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オーディオみじんこ
オーディオショップガイド
日本橋でんでんタウン
ここでは、日本橋でんでんタウンのオーディオショップを厳選してご紹介する。大阪の日本橋には、秋葉原に次ぐ規模で電気街が集結している。東京都中央区の日本橋は「にほんばし」だが、大阪の日本橋は「にっぽんばし」と読む。ここ近年は、梅田にオープンしたヨドバシカメラやソフマップの影響で、活気が失せてきた日本橋。日本橋の衰退原因は不況や大形家電店の梅田進出にもあるのだが、致命的なのは地の利の悪さ。地下鉄堺筋線日本橋駅から徒歩で10分、地下鉄御堂筋線/南海/近鉄なんば駅から徒歩15分と、かなり歩かなければならない。地下鉄堺筋線の恵美須町は日本橋でんでんタウンのど真ん中にあるのだが、メジャーな路線では無い。というわけで、難しい局面を迎えている日本橋だが、オーディオショップはまだまだ健在だ。秋葉原にはないゆったりした雰囲気が、日本橋にはあるのである。なお、ここで紹介する4店鋪のオーディオショップ以外にもオーディオショップは幾店鋪かあるのだが、オーディオに対するこだわりと品揃えではこの4店鋪にかなうべくもない。

日本橋でんでんタウンの堺筋大通り。秋葉原の電気街は面的な広がりだが、日本橋はこの大通りの左右に線状に展開する。もちろん裏通りにも電気屋は並んでいるが、秋葉原ほどの広がりは無い。とは言っても、でんでんタウンの端から端まで歩くと20分はかかるだろう。この大通りの突き当たりには通天閣がある。


でんでんタウンの歩道風景。電光掲示板には様々な広告宣伝が流れている。秋葉原と同様、でんでんタウンにもここ10年ほどでパソコンショップが増大しているが、オーディオショップも健在だ。飲食店もけっこうあるので、食うには困らない。撮影日は平日だったこともあるが、昔に比べると人通りが少なく感じる。

河口無線

http://www.kawaguchimusen.co.jp/
〒556-0005 
大阪市浪速区日本橋4丁目8番12号
TEL :06-6631-0321
FAX :06-6641-5500
営業時間:10:30〜19:00
交通:地下鉄堺筋線の恵美須町徒歩10分
御堂筋線/南海/近鉄なんば駅徒歩15分 

日本橋の風格あるオーディオショップと言えば、河口無線をおいて他に無いだろう。入り口ショーウインドウには歴史的な名コンポーネントを参考展示しており、さながらオーディオ博物館である。1階は秋葉原の高級オーディオショップ顔負けの高級コンポの品揃え。マッキントッシュやパスラボ、アンプジラ、ジェフローランドなどの海外高級アンプが鎮座。ラックスやアキュフェーズなどの国産高級ブランドも肩を並べている。CDプレーヤーの品揃えも文句無し。螺旋階段を上った2階には、国内外の高級スピーカーがずらりと並ぶ。どれも試聴可能だ。頼もしいのは、フォステクスを始めとする自作用スピーカーユニットが一通り揃っている事。ただ、販売価格はコイズミ無線よりやや高め。さらに、ショーウインドウには歴史的名カートリッジや名スピーカーユニット(非売品)が陳列されている。数は少ないが、高級電源ケーブルも販売されている。完成品電源ボックス、レビトンやハッベルやフルテックなどの電源プラグ、WBTやスイッチクラフトやノイトリックなどのラインケーブルプラグ、その他多様な自作アクセサリーも一通り揃っている。しかし、値引率は控えめ。例えば、オヤイデSWO-DXは\6,120、レビトン5362Aは\5,290、FIM880は\7,800だ。流行りどころの東日京三製エコケーブルEEF2.0(\330/m)や品川VVF2.0(\160/m)も在庫。アクセサリーで珍しいのは、シャークワイヤー製のカラーメッシュチューブ(SFチューブもしくはFLチューブとも言う)を販売している事。これは秋葉原でも見掛けない。色は青(MESH-12.7B)、赤(MESH-12.7R)、黄(MESH-12.7Y)の3色で、\340/m。通常の黒いメッシュチューブよりやや固めの印象だ。たぶんハーモニクスのデジタルケーブルに使われている黄色いメッシュチューブは、これだろう。店員さんいわく、「こんなものはめったに出なくて、1ロールを1年でやっと売り切るくらいでしょうかね。シャークワイヤーって変なもの色々出していて、商品カタログはすごく分厚いんですよ。」たしかに、秋葉原の木村無線にはときたまシャークワイヤー製の妙なアクセサリーが入荷するしな。それはともかく、このアクセサリーフロアを突き抜けた先には、立派な試聴室が存在するのだ。部屋はピュアオーディオフロアとホームシアター系に仕切られており、河口無線推奨のハイエンド機器をゆったりと試聴できる。ここではYoshii9の別ブランドである、TRAD社製「houling9」が試聴できる。というわけで、高級コンポーネントの粋を集めた河口無線は、21世紀になっても日本橋を代表する高級オーディオショップとして健在である。
シマムセン

