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わが愛しのオーディオアクセサリー
強力防振構造極太自作電源ケーブル
2005.07.26公開
 

ここではみじんこ新機軸である極太電源ケーブルをご紹介。いずれのケーブルも防振対策を施した極太仕様となっている。異様な姿をとくとご覧あれ!

なお、

No.85 Ballista

 ACケーブル:富士電線VCT3.5 ACプラグ:Wattagate5266i IECコネクター:Wattagate320i

なんとも異様な姿をしている電源ケーブルだ。ケーブル径はφ35ほど。ケーブル長は約1.5m。ナイロンメッシュは施してあるものの、ノンシールド仕様となっている。分厚い耐衝撃チューブを被覆してあるため、床からの振動にめっぽう強く、ケーブル自体にはほとんど振動が伝わらないようになっている。2005年6月に製作。
ケーブルには富士電線VCT3.5を使用。これは先の電源ケーブル一斉試聴で使用したものだ。VCT3.5はその低価格とは裏腹に、はつらつとした元気のよさが特徴。ケーブルが柔らかいためか、定位が少し甘いところもある。今回のケーブル被服対策は、その弱点を改善する事を主目的としている。ケーブルにはまず、サイドワインダーという防振テープを巻き付けてやる。
サイドワインダーはセイシンが発売するケーブル被服材。ダイニーマと呼ばれるポリエチレン系特殊合成繊維を主材としている。ダイニーマは吸音材ミスティックホワイトにも使われている素材。ケーブルに巻き付ける事で、ケーブルに伝わる振動を強力に排除し、音が鮮明になるという効果があるらしい。ケーブルへの巻き付けは簡単だ。粘着式ではないため、かえって被服作業がやりやすい。粘着式のケーブル被服材は、ケーブルの柔軟性を妨げたりするので使いにくいのだ。ほどけないように端末をテフロンテープでとめてやる。1.5mのケーブルだと、その倍、つまり3mほどのサイドワインダーが必要となる。サイドワインダーは昔、オーディオ店でよく見かけたものだが、最近は取扱店が少なくなっている。すでに絶版になったのではないかと思われる。私もエンゼルポケットで在庫処分されていた最後の1箱を購入した。
サイドワインダーを巻き付けたケーブルをカブセールという衝撃吸収チューブに通す。カブセールには穴が空いているので、そこにケーブルを通すのだ。カブセールはもともと給水パイプなどのパイプ部分や家具などのパイプに被服するための保温/緩衝材。オーディオ用の素材ではない。カブセールは高密度発砲ポリエチレン系の中空チューブで、様々な口径が存在する。東急ハンズには1mと2m長のカブセールが売られている。写真中で私が使っているカブセールは内径13/外径33のものだ。内径13だが、実際にはφ15ほど。

カブセールにケーブルを通し終えたら、端末の片側、ここではACプラグを先に固定する。

次にメッシュチューブを被せるのだが、ここではナイロンメッシュチューブを使う事にした。ポリエステルメッシュチューブの台頭によって下火になったナイロンメッシュチューブだが、使いようによってはなかなか良い。一般的なポリエステルメッシュチューブ(SFチューブやFLチューブ)ではメッシュの隙間から下の材質が見えてしまう。カブセールの白い表面が見えてしまうのは、見た目にかっこよくないので、今回は下地の透けないナイロンメッシュを選んだのだ。ナイロンメッシュはポリエステルメッシュに比べ耐久性がやや劣るのだが、そんなに荒く扱うものでもないし、オーディオ用電源ケーブルに使う分にはなんら問題はない。ナイロンメッシュはケーブルに馴染みやすく、伸縮性も良く、独特の光沢が美しいと言うメリットもある。扱いはポリエステルメッシュに比べ構成繊維が細いため、突起などに繊維が引っかかりやすく、やや被せにくい。銅網組チューブの上に被服しようとすると、ほぐれた銅線に引っかかったりする。
ナイロンメッシュを被せ終えたら、端末をビニールテープで固定する。さて、ここで問題となるのが、もう片側へのプラグ装着だ。電源ケーブルの自作をしたことのある人なら、この極太ケーブルにどうやって両側端末にプラグコネクターを取り付けたか不思議に思われるだろう。

