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オーディオみじんこ
オーディオ聖地巡礼記2004年12月
2004.12.30
フォステクス新型フルレンジユニット FE166ES-R発売開始!

フォステクスの限定フルレンジユニットFE166ES-Rが今月下旬に発売された。これはFE166Eの改良版で、マグネットやコーン紙に違いがある。コイズミ無線にFE166ES-Rの試聴機が展示された。エンクロージュアはD-37ESだ。

以前、あちらこちらで聴いたFE168ES+D37ESと比べると幾分爽やかな印象がする。FE166ES-Rの見た目はFE166Eそのものだが、良く見るとフレームがブルーメタリックになっている。たしか、FE103メモリアルはメタリックグリーンだった。
背面にはフォックらしき黒いシートが貼ってある。なお、コイズミ無線の試聴コンポは最近、総入れ替えしている。以前は、プリメインにBOWテクノロジーのZZ-ONE、CDPにオンキョーのC-1Eだったが、現在はプリがアキュフェーズC-275、パワーが同P-700、CDPはマランツのDV9500となっている。ラックはタオックのSS-3。
おや、後ろに黒い巨体があるなと思ったら、アルテックA-7が居座っているではないか。これ、A7-LEGACYという型番で、限定品らしい。張り紙には「銘機復活!」と書いてある。価格は¥655,000/台(定価¥819,000/台)なり。おっと、FE166ES-Rに話を戻そう。フレームの色の違いの他に、すぐ分かる違いといえば、フランジの取り付け部分が若干背が高くなっていること。コーン紙も新しい製造方法を採用したものらしい。ダンパーは変わりないように見える。
マグネットはランタンコバルト。小泉常務の話によると、これはFE168ESのマグネットをそのまま流用しているらしいとか。たしかにでかい。ただし、FE168ESのマグネット2枚重ねに対し、FE168ES-Rは1枚となっている。張り紙には「FE168ES-Rのマグネットは直径145mm 20cmのFE208EΣのマグネットと比べてもその差わずか1mm!巨大磁気回路をご堪能ください!」と書いてある。店舗奥にはFE168ES-Rの在庫が沢山置いてあった。運送会社の送り状を見ると、コイズミ無線には12月25日に入荷したようだ。欲しい人は問い合わせてみると良いだろう。なお、FE168ES-Rはすでにキムラ無線やヒノオーディオにも入荷している。
2004.12.26
自作スピーカー最新作!
これはホームページをご覧いただいた方からのご依頼で製作したバーチカルツインスピーカーだ。ご覧の通り、フロア型トールボーイ形状をしている。製作の詳細はいずれ別項にて掲載したいと思っているが、とりあえず概要まで。このスピーカーは構想と設計に半月。ご依頼主と綿密な打ち合わせをおこない、設計を設計を煮詰めていった。11月末から製作開始し、60時間ほどの制作時間を要して今月中旬に完成した。このスピーカーの元になったのは私のFE207EとFT17Hを使用した バーチカルツイントールボーイスピーカーで、このスピーカーをグレードアップしたようなスピーカーになっている。
21mm厚シナ合板×2枚と15mm厚シナ合板×1枚を使用。フロントは15mm厚2枚重ねで30mm厚、フロント以外は21mm厚となっている。内部はロの字型補強などを駆使しているのでかなり頑丈。下部には錘り用ノ砂を入れるための空間が設けてある。外径寸法はH1,290×D350×W300とかなり背が高い設計。これはご依頼主の試聴位置を考慮した結果。内容積は約80Lで、重量は約42kg/台。ユニット10kg+板17kg+錘り用砂15kgの配分だ。
ユニットにはFE208EΣとT90Aを使用。FE208EΣはネットワーク無しのフルレンジ動作としている。FE208EΣは本来バックロード向きの設計で、メーカーも推奨箱としてバックロードエンクロジュアの設計図を説明書に掲載している。ただ、このスピーカーの設計にあたって様々なアドバイスをいただいたコイズミ無線の店員さんによると、FE208EΣをバスレフで使ってもなんら差し支えないとのこと。エンクロージュアはバスレフ方式としており、背面に5つのダクトを分散配置している。背面には7つの穴が見えるが、この内の5つがダクトだ。後の1つはターミナル取り付け穴、もう1つは底面への砂投入用穴。ダクト総面積はFE208EΣ×2分振動板面積の55%に達しており、バスレフポート断面積としては異例の大きさになっている。ダクト長さは10cmと短かめにしてある。これはハイ上がりなオーバーダンピングユニットをバスレフ動作させる際の対処法だ。今回このスピーカーの設計において最も神経を使ったのが、FE208EΣをバスレフ動作させるという点であった。
次にスーパーツイーターT90Aについて。T90Aは本来、天板へ乗せるタイプであり、バッフルへの取付などできないのだが、ここは私なりのアイデアでバッフルに圧着固定している。実はこのスピーカーの設計段階では、スーパーツイーターにFT96Hをあてがうつもりだったのだが、たまたまこの時期、コイズミ無線のFT96Hの在庫が切れていたのと、オーディオユニオン新宿店でT90Aの中古を見つけたため、T90Aを使うことにしたのだ。T90AはフォステクスのCS0.47でハイパス。正相接続。リニアフェーズを実現するためT90A取り付け位置はバッフルより15mm後退した位置に設置。T90A周辺のバッフルはホーン形状に削っている。