http://www.shimamusen.co.jp/
〒556-00055
大阪市浪速区日本橋4-8-11
TEL:06-6632-2851
FAX:06-6632-2540
交通:地下鉄堺筋線恵美須町徒歩10分
御堂筋線/南海/近鉄なんば駅徒歩15分   

河口無線の至近距離にあるのが、こちらも老舗のシマムセンだ。1階は何の変哲もないミニコンポやポータブルオーディオの量販店だが、2〜3階は日本橋屈指のピュアオーディオフロアーとなっている。階段を上がると初級中級のCDプレーヤーがすらりと並び、どれも試聴可能な状態となっている。店内は細長く、やや狭さを感じる。奥に進むと初級中級アンプが並び、ショーウインドウには自作用電源プラグや壁コンセントがぎっしりと陳列されている。品揃えにも文句は無いが、とにかく価格が安い!日本橋で自作アクセサリーパーツを買うならシマムセンしかない!例えば、オヤイデ電気のSWO-DXは\4,760、レビトン5362Aは\4,350、FIM880は\6,670、松下WN1318は\970だ。SWO-DXに至っては本家より安いのである。WBTのプラグは秋葉原ダイナ中古館やテレオン2号館と同様の25%引き。秋葉原ほどではないが、切り売り電源ケーブルもそこそこ揃っている。オルトフォンの銀線ケーブルとワッタゲートのプラグを組み合わせた、シマムセンオリジナル電源ケーブルも販売している。ラインケーブルも初級から中級までそつなく押さえている。電源ボックスも説明付きで親切な上、品数も充実している。2階の奥には初級中級スピーカーが陳列展示されており、どれも切り替え試聴可能だ。みじんこも学生時代は、よくここでスピーカーの試聴をさせてもらった。3階には高級コンポーネントが整然と陳列されている。オーディオ初心者からハイエンドオーディオファイルまでをターゲットとしているのがシマムセンの特徴だ。
ジョーシン1ばん館

http://www.joshin.jp/shop/0930/
〒556-0005
大阪市浪速区日本橋5-1-11
TEL:06-6634-2111
FAX:06-6644-1831
営業時間:10:00〜20:00
交通:地下鉄堺筋線恵美須町徒歩7分
御堂筋線/南海/近鉄なんば駅徒歩20分