フルテックFI-15のようなプラグ構造は別として、プラグの固定にはケース部分を先に通してから、本体へケーブル端末をネジ止め固定するようになっている。今回のように、ケーブルを極太にしてしまうと、ケース部分を先に通してもカブセールが邪魔になってしまう。つまり、ケーブルが十分に引き出せず、端末のネジ止め固定ができないのだ。しかし解決法はあるのだ。カブセールにはある程度の伸縮性がある。プラグのケースを力を込めて押し込んでやれば、カブセールが数センチ縮まってくれる。そうすると、ネジ止め固定に必要な長さくらいのケーブルを引き出すとこが出来る。そのためにも、片側のプラグを先にネジ止め固定しておく必要があるのだ。言葉で言い表すのが難しいのだが、そういうことなのだ。

右上は両端にプラグ/コネクターを装着した状態。うーん、思い通りに出来上がりつつある。あとは端末に収縮チューブを被せれば完成。

収縮チューブを被せ、エンブレムを巻き付けて完成!ケーブルの仕上がり外径はφ33ほど。プラグコネクターの直径はもともとφ38だが、ニシチューブ被服でφ40ほどになっている。

今回新たな発見だったのはニシチューブだ。私がいつも使っている収縮チューブはスミチューブFあるいはスミチューブB2(3×)なのだが、これらは表面が艶消しになる。今回の作例のように、光沢のあるナイロンメッシュには半艶の収縮チューブが似合いそうだ。スミチューブAは光沢があるのだが、仕上がりがあまり美しくないのと、φ50ほどの大口径のものは入手しずらい。そこで何かいい収縮チューブはないものかとタイガー無線を探ってみると、あったではないか!そう、それがニシチューブだったのだ。ニシチューブはスミチューブより厚みがあり、光沢もある。収縮率は約50%。収縮温度は105度程度。一般的だ。電気絶縁性能、及び耐熱性ではスミチューブにやや劣るものの、そんなのは今回の使い方には関係ないので、ニシチューブを使う事にした。使ってみると思惑とおり仕上がりがいいのだ。微妙な光沢が美しい。ナイロンメッシュにも良く合う。ニシチューブは仕上がり厚みがあるので、機械的な耐久性はスミチューブより優れている。価格はスミチューブFより少し高いくらい。今回使用したニシチューブφ50は1,000円/m程度だった。ニシチューブは収縮チューブの隠れた名品だと思う。これで1/3収縮だったらいうことないのだが。

さて、今回の極太ケーブルには“Ballista”という名前を付けた。コーヒーショップの店員ではない。ラテン語で「大砲」という意味なのだ。ま、見た目が太いのでお似合いかなと。
こちらも私がお世話になっているオーディオマニアのガッツ邸での試聴風景。ガッツさんの批評を掲載する。
『No.85 Ballsta』
悪くはありません(^^; デモヤハリ『ボーカルに子音(ピリツキ)が付いて回るんですよね〜! これは、ボーカル中心の音楽を聴く人間にとっては致命的で、私の嫌いなキンバーセレクトシリーズの音を聴いているような気分!?です。ま、その意味で言えば好みの問題かな〜?とも言えるのですが。ただ音のバランスは3本中一番オーソドックスな感じがしました。音の広がり・奥行きもNo.90ほど小さくなりません!』。
No.86 Excetra

