オーディオみじんこ
オーディオイベントレポート
「2004東京インターナショナルオーディオショウ」
東京国際フォーラムガラス棟5階

開催日:2004年9月24〜26日 開催場所:東京国際フォーラム

ここでは2004東京インターナショナルオーディオショウのガラス棟5階の各商社のブースを紹介する。5階には7社がブースを構えていたのだが、ここではボーズを除いた6社を紹介する。G502号室のボーズは入場が時間毎に区切られていたため入場せず。
G503号室はアッカのブース。HOVLANDのアンプが目を引いた。ブルーのイルミネーションがなんとも幻想的だ。アッカは他にも幾つかの海外ブランドを輸入している。詳しくは同社ホームページをご覧いただきたい。
G503号室はアブサートロンのブース。旗に掲げているように、アコースティックラボ、ウエストレイクオーディオ、ボルダーを輸入している。試聴ではBoulderのモノラルパワーアンプ1050とウエストレイクオーディオのスピーカーを組み合わせていた。
G505号室はオルトフォンジャパンのブース。同社のカートリッジなどアナログプレーヤー関連商品がショーウインドウに納められていた。右は同社の新製品電源ケーブルPSC-3500XG。すでに今月初頭からオーディオ各店で販売されている。実売\15,000ほどだ。SPK-07SILVERも同社の新型電源ケーブル。キンバーケーブルのバリストランド構造に極似した編み組み構造をしている。
オルトフォンジャパンの信号ケーブル類。私の個人的な物欲では、同社のシルバーリファレンスに触手が動く。左は同社の試聴システム。昨年と同じJBLの4348。とても良い音で鳴っていた。
G507とG508はノアのブース。ノアは11ブランドにも及ぶ海外ブランドを輸入している。ソーナスファーベルやブルメスター、VTL、JMラボ、BOWテクノロジーなどの有名どころが勢ぞろい。試聴システムのスピーカーは同社が輸入するベーゼンドルファー(Bosendorfer)。ベーゼンドルファーはオーストリアのオーディオメーカーで、数カ月前にはオーディオユニオンお茶の水店に入荷していた。前面バッフルにはツイーターユニットのみで、側面にウーハーを配置している。長岡先生設計の自作スピーカーにこのようなユニット配置のものがあったような。同社独自のホーンレゾネーターという内部構造を有しているらしい。名前とスピーカーの形状から察すれば、共鳴管スピーカーの類いだろうか。右のアンプはノアが扱うブルメスターの新型プリメインアンプ。032というシンプルな名称。価格は\1,764,000。ブルメスターのパワーアンプ956Mk2をベースにプリメイン化したらしい。重厚感漂うデザインは、さすがドイツ製。
G509号室はアクロジャパンのブース。試聴システムに近付くことができなかったので詳しい品名は分からないが、両脇のパワーアンプらしきものにはACROLINKのロゴが打たれているようだ。同社の新製品だろうか。とにかく、昨年のシステムよりグレードアップしている。
右は福田雅光先生の講演。私が入室した時にちょうど始まるところだったので、そのまま1時間立ちっぱなしで聴講した。今回のテーマはアクロジャパンのSPケーブルとアナログRCAケーブルの比較試聴。
まずは同社のエントリークラスRCAケーブル6N-A2050||を試聴。スピーカーケーブルにはやはり同社のエントリクラス6N-1052を組合わせる。何の変哲もない平行2芯ケーブルだ。試聴ソフトはボーカルものとジャズ。音質は特に欠点もなく、清々さを感じた。福田先生も「よほどどうこう言わない限り6N-A2050||でいいんじゃないかというくらい十分な音質を有したケーブルです」とおっしゃっていた。また、同社のRCAケーブルに採用されているエコブラス素材のプラグについて、高音質なプラグだと褒めておられた。また、ケーブル導体に銅を使うのは良好な結果が得られやすいのだが、プラグなど端子部分に銅を使用したものは鈍い音になる、という発言もされていた。従って、端子などの端末に使う部品には、真鍮などの硬い金属の方が向いているとのこと。6N-1052に関しては「安いのにここまで鳴らせるのは凄い」「バイワイヤの高域用にぜひお勧めです」と話されていた。
次に、RCAケーブルを同社最高級6N-A2110||に交換。私は6N-A2050||と6N-A2110||で極端な差は感じなかった。ニュアンス的なものがわずかに向上したかなという感じ。
次に、RCAはそのままにSPケーブルを6N-S1040||に変更。\9,000/m。同社切り売りSPケーブルでは上から2番目の製品だ。ノンシールドで2芯の丸シースのキャプタイヤ構造をしている。これは差がはっきり聴き取れた。一言で表わすと、低域のレンジが広がりふくよかになった。会場全体を包み込むような柔らかさを感じる。導体が太くなったので低域の量感が増えたのだろう。
次に、SPケーブルを6N-S1400||に変更。プラスマイナスの間隔を広げた太めの平行2芯ケーブルだ。これも差が出た。先のケーブルよりストレートな感じが強まり、芯の通った中低域に特徴がありそうだ。6N-S1040||と6N-S1400||は、ともにφ0.26×100本撚り導体。違いは、芯線同士の距離と外装ジャケットの断面形状だけ。それで、ここまで音質傾向が違うのだから面白い。
最後に、同社の試作品RCAケーブルの試聴もおこなった。MEXCEL導体を用いた高級RCAケーブルらしい。たしかに、ワイドレンジで安定感ある音質だった。福田先生も褒めておられた。同社社員の方によると、これからさらなる改良をするので、発売時期は未定らしい。
アクロリンクの新型SPケーブル7N-S7000。右は同社の切り売りSPケーブル。
アクロリンクのケーブルの展示風景。まだ、オーディオショップに並んでいないケーブルが幾つも見受けられた。これから新製品が続々登場するようだ。
エソテリックのケーブルに使われているプラグも展示されていた。単売する予定なのだろうか?
試聴スピーカーは例年と同じダイヤトーンの業務用スピーカー。4本脚の重厚なスピーカー台はオリジナル品らしい。天板に載っているスーパーツイーターもオリジナル品らしいのだが、詳細は不明。
G510号室は日本マランツのブース。同社が輸入するB&Wの試聴がおこなわれていたのだが、それがなんともへんてこな試聴方法だったのだ。その試聴方法は「オプソーディス」といい、「OPTIMAL SOURCE DISTRIBUTION」を略したものらしい。インターネットでOPSODISについて調べてみるとAVWatchにこういう紹介がなされていた。

