オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
コンセントの比較試聴
2005.2.18新規!

レビトン/アメリカン/オヤイデ/フルテックのコンセント4機種の比較試聴、及びオヤイデSWO系列コンセント5種の比較試聴を実施した。この比較試聴実験は自作電源ボックスSaturnianMoonsの比較試聴と同じ日に同じ条件下でおこなっている。試聴条件は電源ボックスSaturnian Moonsの製作その6:試聴の準備をご参照あられたい。

8個口自作電源ボックスフォボスとダイモスには、各台にコンセントを4個搭載できる。私の試聴環境は現在、CDプレーヤーVRDS-25xsからパワーアンプB-2103MOSVintage×2台直結バイアンプ駆動になっているため、電源供給口は3個必要。コンセントの性格をはっきりと実感するにはこれら3個口を同じコンセントで揃えたほうが良い。従って、私の手持ちで2個以上所有しているコンセントを選び出し、フォボスとダイモスそれぞれに2種のコンセントを2個づつ取り付け、計4種の比較試聴を実施した。コンセントの種類は4メーカーの4種を選定。メッキ無し真鍮電極のレビトン5362-R、メッキ無しリン青銅電極のアメリカン電気7110GDの電極素材対決。それにオヤイデSWO-DXとフルテックFP-2Rのロジウムメッキ対決だ。
まず、レビトン5362-R。メッキなし真鍮電極。取り付け金具は磁性金属。同じ5362には金具が真鍮製の5362A、グランドアイソレーションタイプの5362-IGなど多彩なバリエーションがある。5362は全てメッキ無し電極だが、これにニッケルメッキが掛かると8300という型番になる。レビトンの製品はオーディオ用ではないものの、ハイパフォーマンスなコンセントとしてオーディオマニアに広く普及しているコンセントだ。メーカー製の電源タップにも数多く採用されている。また、5362を原型としたオーディオメーカー品も多数製品化されている。有名どころとしてはワッタゲートの381やPADのCRYO-B2がある。レトンのコンセントはこの5362も含め、オーディオで利用されているコンセントの中でおそらく最強の差込強度を有している。この差込強度がレビトン製品の売りだ。
次に、アメリカン電気7110GD。メッキなしリン青銅電極。これもオーディオ向きではないものの、オーディオ用として十分な性能を有している。私はこれをラック内臓電源ボックス、及びフォボスとダイモス、それに土星の月の標準搭載コンセントとして採用している。ただ、このコンセントは一般の電気店で小売されていないので入手は難しいだろう。このコンセントはオヤイデ電気SWO-DXの原型になったコンセントでもある。SWO-DXの性格を把握しておく意味も含め、試聴リストに加えた。
3つ目はオヤイデ電気のSWO-DX。原型の7110GDを大幅強化したモデルであり、リン青銅電極にロジウムメッキが施されている他、ケースもガラス繊維入り、ネジ類は非磁性体に変更されている。SWO-DXは言わずと知れた高解像度高音質コンセントだ。このコンセントが登場したとき、今までに無い音場の広がり感、高解像度に度肝を抜いたものだ。それ以来、私はSWO-DXを買い足し継ぎ足し、現在6個以上は保有していると思う。
4つ目はフルテックFP-2R。電極はリン青銅ロジウムメッキ。これはオーディオ用高級コンセントとして古くから存在していた製品。形状としてはハッベルのコンセントを真似たものと類推されるが、おそらく自社で新規設計されたものだろう。他社既存品の流用ではなく、自社で金型を起こして製品化するフルテックの息込みにはいつも敬服する。オヤイデSWO-DXと同じロジウムメッキだが、どのような違いを見せるかが興味深い。
これでメーカーのおおよその傾向が分かるだろう。さて、本題のコンセント試聴をおこなう。試聴ソフトはジャズサックス奏者矢口博康の「さよならToday」だ。ミーハーな感じなのだが、たしかに録音が良いし、オーディオマニアの所有率も高いと思われたのでこれを使った。

リン青銅VS真鍮対決
メッキなし真鍮電極とメッキなしリン青銅の対決だ。

レビトン5362-Rメッキなし真鍮
音色に艶が出て、中域低域が厚い。ドラムがの延びが少し抑圧される気もするが、エネルギー感はもりもり伝わってくる。

アメリカン電気7110GDメッキなしリン青銅
素直、鮮やか、伸びやか。きつさや誇張感がないフラットな音色。音場が左右に無理なく広がる。

ロジウムメッキ対決
オヤイデとフルテックのロジウムメッキ一本勝負!