ACケーブル:オヤイデ電気2by2 ACプラグ:Wattagate5266i IECコネクター:Wattagate320i

Ballistaと同時期に製作した極太ケーブル。こちらはオヤイデ電気の2by2を母体に、細身のカブセールを被せ、銅網組チューブを被せ、最外装にポリエステルメッシュチューブを被せている。このケーブルの趣旨も前述のBallistaと同じ。2by2は柔らかいケーブルのためか、やや音像が甘いところがある。それを被服材で多重被覆してやる事で、音質改善してやろうと言うものである。カブセールの被服は仮想的に床とフロートさせることにもなる。これにより、ケーブルへの振動伝達が多少改善されるはずだ。つまり、福田雅光先生が最近唱え始めた「ケーブルは床から浮かせるべし」にも合致する。2by2はノンシールドであるため、銅網組チューブによるシールドも施してみた。ま、2by2はスターカッド構造なので、シールドは必要ないのかもしれないが、銅網組自体の重量でケーブルの振動を押さえ込むことも狙っている。もちろん、見た目の美しさも考えての事だ。2005年6月に製作。
今回のカブセールは外径22、内径9のタイプを選んだ。で、2by2をカブセールに通そうとしたら途中までしか入らず、最後まで貫通できなかったのだ。カブセールの内径9は実際にはφ10くらいあるので、φ10の2by2をぎりぎり通せると思ったのだが、現実は甘くなかった。油や石けんを塗ったりして、通りを良くしようとさんざん試みたが、うまくいかない。結局、カブセールの穴を拡張する治具を自作し、穴を広げてやった。そんなこんなでようやくカブセールを被せ終えたのだが、左上の写真。この段階ですでに片側の端末にコネクターを固定している。

右は銅平網組メッシュチューブを被せたところ。うーん、このままでもぎらぎらメタリックでかっこいいなぁ。

こちらはカブセールを貫通するケーブルの状態。銅平網組メッシュチューブの端末はほどけないようにテフロンテープでとめてある。右上はコネクター側の様子。この後、さらにポリエステルメッシュチューブ(SFチューブφ19)を被せる。
ポリエステルメッシュを被せ終えたケーブル端末の状態。チューブ類がほどけないようテフロンテープを巻き付けた後、さらに収縮チューブを被せている。2by2の導体端末は白黒それぞれを束ねてハンダで結合させている。あとはプラグを取り付けるだけだ。

右上はプラグコネクターを取り付けた状態。

ケーブル被服とプラグ/コネクターとはテフロンテープを何重にも巻き付けて結合させている。

右上は収縮チューブを被せ終えたところ。収縮チューブにはスミチューブB2(3×)を使用。ケーブル長さは1.5m。

エンブレムを取り付けて完成!“Excetra”とは「毒蛇」という名のラテン語。見た目が蛇みたいだからだ。2by2は癖のないフラット基調のケーブルだが、この被服処理で少しは味と言うか、毒というか、個性を持たせたかったというのもある。
SFチューブから透けて見える銅網組メッシュが美しい。ケーブルの仕上がり外径は約φ30ほど。太いケーブルなので曲がりにくそうだが、柔軟性はかなりある。2by2自体が柔らかいケーブルだという事と、カブセール自体も柔らかい被服材だということで、見た目の予想に反して取り回しは良好。

なお、使っている銅網組メッシュは錫メッキされたTBCと言われるもの。一般的な銅網組メッシュだ。錫メッキされていない銅網組メッシュもある。見た目は銅色でそれはそれで美しいのだが、メッキなしだとすぐに酸化してしまうということで、需要が少なく、入手経路も限られる。