さて、完成したスピーカーの試聴結果を述べよう。再生音は非常に繊細かつ瞬発力に富んでいる。細かい音が実に良く表現される。フルレンジ+スーパーツイーターの利点が最大限に生かされており、この反応の良さは市販マルチウェイスピーカーではなかなか得られないだろう。心配されていた低域の量感も聴感上は不足ない。たしかに、ひっぱたくような強烈な重低音は出にくいのだが、それはさほど問題にならないだろう。ただ、FE208EΣはこなれてくるに相当時間がかかりそうで、自作スピーカーの鳴らし初め特有のひっかかりが感じられる。しかしながら、これもある程度の期間を経て徐々にエージングされていくだろう。T90Aのハイパスについて、0.47では高めに切り過ぎではないかとの不安があったが、実際に鳴らしているとFE208EΣとのつながりはバッチリ。バーチカルツインらしく、極めて精度の高い定位を実現している。当たり前だが、私のメインスピーカーPA-2とは全く違う鳴り方をする。PA-2は大口径バーチカルツインで、面で攻めてくる音。PS300というPAユニットと、安価なラジアルホーンFT600を使用しているので、音調は少々荒っぽいところがあり、クラシックの再生には向いていない。ひるがえって、今回製作したスピーカーはクラシック再生もバッチリOKだ。仕上げはメーカー品に及ばないかもしれないが、音質ではそんじょそこらの市販高級スピーカーを軽くいなしてしまうのではないかと自負している。このスピーカーはすでにご依頼主の手に渡り、元気に活躍している。ご依頼主からもご満足との連絡をいただけ、ほっと一安心している。私自身の経験になったし、様々なアイデアも実践出来たので、ご依頼主には良い機会を与えていただいたと感謝感謝である。

2004.12.25
オヤイデSWOシリーズの一斉比較試聴!

2004年11月下旬、オヤイデ電気からSWO-XXXが発売された。私は発売日にすぐさま購入して、すでに愛用しているのだが、遅ればせながらレポートすることにする。

さて、これが本試聴の目玉であるSWO-XXX。2004年11月下旬に発売されたオヤイデ電気の最新作だ。SWO-XXXは紫色をしている。しかも、媚薬のような怪しげな箱に入っている。これは村山社長のデザインらしい。オーディオパーツらしからぬデザインで賛否両論ありそうだが、遊び心があっていいんじゃないかと思う。XXXと書いて「トリプルエックス」と読むらしい。電極にはパラジウムメッキがされている。パラジウムメッキの硬度はロジウムメッキのさらに上をいくらしい。パラジウムメッキをオーディオ向けに初採用したのはエソテリックの電源ケーブルだ。それに続いての登場である。SWO-XXXの開発はすでに1年前から進められており、様々な試行錯誤の末、ようやく発売にこぎつけたのだ。私はパラジウムメッキされたXXXの試作電極をだいぶ前にいただいたことがある。自宅のSWO-DXの電極と取り替えたところ、その異例な音質に度肝を抜かされた。簡単に言うと、SWO-DXやCCR-DXが明るく照りつける感じなら、XXXの試作品は嵐のようにぶちまける感じだった。激しさはCCR-DXの上を行く。これはいいものをもらったと悦に浸っていたのだが、この度ついに製品化されたわけだ。さて、試作品からどのように変化したのか、XXXに興味津々である。XXXだけのレポートだと面白くないので、オヤイデSWO系のコンセントを一斉試聴してみよう。
一番左はSWOシリーズの原形になったアメリカン電気のコンセントだ。パッと見はSWO-DXそっくりだが、ケースはダークグレー。電極はメッキ無しリン青銅。なお、このアメリカン電気のコンセントは今回比較試聴しない。使う電源ボックスは4個のコンセントを取り付けるのが限界だからだ。ただ、この原形コンセント、実力はなかなかのものである。SWOシリーズの原形に選ばれただけあって、作りは頑丈。ストレートで切れの良い音質であり、オーディオ用として十二分に使える。さて、左から2番目の黒いコンセントはお馴染みSWO-DX。ロジウムメッキ仕様の切れの良いコンセントだ。真ん中の赤いのはSWO-GX。電極は最外装に極厚金メッキが施されており、誇張感がない爽やかな音色のコンセントだ。クリーム色のコンセントはアコースティックリバイブのCCR-DX。基本的にはSWO-DXに極低音処理を施したものと考えてよい。音質はSWO-DXをさらに鮮明にしたような感じ。CCR-DXについては福田先生もそう述べられていたが、私も同感。

