オーディオみじんこ
わが情熱のスピーカークラフト
スーパーツィーター:FOSTEX T925& 鉛製台座
 発売年1977〜1994年 購入年:2002年 再生周波数帯域 5,000〜40,000Hz 推奨クロス 7,000Hz
定価:ペア\54,000 購入金額:ペア\24,800 購入先:オーディオユニオンお茶の水店
な、なんだこれはー!?スーパーツィーターFOSTEX T925である。貴重なアルニコマグネット使用。T925はスピーカーPA-2の天板に居を構え、再生音における高音〜超高音域を司る。正面から見るとオブジェのようで美しい。艶かしいブラスの輝きは、そこから奏でられる美音を物語っている。再生周波数帯域は5kHz〜40kHz。推奨クロスオーバーは7kHz。再生音は切れの良さが際立つ。みじんこは他のスーパーツイーターを使ったことはないので、T925のパフォーマンスが如何ほどのものか分からない。ただ、みじんこはT925の放つ刺激的な音色に大満足。PA-2との相性も抜群。みじんこのリファレンスソフトの一つであるDAVID FOSTERの「RECHORDINGS」4曲目-THE GLORY OF LOVE-を鳴らすと、シンバルが右に左に体全体を包み込む。これはT925のキャラクターが効果的に働いている。ルックスと音質が相まって、みじんこはT925がお気に入りなのだ。
フォステクススーパーTW T-925背面
大形スピーカーPA-2の天板にどっしり構えるT925。T925はけっこう昔の大形スーパーツイーター。当然ながら中古入手。みじんこはPA-2を製作する前から、PA-2に合うスーパーツイーターとしてT925を探していたのだ。T925の外見上の特徴として、ホーン部(真鍮の部分)の直径がドライバー(黒い部分)より小さくなっている。また、ホーン部の真鍮は現行のT925Aより深みのある金色。ドライバー部の直径はφ82、ホーン部はφ60。後継のT925Aは当然ながら音質が向上しているらしいが、みじんこはT925とT925Aを比較試聴したことはない。T925の下の台座はみじんこオリジナルのT925専用鉛製台座。 FOSTEX T925の背面。FOSTEX Laboratory Series HORN TWEETER T925とある。Laboratory Seriesとはフォステクスの高級ユニットシリーズ。インピーダンス8オーム、最大許容入力50W。端子には少し錆が見られる。端子にはレゾナンスチップを貼ってある。効果は不明。直径がぴったり合ったから張り付けただけだ。最近、レゾナンスチップを剥がそうとしたら、アルミチップの部分だけ取れてしまった。レゾナンスチップの粘着部分はブチルゴムで出来ているらしく、時間経過とともに強固に粘着してしまう。要注意だ。T925へのSPケーブルは、オルトフォンのハイCPケーブル「SPK-3100」を使用。
ハイパスフィルターにはフォステクスの新型フィルムコンデンサー「CS」を使用。ずっしりと重いコンデンサーである。容量は1.0マイクロファラッド。PA-2は10kHz以下急降下らしい。そこで、クロスオーバーを低くとるために1.0をあてがったのだが、T925が鳴り過ぎの感がある。T925の能率が高いので、PA-2とのクロスオーバーはもっと高くしないと釣合わないようだ。ということで、いずれは0.68か0.47に交換予定。
2004年4月にコンデンサーを交換した。これは、デンマークのジェンセン製オイルコンデンサー。銅箔で、容量は0.47マイクロファラッド。音が良いと評判だ。購入は秋葉原山手線高架下の春日無線変圧器。最後の1ペアだった。価格はペア\4,800。ジェンセンオイルコンは秋葉原でも入手が極めて困難だが、海神無線で入手可。なお、ジェンセンオイルコンは2004年4月に1.5割程の価格上昇があり、ペア\7,800に跳ね上がった。
-T925用鉛製ツィーター台座の製作-
2004.5.15追加!