オヤイデ電気SWO-DX
スピーカー上方に突き抜ける爽快感。鮮やかで生き生きしている。ドラム・パーカッションの切れも良く、倍音も豊かに表現。高域に明らかな特色があり、音楽の気持ち良い部分のきらめきや炸裂を際立たせてくれる。悪く言うと、やや耳障りで硬質な印象もあり、暖かみとか優しさとは無縁。

フルテックFP-2R
切れは標準的。どちらかというと優しく柔和で、全体的に穏かな傾向。SWO-DXを聴いた後ではその違いを如実に感じる。同じロジウムメッキなのにメーカーによってこうも違うのかというほどの差。

あくまで私の試聴システムの話だが、主観的に総評しておこう。フルテックは正直、価格ほどの魅力を感じない。SWO系列が台頭してきた今、コストパフォーマンスの高さからいってもオヤイデの圧勝だ。改めてSWO-DXの魅力を確認した次第。ただ、SWO-DXは音色を色付けしているとも感じ取られるので、メリハリ調の嫌いな人にはSWO-DXは合わないかもしれない。7110のコストパフォーマンスは単価¥500程度ということを忘れさせるくらい素晴らしかった。大変素直な音色で、フルテックと大差を感じなかった。SWO-DXの原型になっただけのことはある。レビトンはやはり中堅どころを行く。他のコンセントでも実感するが真鍮電極にはやはり中域をがっちりと表現するという特色がある。普段抜き差しすることの少ない壁コンセントなどには、プラグを強固に固定できるレビトンをあてがうのが信頼性の面でお勧めだ。そして、電源ボックスにはSWO系列のコンセントを仕込み、切れ味を楽しむのが今風かもしれない。

補足になるが、以前、SWO系コンセントの比較試聴もおこなっていた。その時に感じた、私なりのSWO系列の音色傾向を示しておく。この時は差が分かりやすいCDプレーヤーへの給電にて試聴している。 

                                              アメリカン電気 7110GD 実売\500 SWO系列の原型モデル。メッキなしリン青銅電極。ケースはダークグレー。伸びやかで癖が無い。ただ、業務用流通のみで一般入手は難しい。このコンセントを聴くと、オーディオブランドのコンセントの価格設定が馬鹿らしくなる。

オヤイデ電気 SWO-DX 実売\5,355 リン青銅電極ロジウムメッキ。ケースは黒。 元気はつらつ。音が散乱する気持ち良さ。

オヤイデ電気 SWO-GX リン青銅電極金メッキ。ケースはワインレッド。SWO-DXの高域を弱め、暖かみを加えた音色。SWO-DXの個性に慣れているとGXは一見物足りなく感じてしまうが、聴きこむと味わい深い。管弦楽や女性ボーカルを聴く時にぴったり。余裕があれば、電源ボックスにぜひとも加えておきたいコンセントだ。

アコースティックリバイブ CCR-DX 実売\6,930 ケースはクリーム色。オヤイデとアコリバは仲良きライバルなので実現した製品。基本的にはSWO-DXにクライオ処理したもの。他にも電極の万力金具の形状変更、取付金具へのロジウムメッキ掛けなどの改良点が見られる。音色はSWO-DXをよりクールにした感じ。繊細さも兼ね備えている。

オヤイデ電気 SWO-XXX リン青銅電極パラジウムメッキ。ケースは黒と紫がある。2004年度末に発売されたオヤイデ新製品。SWO系列の音には違いないのだが異色な音質を有する。暗闇からからポンポン音が飛び出てくる印象で、元気良く音を吐き出すSWO-DXとは性格が違う。音と音の間の間合いが極めて静寂。S/Nが高いことの証明かもしれない。

もし、6個口電源ボックスを自作される機会があったとすれば、ハイエンド仕様としてSWO-GX/SWO-XXX/CCR-DXのトリプルトップコンセントボックスに仕立てるのが面白そうだ。聴く音楽毎に電源ケーブルを差し替えて、コンセントそれぞれの音色を楽しむというのもオツな楽しみである。なお、今回のコンセント試聴に加えたかったコンセントにFIM880やワッタゲート381PSオーディオ パワーポート、PADCRYO-B2或いはL2などがあるのだが、fim880やCRYO-L2は1個のみの保有、381は高すぎて手が出ず、パワーポートは見た目が嫌いなので買ってない。ま、これらは有名どころなので、いずれはきちんと比較試聴してみたい。それと、AETもそろそろフルテックのOEMではなくオリジナルULコンセント出してもいいんじゃないかなーと密かに願っていたりもする。AET PSE-018 HR ACプラグ PSE320HRコネクターも新発売したことだしね。

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