関西を中心として、関東から九州まで幅広く店鋪展開する家電量販店ジョーシンの中でも、充実したオーディオ専用フロアを持つのは日本橋1ばん館だけだ。オーディオ雑誌にも大きな広告を載せているので、ご存じの方も多いだろう。外見はただの家電量販店だ。5階建てのビルの中で4階がオーディオフロアとなっている。他の階は普通の家電フロアだ。広いフロアは大手家電店ならでは。ショーウインドウが縦横に並び、オーディオアクセサリーがカテゴリー毎に整然と陳列されている。アクセサリー系ならば7割がた揃っていると言っても良いだろう。珍しいのはORBやインフラノイズ、それにハーモニクス製品の充実だ。秋葉原でも見掛けないハーモニクスの真鍮製ケーブルリング(RF-411/RF-412/RF-413/RF-414の4種)が販売されている。スタビライザーも有名どころはほぼ押さえている。電源ケーブルも初級〜中級までを無難に揃え、自作用プラグやケーブルも過不足ない。ただ、値引率はあまり高く無い。例えば、オヤイデ電気のSWO-DXは\6,800、レビトン5362Aは\5,290、FIM880は\7,480、松下WN1318は\1,170、レビトン8215CATは\4,750。市販スピーカーやアンプなどのコンポーネントは、どちらかと言えば隅に追いやられている。みじんこ的にはアクセサリー大好き人間なので、それでよし。このように、ジョーシン1ばん館の品揃えは充実しているのだが、展示状態がやや殺伐としている。まぁ、これは大形家電店の性ですな。
逸品館1号館

http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/
〒556-0004 
大阪市浪速区日本橋西1-7-28常盤ビル
TEL:06-6644-9101
FAX:06-6644-6990
営業時間:10:30〜19:30 定休日無し
交通:地下鉄堺筋線恵美須町徒歩10分
御堂筋線/南海/近鉄なんば駅徒歩15分

オーディオマニアなら知らぬ人はいないであろう日本橋の有名オーディオ店。日本橋の堺筋から少しはずれたところにある。逸品館はオリジナルの小型アンプ「リトルプラネット」を始めとして、マランツやCECのブラッシュアップ品を「AIRBOW」ブランドとして販売している。もちろん、通常の有名メーカーコンポも扱っているが、独特のこだわりを持って品揃えをしているようだ。スピーカーはPMCがおすすめらしい。AV系にも強く、プロジェクターなどの再生機はもとより、業務用ビデオカメラなども充実している。逸品館オリジナルの電源アクセサリーもいろいろある。詳しくは逸品館のホームページを見て欲しい。これら、逸品館オリジナルのオーディオ製品も目を惹くが、逸品館が貴重なのは中古オーディオコンポを取り扱っているという点だ。日本橋は秋葉原に比べて圧倒的に中古オーディオ店が少ないのだ。いや、皆無といっていい。だから、逸品館は貴重な存在なのだ。中古機器の在庫数はさほど多くはないのだが、それでもないよりはましというもの。(あまりに古過ぎる機器ばかりを揃えている店は五階商店街内にある) あと、逸品館で珍しいアクセサリーといえば、ハネナイトの薄型シートを取り扱っていること。これは500×350×0.5mmで\1,500/枚だ。ハネナイトの薄型シートは秋葉原でも見掛けない。Big-Waveというメーカーのカーボンシートも珍しい。大きさは1m×1m×0.8mmで、\2,000。クリプトンのカーボンシートそっくりながら、値段は1/5ほどと安価だ。なお、Big-Waveのカーボン製品は東急ハンズ渋谷店素材フロアでも見掛けた事がある。最近、逸品館では同軸構造のビンテージケーブルを使用したオリジナルケーブルも販売し始めた。このケーブルはウエスタンエレクトリックのOEMらしく、1970年ごろのものらしい。外見は黄土色で、直径5mmほど。切り売りでは\1,000/mだ。店員さんいわく「秋葉原で売ってるらしいですよ〜」とのことだが、秋葉原でも見掛けた事のないビンテージケーブルだ。というわけで、逸品館は独特の雰囲気と商品構成の店なのだが、主張がはっきりした面白い店であることは確かだ。なお、3号館はハイエンド機器専門で入りづらい。
というわけで、日本橋の代表的なオーディオ店を紹介した。みじんこは学生時代に日本橋を闊歩していたので、愛着のある街でもある。しかし、秋葉原にあって日本橋に無いものがある。ないといえば語弊になるので、極めて乏しいと言うべきか。つまり、日本橋には中古オーディオ店と電子パーツ店が圧倒的に少ないのだ。中古オーディオはともかくとして、秋葉原の高架下などに軒を列ねる電子パーツ街は一種の文化なのである。秋葉原を「世界のアキハバラ」たらしめているのは、これら電子パーツ街なのである。日本橋にも文化が漂って欲しいものだ。
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