さて、冒頭に紹介したBallistaもそうなのだが、このケーブルも7月上旬にガッツさん邸で持ち込み試聴をおこなった。私の自宅システムは2005年7月現在、大規模なリニューアル中であるため、まともに音楽が聴ける状態ではないのだ。ガッツさんのシステムでの試聴では、ほとんどエージングなし状態での試聴なのだが、素の状態の2by2からはずいぶんと良い方向に進化したと思う。音調的には自己主張なく穏やかな傾向。これは2by2の持ち味だ。ややもすると甘めな解像度だと思われたのだが、この被服処理によってそこらへんは多少改善されている。壁コンから電源ボックスまでのケーブルに接続。女性ボーカルを聴かせていただいたが、ガッツさんがこの配線部分に常用されているメインケーブル(エソテリックAC-8000)と比べると、声が若返ったように感じる。明るい方向に変化したのだが、これがいい事なのかどうなのかは聴く人によって違うだろう。ガッツ邸のシステムはピラミッドバランスの落ち着いた音調なのだが、私のケーブルを挿入すると、そのバランスが崩れる事を見いだした。これは私が持参したどのケーブルにも言える事だったが、総じて高域方向へバランスがシフトし、ボーカルが若返るのだ。2by2のエージングには60時間以上必要だと、オヤイデ電気のホームページには書いてあったので、導通はまだまだ不十分。ガッツさんもこのケーブルの変化を見届けたいということで、ガッツ邸にてエージングをしてもらっている。長時間の導通でかなり化けそうな気がしているのだが、さてどうだろうか。

こちらも私がお世話になっているオーディオマニアのガッツ邸での試聴風景。ガッツさんの批評を掲載する。
『No.86 Excetra』
このケーブルが『今回の3本中No.1!!!』のケーブルです。
その特徴は『どこまでも伸びる中高音域、ボーカルが気持ち良いくらいにどこまでも伸びます! つまったところがありません! これは私のようにボーカル中心の音楽を聴く人間にとってはこれが一番重要な要素で、解像度に多少荒さを感じる部分はあるものの、それを補って余りあるものがこのケーブルにはあります! 解像度の水準はPM−750より多少落ちますが、神経質なところが無い分、これが自然とも受け取れます。音の広がり・奥行きはPM−750と同レベル! 音の厚みと低音の押し出し感も同レベルと言えるでしょう! とにかくどこまでも伸びるボーカルによりPM−750を超えていると思います!!!』、お薦め(^^)V
No.90 LUXUS

ACケーブル:アクロリンク4030 ACプラグ:Wattagate5266i IECコネクター:Wattagate320i

こちらは前述BallistaとExcetraをミックスしたような被服処理を施している。ケーブルには贅沢にもアクロリンク6N-P4030を使用。長さは約1.2m。ケーブルの外径はφ36ほど。なんと太いケーブルか。シュンヤッタリサーチかオーラルシンフォニックを彷彿とさせる。ちょっと言い過ぎかな。青ヘビならぬ黒ヘビとでも名付けたいところだが、歯がゆいのでやめておこう。2005年6月に製作。
これが材料となるケーブル。アクロリンク6N-P4030と銅平網チューブTBC、カブセール。
6N-P4030にダイニーマ繊維のサイドワインダーを巻き付けた状態。この状態でφ13ほど。右はカブセールにケーブルを通したところ。カブセールの内径は公称φ13ほど、実際にはφ13〜15程度。ケーブルはぎりぎりぴったり差し込めた。
ケーブルの片側、ここではワッタゲート5266iを先に取り付けている。カブセールはプラグ側にきっちり寄せておく。次いでカブセールを押し込んで、もう片側のケーブル端末をできるだけ引っ張りだす。そして、コネクターをしっかりネジ止めする。コネクター取り付け後、カブセールを押し込んでいた手を離すと、カブセールは元通りの長さに戻る。なお、左写真のように、ケーブルの端末はブチルゴムテープなどを巻き付けて、少し太くしてある。これはなぜかと言うと、ワッタゲート系のプラグコネクターのケーブル引き出し口の真ん中からケーブルを引き出すための補正加工なのだ。うー、ちょっと文章で説明するのが難しいなぁ。要は、φ13程度のケーブルをそのままワッタ/マリンコ系フルテックFI-25、オヤイデP-037系のプラグコネクターに固定すると、プラグの中心からずれた状態でケーブルが引き出されてしまうのだ。それを補正するためには、ケーブル端末をご覧のように太くすれば良い。これらのプラグコネクターには、細いケーブルを固定するための補正パーツが組み込まれていたりもするのだが、これはあまり立たないのだ。こういう補正のめんどくささがなく、ケーブルを常に引き出し口の中心から引き出せるプラグコネクターとしては、明工社ME2591/松下WF5018/フルテックFI-11系/AETPSE-018系がある。ま、これも万能とは言えないのだが。
銅平網組シールドチューブを被せたところ。端末がほどけないようにテフロンテープを巻き付けておく。見た目は一般的な銅網チューブなのだが、ここまで太いのはお値段もかなりする。銅平網組線は太さを表すのに通常、使われている銅線の総断面積で表すらしい。これは38スケアと呼ばれるものなのだが、だいたいオヤイデ電気では2,000円/mほどだったと思う。秋葉原の中央通り沿いにはもっと安く買えるお店もあるのだが、店名を忘れた。なお、銅網組線も、ポリエステルメッシュチューブもそうなのだが、こういう被服チューブというのは、ケーブルの長さの3割増しの長さを用意しておかなければならない。ケーブルに被覆すると、これら被服チューブは膨らむので、膨らんだ分、長さが短くなるのだ。例えば、長さ1.5mの電源ケーブルを作るとき、被服用のチューブ類は2m分用意しておくのが無難だ。
ポリエステルメッシュチューブを被せたところ。φ25のSFチューブがちょうど良い。端末の収縮チューブにはニシチューブを使用。ニシチューブは半光沢なので、スミチューブより高級感のある仕上がりになる。音的にはなんの関係もないが。ここまで太いと、やや取り回しがしずらい面もあるのだが、ケーブル自体はけっこう柔軟性があるので、よほど入り込んだところで使わない限り、普通のケーブルの感覚で使える。

