その3.ターミナル取り付け、内部配線の新調
オーディオみじんこ
わが情熱のスピーカークラフト
PA-2専用外付けネットワークボックスその3
ターミナル取り付け、内部配線の新調
2005.6.22公開

ネットワークボックス外付け工程の続きである。ここではスピーカー本体の改造を紹介する。背面のターミナル取り付け穴と内部配線を新調するのだ。

PA-2本体の背面状態。従来はスピーカーケーブルを直出しにしていた。ケーブルはスリット状のバスレフダクトから出していたのだが、今後ターミナル経由での脱着式に変更する事も考えていたので、エンクロージュアの組み立て当初から背面にはターミナル取り付け凹みを開けていた。ただし、今回の改造では、ネットワークボックスから中高域/低域の2系統の配線をスピーカー本体に接続する仕様のため、ターミナルを4本取り付ける必要が生じた。となると、背面の小さな丸い凹みではターミナル取り付けに不十分だ。そこで、凹みを横方向に拡張することにした。とはいっても、いったん組み上がっているエンクロージュアの凹みを拡張するのはなかなかに大変な事。さて、どうしたものか。いろいろ考えた末、円形カッターをドリルに取り付け、切り口を設けた上、その切り口同士をノコギリやノミで結合させる事にした。右は円形カッターで切り込んだところ。
切り込みをノミやノコギリで繋げていく。右は凹みを結合し終えたところ。
木口テープや付き板シートで断面を覆う。
さらに木工パテで隙間を埋める。パテが乾いたら紙ヤスリで均す。ターミナルの貫通穴を等間隔に開ける。直径8mmくらいだ。
スピーカーは2本あるので、当然ながら2本同時に作業進行。右は黒ステインと黒ラッカースプレーで塗装し終えたところ。プラモデルのスクラッチビルドの感覚だ。
左は内部の状態。右は取り付けるターミナル。ターミナルポールは長さ30mmほど。さて、ここで問題発生。PA-2の設計時に、背面バッフルをオリジナルの板厚から1枚増しに強化していたのを忘れていた。さらには、背面バッフル内部には全面バッフルのカットで余った円形板を貼付けている。つまり背面の板厚は63mmあり、背面のターミナル取り付け凹み深さ21mmを差し引いても、ターミナル取り付け部分は42mmの板厚があるのだ。そう、十分に貫通可能だと思って長いターミナルを用意したつもりが、30mmのポールでは板を貫通できないのだ。さて、ここからが大変。
こうなったら背面内部の板を掘り下げるしかない。奥まったところの板をくり抜くのだから、作業は難航。ようやく左写真のように板厚21mm分を掘り下げる事に成功。苦肉の策だが仕方がない。右はターミナルを取り付けたところ。
お次は内部配線の加工。HH3.5の芯線を用いる。右は端末の絶縁材を剥いた状態。左は導体をばらけさせたところ。コア材がむき出しになっている。
コア材をカットし、再度撚り合わせる。
撚り合わせた導体を折り曲げる。そこにYラグを取り付ける。このYラグはヤフオクで今回のために大量購入したものだ。OFCに金メッキされたもので、安価ながら良質だ。
Yラグを半田で固定する。接合部分を収縮チューブで被覆すれば内部配線の端末加工は終了。右はターミナルに内部配線をネジ止め固定した状態。この後、ユニットと内部配線をハンダ付けし、ユニットをエンクロージュアにネジ止めすれば作業完了だ。はー、長く苦しい加工作業だったが、これにて一件落着。
ついでなので、使用したYラグ(スペードラグともいう)を紹介しておこう。これはヤフーオークションでオークションIDがnt_supplyさんという出品者の出品物だ。「高品質オリジナル純金メッキ圧着端子10個セット」という出品名で常時出品されている。私は今回の改造にあたって、30個以上のYラグを使用することになっていた。欲を言えば、オーディオブランドの高級端子を使いたいところだが、30個以上ものYラグをブランド品で揃えるとなると膨大な費用がかかる。秋葉原のパーツ店では電工用の安っぽいラグが沢山売られているのだが、そんなものを使うと音質劣化必至である。そこで、以前からヤフオクでよく見かけていたnt_supplyさんのYラグを思い出したのである。出品物の説明文を読むと、厚みのあるOFCに24金メッキ、強度と導通性も優れているらしく、品質は上々のようだ。寸法や口径などのバリエーションも揃っている。それに、一番助かるのは値段が安い事だ。10個で\945即落。1個\100を切る価格とはなんともありがたい。これなら数十個単位で購入してもたいした出費ではない。早速、G5-M4Yという型番を50個注文。
OFCなので端子自体はけっこう柔らかい。メッキも奇麗だ。G5-M4Yの有利な点は品質と安さ以外にもあって、ケーブル取り付けスリーブ部分がφ4.3と小さめなことだ。市販のオーディオブランドのYラグはとかくスリーブ部分の口径がでかすぎる。G5-M4Yならケーブル導体がうまく収まり具合が良いのだ。5.5スケアの導体ならぴったり収まるし、2スケアくらいの導体なら端末導体を一回折り曲げすればぴったり差し込める。

さぁ、これにてネットワーク外付け、内部配線新調は全て完了。次項ではその4.完成と試聴をご覧いただこう。

その3.ターミナル取り付け、内部配線の新調
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