなか手が出ないためだ。そうこうしているうちに、SCRはspec2004になり、艶消し青色になってしまった。私は初代SCRの光沢感のある水色がバレットプラグにお似合いだと思っていたのだが。
バレットプラグはなんといっても青い樹脂ケースが目立つ。プラスは筒状のテルル銅というもので、金メッキ処理されている。マイナス側は線接触構造になっており、渦電流の防止効果がある。本体は樹脂製で、プラグ自体もかなり軽い。試しに機器の端子に差し込んでみたが、カチッという感触で端子に強力に食い付いた。なかなか面白いプラグだが、入手しずらいのが残念。
これがバレットプラグ4ヶ入り箱。 バレットプラグの構造模式図。詳細はこちら
RCAソケット
WBT-0234

販売価格:\6,000/2ケ 購入先:キムラ無線、ヨドバシカメラ新宿本店 他
プラグのメス側にあたるのがソケットである。別のページにするほどでもないので、このページで紹介する。RCAソケットのWBT-0234はKP-1100のスケルトン化に合わせ、ラインケーブルを脱着可能に改造する際に使用した。ただ、WBT-0234は秋葉原のオーディオショップには店頭在庫がなかった。こんな特殊用途のRCAコアキシャルソケットなど需要がないのである。仕方なくキムラ無線で予約したものの、卸元(TEAC)にも在庫がなく、2週間ほど待ってようやく取り寄せてもらった。価格は実売\6,000。造りはWBTだけあって実にしっかりしている。後に、ヨドバシカメラ新宿本店にて店頭販売しているのを見掛けた。けど、こんな特殊なプラグ、買っていく人いるのかなぁ。
KP-1100への取り付け状態。トーンアームの後側のシャーシに取り付けた。なかなか良い感じに仕上がってるでしょ。なぜ、こんな特殊形状のソケットを使う必要があったかというと、上の写真の様に、木の板に張り付ける構造にしたかったからだ。木の材質はコクタン。WBT-0234からトーンアームケーブルまでの配線は銀単線を使用。
XLRコネクター
NEUTRIK NC-3MXB/NC-3FXB
販売価格:\450/ケ 購入先:小沼電気、オヤイデ電気、その他多数
XLRコネクターはキャノンプラグとかバランスプラグとも呼ばれる。マイク用に多用されているのもこのXLRコネクター。XLRコネクターはホット、コールド、グランドの3極端子を有しており、入力側と出力側でコネクターの形状が違う。つまり、オスとメスの区別がある。メス側のコネクターはCDプレーヤーやプリアンプのバランス出力端子に接続し、オス側はプリアンプやパワーアンプなどのバランス入力側に接続する。
AETXLR端子メス
DCT-XLR-F
AET XLR端子オス
DCT-XLR-M
フルテック XLRコネクタメス FP-602F
フルテック XLRコネクタオスFP-601M
ノイトリックNC-3MXBとNC-3FXBはバランスケーブルに多く採用されているXLRコネクター。NC-3MXBはオス側で、NC-3FXBがメス側になる。NC-3MXBの実売価格は\450前後で、NC-3FXBが\550前後。ピュアオーディオ専用ではないので安価なのだ。接続ピンは金メッキされており、オーディオ用として多用されている。NC-3MXB/NC-3FXBのニッケルメッキバージョンはNC-3MX(約\370/ケ)/NC-3FX(約\420/ケ)という型番で呼ばれており、これらは外装ケースが銀色だ。XLRコネクターはもともと製品数少ないので、ノイトリックを使わざるを得ないという理由もある。他にはオーディオクラフトや元祖キャノンプラグ社の製品もある。日本製ではJELCO(市川宝石)というメーカーがオーディオ専用高級XLRコネクターを製造しているが、一般には出回っていない。ノイトリックNC-3MXB/NC-3FXBの導体を銀に換え、DCTクライオ処理したたものはAETから発売されている。2003年暮れにフルテックからオーディオ用高級XLRコネクターFP-601M/FP-602Fが登場したが、その精密な構造とあまりの高さにはびっくりした。\6,000/ケもするからオスメスペアで\2万を突破してしまう。FP-601M/FP-602Fと釣り合いがとれそうなケーブルって?
ノイトリックNC-3MXBとNC-3FXBはこのような状態で売られている。オヤイデ電気で購入。袋無しの状態でも良く見かける。NC-3MXBとNC-3FXBはオーディオ専門店ではなく、パーツ屋で取扱いされている。入手は容易だ。 ケーブル引き出し口はゴム製。使用するケーブルの太さに合わせて引き出し口の大きさを変えられる。引き出し口をカッターでカットしてやるのだ。右は素の状態で、左はカットしている。最大ケーブル適合径はφ9。
オヤイデ電気の切り売りケーブル110ADを組み合わせた。我ながら見事な出来映え。 ビンテージワイヤーでバランスケーブルを作った。まず、NC-3MXBにワイヤーをハンダ付け
カバーを被せて完成!長さは1mペア。このビンテージワイヤーはφ0.64mmの単線なのだが、これが音が良い!弦の弾ける感触が生々しくてゾクッと来る。制作費は約3千円なのだが、こんな良くていいんだろうかと思ってしまった。ワイヤーは秋葉原ラジオストアーのナリタという店で入手したWEの40-50年代3色スズメッキ単線0.64mm(\500/m)。ビンテージワイヤーって面白いなぁ。
あとがき
インターコネクトケーブル自作の課題と今後