右はエンブレムを付けて完成したところ。エンブレムも音質にはなんら関係ない。ケーブルにより愛情を注ぎたいという私の想いからエンブレムを装着しているのだが、要するに自己満足だ。オーディオ趣味自体、自己満足の最たるものなので、個々人それぞれ自分の好きにやればいい。

こちらケーブルのアップ。メッシュチューブからシールドチューブが透けて見えるのがメタリックな感じでなかなかかっこ良い。右はプラグ/コネクターのアップ。マリンコ/ワッタ系のケース外径はφ38あるのだが、ケーブル自体もほぼ同じ径に仕上がっているので、なんとも異様なケーブルに仕上がっている。
名称は“LUXUS”とした。これはラテン語で「豊穣」という意味。5.5スケアの極太導体から繰り出される芳醇な音を期待しての命名。さて、実際のところはどうだったか。
オーディオマニアのガッツさんの批評を掲載する。
『No.90 LUXUS』
このケーブルの特徴は『音の厚みと低音の押し出し! 音の厚みはDENONに通じるところがあり、普通に聴いていて心地よさを感じるくらい、ぼわっとした感じはありません。これにB&Wばりの低音の押し出しが加わります。解像度は高くないので、低音が他の音域に多少かぶさる、このくらいのバランスのほうが良いかと思います。レベル的にはPM−750には解像度で劣り、厚みと低音の押し出しで勝っています。好みの問題で解決できるくらいのレベル!ですね。ただし、音の広がり・奥行きは1〜2回り程度小さくなります』。今回の3本中[No.2!!]
極太電源ケーブル失敗作

ACケーブル:アクロリンク4030 ACプラグ:Wattagate5266i IECコネクター:Wattagate320i

こちらは前述の極太ケーブルの製作より遥か前、2004年秋頃に製作した極太電源ケーブルの第一作目だ。ついでなので、ご紹介しておこう。構造的な仕様は No.90 LUXUSとまったく同じ。長さは60cmと短い。製作自体はうまくいったのだが、あまりにも短すぎて使えず、結局ばらしてしまった。
これが材料。アクロリンク6N-P4030はオヤイデ電気で80cmの半端ものとして安く売られていたのだが、実際に購入して長さを測ってみると60cmしかなかった。ちゃんと測ってくれよう。とほほだぜ。写真に映っているカブセールは外径φ33、内径φ13。私は東急ハンズで購入した。ホームセンターなどでも売られているかもしれないが、本来は業務用の耐衝撃材なので、入手は難しいかも。