さて、ここからはT925用鉛台の製作について解説しよう。まず、台のイメージを検討し、等寸大の型紙をパソコンで製図。製図ソフトはクラリスワークスのドローモードを使用。これを厚紙にプリント。この型紙を元に、原型を製作する。 厚紙を切り抜き、発泡スチロールに貼付ける。貼付けにはスプレー式スチロール糊を使用。普通の発泡スチロールだと高精度なカットができないので、高密度発泡スチロールを使うのがコツ。高密度発泡スチロールは東急ハンズで入手できる。
貼付けた型紙に沿って、カミソリノコギリでスチロールをカットする。カッターナイフだとナイフの反りでカット面が湾曲する危険性があるので、カミソリノコギリを使うのが良い。カットはまず全面をカットし、次いで側面に型紙を貼ってさらにカット。半円部分は板くり抜き用の細いノコギリを使いる。これらカット作業は、スチロール用電熱カッターを使う方が楽だろうが、私は所有していないので、カミソリノコを使った。スチロール用電熱カッターとは、細い電熱線を装着したスチロール専用切断機で、熱を利用してスチロールを切断する。東急ハンズなどで入手可。 カットしたスチロールを紙ヤスリで整え、フォルモにて成型する。フォルモは水を加えペースト状にして塗り付けるようにすると良い。フォルモとは、人形製作で用いる石粘土のこと。東急ハンズなどのクラフト店で入手可。フォルモ以外では壁用の隙間埋め水性パテも可。有機溶剤系のパテを用いるとスチロールが溶けてしまうので不可。半円部分の成型は直径80mmの木製円柱を使い、成型した。円柱はあらかじめ水で濡らしておき、粘土を塗った半円部分に乗せて、クルクルと回すと綺麗な半円に成型される。なお、木製円柱は東急ハンズで購入。
フォルモで成型した原型が乾いたら、紙ヤスリでさらに整える。うーん、このままツィーター台に使えそうな出来映えだなぁ。 紙で作った箱に原型を固定する。箱は石膏を流し込んだ後に、取り除く必要があるので、厚紙で自作するか、分解可能な木箱を自作するか、軟質ゴム製の型取り箱を使うのが良い。
箱の内側と型全面にオイルを塗る。これは、原形と後に流し込む型取り用石膏が接着してしまわないようにするため。オイルはサラダ油を使用したが、型取り専用のオイルを用いても良い。なお、石膏型を分割できるように、仕切り用の厚紙を固定する。この仕切りの厚みは原形との誤差になるので、できれば薄いプラ板を使うのが良い。 型取り用の石膏を溶かす。水を入れた容器に少しずつ石膏の粉を入れ、その都度かき混ぜて石膏と水が均一に混ざるようにする。石膏と水との割合は1:1くらいだが、実際に混ぜながら粘土を調整する。多量の石膏をいきなり水に入れる、もしくは石膏に水を流し込む、といったことをすると、石膏がダマ状になってしまう。
水で溶かした石膏がややシャバシャバ気味のペースト状に調整出来たら箱に流し込む。流し込みに際しては、できるだけ空気が混入しないように注意する。割り箸などを用いて、隅の方まで石膏が行き渡るようにしてやると良い。しかしながら、悠長に作業していると流し込んでいる最中に石膏が固まってしまうので、流し込みは迅速かつ慎重におこなわなければならない。 硬化中に石膏を触ってみると相当発熱していることが分かるだろう。これは石膏と水が発熱化学反応を起こしているため。石膏は数十分もすればカチコチに硬化する。硬化を確認したら、箱を除去する。そして、1日ほどかけてよく乾かして水分をとばす。水分を含んだままの石膏はまだ硬度が弱いので、高熱の鉛を流し込んだ際に、型が破損する危険性があるのだ。
原形を取り除くと、見事に型が取れていた。気泡はフォルモで埋めるなどして微調整をする。 TGメタルをバーナーであぶりながら、溶けた鉛を流し込む。型はハタガネで固定しておく。
型から外した鉛製ツィーター台座。表面が少々粗くなってしまったが、これはヤスリで修正する。ペアでTGメタルを2本半使用した。 背面は型を接していないので汚い。これもヤスリを使って平らに修正する。型から外した直後は相当な高熱なので、水をかけて冷やしている。
バリや歪みを修正するためにヤスリを掛けた。この後、凹み部分をポリエステルパテで埋めた。さらに、塗装下地を整えるため、サーフェイサーをスプレー。ここまでくるとあと一息だ。 黒色のラッカースプレーで仕上げて見事完成!分かりにくいが、半円部分にはT925とのコンプライアンスを安定させるため、クロロプレンゴムシートを貼りつけてある。重量は3kg。
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