ここまでのコンセントは私が常用しているものなので、音質も良く把握している。試聴に用いた電源ボックスはもちろん自作。コンセントの一斉比較視聴用に製作した。コンセントが4個も搭載できる特別仕様だ。板材はアピトン合板を使用し、箱の中心にインレットを配置。スケルトンタイプの8個口電源ボックスとなっている。配線材はS/ALABのHH3.5を利用している。この電源ボックスについてはいずれ別項にてご紹介することとして、肝心のSWOシリーズの試聴結果をレポートしよう。結果は面白いほど個性が明確になった。SWO-DXは元気良さ抜群である。ただ、聴き慣れているのでいまさらどうということはない。CCR-DXも同じ。今回ひさびさにSWO-GXをじっくり聴いてみて、見直してしまった。あ、これなかなか良いかもと。暖かみがあって落ち着くのだ。私は今、音楽に暖かさや落ち着きを求めているのだ。そういった意味ではSWO-GXの角の取れた暖かみはありがたい。さて、真打のSWO-XXXはいかなるものか。XXXは音が非常に沈み、奥行き感が半端ではない。これはS/Nがよいからなのか。真っ暗な中から音像がポンと浮き出てくる感じ。音楽の持つ雰囲気や空間の静けさを描き切っているのかもしれない。XXXが掲げる「アンチリファレンス」とはこういうことだったのか。なぜか、コンセントのケースの色と音色が似ているのが面白い。SWO-XXXは今までにない魅力を有するコンセントだ。好みは分かれるだろうが、気に入ればツボにハマる。使い込めば変化する可能性もある。SWO-DXを水銀灯に例えると、SWO-GXは白熱球、CCR-DXはハロゲン球みたいなもの。SWO-XXXはさしずめブラックライトのようである。あまりの個性派なので、コンセントマニアにはお薦めだが、一般受けするかは分からない。ただ、コンセントにせよ何にせよ使用からわずかしか経っていない状態の音質で判断するのは禁物だ。数時間、いや数日間の導通を得れば、かなり熟れてくるはず。XXXの真価を評価するにはもっと時間が必要だろう。そんなわけで、SWO-XXXはソース機器のコンセントにあてがうことにした。しばらく使ってなかったSWO-GXも復帰させよう。CCR-DXはシャキッとしたい時に。これにより私の電源ボックスはSWO-GX/SWO-XXX/CCR-DXとSWOシリーズで固められることになった。なお、これらSWOシリーズについてはいずれ別項を設けて詳しく紹介しようと思っている。

