2005.1.21公開!
オーディオみじんこ
Colossaltowerの製作
その3:スピーカーボックスの組み立て

製作前の見積もりによると、本スピーカーの主な作業行程は40行程と推定。完成までの作業時間は60時間ほど掛かるものと予想される。平日は2〜3時間、週末は10時間ほどの作業をおこなえば、2週間程度で完成するだろう。自分のスピーカーならのんびり進めても構わないが、ご依頼主あっての製作なので、迅速かつ着実に作業を進めていかねばならない。
板も届いたことだし、早速製作に入りますか!フロントバッフルを2枚重ねにする。15mm厚が2枚重ねで30mm。木工ボンドを均一に塗り、もう1枚の板を慎重に重ねる。
接着した板がずれないようにハタ金で押さえる。と、ここで本日の作業は終了。翌日は終日作業を続行。内部の補強板を切り出す。ハンズであらかじめカットしてもらっていた板に線を引き、自分でカットする。このカット作業をハンズでやってもらうと、4枚分で5千円程度はかかる。四角のくり抜きカットは高額なのだ。だから自分でやることにした。鉛筆で線を引いて、四隅にドリルで穴を空ける。ここに糸ノコのノコギリを差し込んで、線引き通りカットしていくのだ。
糸ノコでカットしているの図。シナ合板は硬くないので、容易に切断できる。右上は切り終えた補強材。各辺から幅4cm分残してある。
次に、ツイーターの固定板を製作する。21mm厚を2枚重ねにし、乾いたら断面にドリルで穴を空ける。
さらに、板の中心で半分にカット。この板材がどう使われるかは、後ほどご紹介しよう。右上はカットしたボイド管とリアバッフルに空いたダクトの穴。
ボイド管の断面を綺麗に削る。こうすることで、ダクトを取り付けた後、ダクトの断面が目立つことなく見栄えが良くなる。左上の写真の中の左が断面仕上げ前、右が仕上げ後。写真ではなんとも分かりにくいのだが、要は右写真のようなサンダーを使って、断面を滑らかに削っているのだ。この作業は意外と大変で、10本分の加工に2時間かかった。
リアバッフルの状態。幾何学的に真円が並んでる。機能性と遊び心を兼ね備えたデザインにしている。右上はダクトを嵌め込んだところ。木工ボンドを塗り付けてから穴に押し込む。はみ出たボンドはそのままにしておく。この面は箱の内部になるから見えないし、ダクトと板の接着をより強固にするため、ぬぐい取らない方が良いのだ。
さて、お次は底板と天板と補強材の接着だ。左上のように側板へ底板/天板/補強材を接着する。手前が天板になる。右上は2枚重ねしたフロントバッフルの状態。
木工ボンドが乾いたら、今度はもう一方の側板を取り付ける。各辺が直角になるよう慎重に接着。
乾いたら、お次はフロントバッフルの接着だ。接合面に木工ボンドを塗り、フロントバッフルを慎重に載せる。各辺がぴったり合わさるように微調整し、位置決めができたらハタ金で締め上げる。はみ出たボンドは水で濡らした手ぬぐいで丁寧に拭き取る。
ツイーターの固定板の加工。これは爪付きナットという金具。ミリネジを受け止める金具だ。これをツイーター固定板に埋め込む。
ツイーター固定板を接着する。21mm板を3枚重ねている。
どう固定するかと言うと、このように上下の固定板でツイーターの胴体を挟み込んでやるのだ。可動板が隙間に入り込みやすくするため、可動板をヤスリで削り、厚みを減らしている。完全固定には上下の固定板を長さ6cmのミリネジで接合する。
これは、底面の錘り用砂投入空間。最大で23kg(18L)の砂を入れられる。補強板の接合状態。2枚の補強板を使用している。この構造は極めて強固なもので、このようなトールボーイスピーカーの構造強化にはうってつけの補強方法だ。
ダクトにフェルトを巻き付ける。木工ボンドを使用し、乾くまで輪ゴムで固定しておく。フェルトによってダクトの鳴きを抑える効果を期待している。もちろん定在波対策という意味合いもある。さらに、残りの穴を板で塞ぐ。後でこの板に穴を空けるのだが、それはまた後で説明しよう。板は手持ちの9mm厚の余り材を使用。
リアバッフルを接着する。リアの固定のみ釘を使用した。もちろん、木工ボンドを塗ってからである。さらに、板の接合部分に生じたわずかな隙間や段差を木工パテで埋めていく。
ダクトに使用した残りのフェルトをスピーカーボックス内部に貼付ける。フェルトの使用はユニット取り付け空間の背面板のみとしている。バスレフスピーカーにしては吸音材の使用量は少ない。材料代の都合もあるのだが、できるだけ音を絞め殺さないようにしたいため、吸音材の使用を最低限にした。
リアバッフルに設けたスピーカーターミナルポートにターミナル取り付け穴を空ける。さらに、底面の砂投入口用の穴も空ける。
次に、ツイーター取り付け穴のラウンドバッフル加工を行なう。まず、パソコンで切削のためのガイドを描く。これをA4サイズの粘着シールにプリント。
フロントバッフルに貼付け、裏側からライトアップ。まずは、カッターで穴部分のシールを切り取り、次にガイドに沿ってヤスリで削っていく。外にいくに従って徐々に緩やかなアールを描くよう、慎重に削っていく。右上は削り終わった状態。
ヤスリがけでラウンドさせた穴にパテを盛ってやる。乾いたら紙ヤスリで整形。
さて、お次は全体の研摩だ。パテも乾いたので、電動ヤスリで一挙に磨いていく。これで接合時に生じた板のズレや隙間が綺麗に修正できる。粉じんが飛び散る中、ひたすらヤスリをかける。右上はヤスリがけ後の状態。
ユニットをはめて、ユニット取り付けネジの位置をけがく。そして、極細のドリルでネジ穴を空ける。右上はダクトの状態。さて、次のページではColossaltowerの製作 その4:塗装と配線をご紹介しよう。