なぜ、こんなカブセールみたいな素材を使う事になったかと言うと、東急ハンズで見かけたからだ。そもそも、太いケーブルを作ろうとして、様々な仲介材を探していたところに、このカブセールを発見したわけ。自作系オーディオマニアたるもの、なにか面白い素材を見つけたとき「これはオーディオに使えるだろうか?」と考え込んでしまうもの。

こちらはこのページで何度も紹介したケーブル音質改善テープ「サイドワインダー」だ。裏の白いのがダイニーマ。貴重な2巻き。大事に使わなきゃ。
ケーブル長60cmに対し、サイドワインダーは倍の長さ必要。なぜ、サイドワインダーを使ったかと言うと、たまたま手元にあったからというのもあるのだが、カブセールとP4030の隙間を埋めるためという理由もある。もちろん、サイドワインダーの謳う音質改善効果も狙っている。
ケーブルをカブセールに通したところ。
銅平網シールドチューブを被せたところ。このシールドチューブはアーシングチューブという名前でも呼ばれる事がある。このシールドチューブは店頭で売られている時には、平たい状態なのだが、これを平たいまま、工場設備のアース配線に使ったりすることもあるようなのだ。

右はポリエステルメッシュチューブを被せたところ。

ケーブルのアップ。あとは端末に収縮チューブを被せれば完了。
これが今回使用した大口径の収縮チューブ。φ70ほどある。どこのメーカーのものかよく分らないのだが、タイガー無線にぶら下がっていたものだ。たぶん刻印がないのだが、スミチューブっぽい。

収縮チューブを熱収縮させる際は、ケーブル部分に濡れたタオルなどを巻き付けた上で、ヒートガンで熱風を吹き付ける。なぜ、濡れたタオルを巻き付けるかと言うと、熱風でポリエステルメッシュチューブが溶け出さないようにするためだ。ヒートガンからの熱風は裕に100度以上あるので、ポリエステルメッシュチューブにこの熱風が長時間あたると溶けてしまうのだ。

ご覧の通り、奇麗に収縮チューブがけできた。赤い色がアクセントになって、なかなか個性的な電源ケーブルに仕上がりました。ただ、先にも述べたように、長さが短すぎたため、実用にはいたらなかった。残念!

このような極太電源ケーブルを作るきっかけになったのは、オーラルシンフォニクスのML-BLUENOTE、俗にいう「青ヘビ」を見かけたのがきっかけ。いまからずいぶん前の事だが、テレオンに陳列されていた青ヘビを見て、こんなケーブルを自作してみたいと思ったのだ。ちなみに、私は青ヘビを聴いた事はない。姿の異様さに惹かれただけなのだ。そういえば、青ヘビは日本限定発売品らしい。電安法改正前に絶版となってしまったが、一体どれほどの数が流通したのだろう。

どうせ、青ヘビに似たようなものを作るなら、私なりのアイデアを盛り込んでみようとして、あれやこれやと工夫してみたのだが、まぁまぁ面白いものが出来たと満足している。

そんなこんなで、私の自作電源ケーブルは今後、極太電源ケーブルを極めていくことになりそうだ。組み込みたいアイデアや音質改善手法はまだまだある。様々なケーブルを極太仕様にしていってみようと計画している。この極太電源ケーブルの目指すところはエソテリックの限定ケーブル8N-PC8100なのだ。8N-PC8100の持つ煮えたぎるような情熱を、私の自作ケーブルで奏でたいのだ。さて、どうなることやら。ま、この極太電源ケーブルの一番いいところは、見た目の異様さかな。

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