インターコネクトプラグは商品数も多く、それなりの需要もあるのだが、なぜかオーディオ雑誌でのインコネプラグ一斉比較試聴というのはほとんど行われていない。(1990年頃のAA誌で比較試聴している記事を見かけたことがある)もちろん、インコネプラグの新製品が発売されれば紹介記事は載るのだが、その音質傾向や他社製品との比較まで言及している記事は皆無と言ってよい。これには幾つかの理由が考えられる。電源プラグであれば、対象も大きく、ハンダ付け不要のネジ止め工作のみで仕上げられるのだが、インコネケーブルの場合にはそうはいかない。一部ネジ留め式を除けば、インコネプラグとケーブルの接合にはハンダ付けが必須なため、プラグだけ取り替えての比較試聴がやりづらいということが挙げられる。つまり、インコネケーブルの比較試聴をするためには、ハンダとケーブルを同一にした上で1本づつハンダ付けしていかねばならない。ここらへんが電源プラグの比較試聴と決定的に違うところだ。また、インコネケーブルとインコネプラグのハンダ付け作業というのは、対象が小さいため根気が必要。このような面倒な作業を請け負うオーディオ評論家はいないのではないかということ。また、自作オーディオのジャンル内で、インコネケーブルの自作というのは地味な存在なので、雑誌で取り上げても反響が少ないとも考えられる。また、プラグによる音質差というもの自体に、それほど関心が向けられていないのかも知れない。もう一点、音質を考慮したプラグや、切り売りインコネケーブルの製品数が少なかったことも関係している。これに関しては、国内メーカーでのインコネプラグの単売が相次いだことで状況は変わりつつある。ただ、切り売りラインケーブルは今だ動きが鈍い。ここ1年の新顔といえば、オヤイデストレートライン、AET SCRspec2004、オーディオクエストくらいのものである。もっとも、自作マニアはなんらかの素線を入手し、それをインコネケーブルに仕立ててしまうことが多いため、メーカー製の切り売りケーブルはさほど需要がないのかも知れない。私もビンテージワイヤーやVVF単線を流用し、RCAケーブルを自作したりする。

今年に入り、福田雅光先生がインコネケーブルにおけるプラグの重要性について言及されはじめたので、もう少し突っ込んだ特集が組まれれば、インコネケーブル自作ブームが起こるかもしれない。福田先生によると、音質的影響度はケーブル50のプラグ50と述べられている。

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