2004.12.24
自作電源ボックスの最新作

最近のオーディオ工作 さて、ここ最近のオーディオ工作をご紹介。色々やっております。今日は、自作電源ボックスの最新作をご紹介しよう。

これはステンレスプレート使用電源ボックス。十数台まとめて製作している。これは私のオーディオラック最下段に搭載している電源ボックスを丸々独立させた仕様なのだが、1台毎に微妙に仕様を変えている。ご覧の通りAC出力は6個口と必要十分。大部分の作業は終了。あとちょっとで完成だ。
なぜ、こんなにまとめて作ったかというと、インレット、配線材、配線方法による音の違いを比較実験するため。我ながらバカなことをしていると思っている。理由は他にもある。実は、私のラック内臓ステンレスプレート電源ボックスへの反響が多く、同様の電源ボックスが欲しいとの要望が多く寄せられたためだ。それに応えるべく十数台まとめて製作している。
UL規格コンセントを搭載できるようステンレスプレートをくり貫いている。UL規格コンセント取り付け穴のくり貫き加工は自前では精度良くおこなえないし、そもそもステンレスのように硬い金属は手作業でカットできない。よって、金属のレーザーカット専門業者に加工依頼した。このくり貫き加工だけでも1万円/枚くらいかかっている。ケース部分は木製で、フィンランドバーチ材という音響材を使用している。内部には特殊な電磁波吸収塗料を塗布してある。その他にも、制振合金M2052、制振シート、ニッカスハンダ、コンセントの3点ネジ留め固定、ステンレスネジ採用などなど、考えられうる限りの高音質設計をおこなっているのだが、詳細はまた近いうちにご紹介しよう。これらの電源ボックスは音質比較実験を行なった後、再調整をおこない、ご希望の方々に領布するつもり。興味のある方はメールにてお問い合わせを。
2004.12.23
カーボンフェルトの効果は如何に?

相変わらず色々なオーディオアクセサリーを集めているのだが、その中で面白そうなものを紹介しよう。先々月はコイズミ無線でカーボンフェルトが特売されていたので購入した。カーボンフェルトとはその名の通りカーボンをフェルト化したシート。具体的には、石炭精製の際に出るコールタールを繊維化したものらしい。吸音効果と電磁波吸収効果に優れている。炭素の繊維なので導通性がある。したがって、電流が通る個所に使うときには、導体をしっかり絶縁しておく必要がある。

カーボンフェルトは元々、スピーカーボックスの吸音などに利用される。通常のグラスウールは400Hzまでの吸音が限界らしいが、カーボンフェルトは100Hzまでの吸音効果があるらしい。現在、コイズミ無線ではカーボンフェルトの大シートを切り売り販売している。これは200×450角で\2,100の値がついていた。手頃な値段なので、2セット購入。私はこれを200×200角にカットし、CDプレーヤーとラックとの隙間に敷いている。フェルトをコンポーネントの下の空間に入れるというのは故長岡鉄男先生が推奨していた手法で、これはラックとコンポ間の不要振動を抑える働きがある。フエルトの挿入により、再生音の曇りが取れ、すっきりとした見晴らしの良い音になるという。私もこれを真似てみたのだ。ただ、どうせなら付加価値がついたフェルトを使ってみたいと言うのがあり、このカーボン入りのフェルトに着目していた。カーボン入りのフェルトと言えば、このカーボンフェルトとのミスティックグレーが知られている。カーボンフェルトを袋状にしたものはカーボンハットという名称で商品化されており、スピーカーユニットの背面を包み込むことで、吸音効果を発揮する。ただ、カーボンハットはすでに生産完了となっている。それとコイズミ無線でカーボンハットを切り売り販売しているところを見ると、カーボンハット自体も絶版のだろうか。欲しいなら今のうちに買っておいたほうがいいかもしれない。コイズミ無線の特売品は残りわずかになっているが、キムラ無線には今でも1m×1mのものが幾つか在庫してある。
コイズミ無線の店員さんに聞いたところ、カーボンフェルトとミスティックグレーは素材的には全く同じもので、名前と厚みが違うだけらしい。カーボンフェルトを袋状加工したものはカーボンハットという商品名で売られており、これはスピーカー背面に被せる吸音材だ。ミスティックグレーは1m四方のシートで実売1万円ほどするのでなかなか手が出せなかった。また、ミスティックグレーは取扱店が少なくなってきているので、入手が難しいと言うこともある。ミスティックホワイトは薄いので機器の下に敷き込むには好都合だが、白色が目立つので使いたくない。それに高いし。カーボンフェルトも本来、大シートでの販売だったので、試すには大きすぎると言うのがあった。ミスティックグレーの姉妹品にはミスティックホワイトというシートがあり、これはクリプトンの吸音パネルに利用されていることで有名。ミスティックホワイトにはカーボンは混入されておらず、厚みは0.7mmと薄いので使い勝手は良さそうだが、色は白なのでコンポの下に敷くと白色が目立ってしまうので諦めた。それにこのミスティックホワイトも結構高いのである。さて、前置きが長くなってしまった。私の愛機VRDS-25xsやDV-AX10に使った感想は、わずかに透明感が増したかなという気もするが、気のせいの範囲とも言える。抜き差ししても変化はほとんど不明。さんざんうんちくを並べ立てておきながら、カーボンフェルトの効能については、もっと色々な活用法を探ってみる必要がありそうだ。
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