OPSODISは、「Optimal Source Distribution Technology」の略で、視聴者の前方に数個のスピーカーを配置するだけで、視聴者の左右や後方、上下を含む360度の立体音響を創出できるというバーチャルサラウンド技術。専用のプロセッサと特殊なスピーカーセッティングを併用し、視聴者の耳に理想的な音波を送るというもので、反射音を利用せずに明確な音場が創造できるという。そのため、スピーカー側面の壁の有無や、視聴者後方の壁の有無など、環境に左右されないバーチャルサラウンドを実現したとしている。

要するに2ch信号を効率良くサラウンド化する手法らしい。会場ではノーチラス801のスコーカーとツイーターを本体から切り離し、前方に配置。椅子が1脚置いてあり、そこに1人づつ座って試聴するのだ。本体は試聴位置の真横に設置されている。試聴ソースは車の排気音、蚊の飛ぶ音、鈴虫らしき虫の声。社員の方が手元の機器を操作してこれらの音を再生してくれる。試聴は1人数十秒。たしかに、位相がはっきり分かるリアルな再生音で、音の中に飛び込んだかのような感覚が味わえた。同時に、だからなんなのだ、と思ってしまった。スピーカーマトリックス接続によるサラウンドと違いはない。会場にはオプソーディスなる試聴サービスの説明書きがされてなかったと思う。従って、その場ではこの試聴の意図が掴みにくかった。

マランツは一昨年よりオーディオクエストの取り扱い店となっている。日本へ輸入されているケーブルの展示モデルが釣り下げられていた。絶縁体に電圧をかけてシールド効果を発揮するDBS方式が特徴。このため、電圧供給用の専用電池がケーブルに取り付けられている。

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