オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
自作電源ケーブル
アルミモジュール装着タイプ
2006.02.06公開

2005年の11月から2006年正月までに製作した電源ケーブルは10本弱。新規に製作したものから、以前に製作したものをリファインしたものまで様々。ケーブルの途中にモジュールを取り付ける試みを繰り返したり、まぁ色々遊んでおります。ここでは、2005年末頃から2006年初頭に製作した電源ケーブルのうち、ケーブルにアルミモジュールを設けた作品を2本ご紹介。

No.114 MANTRA
ケーブル:フジクラCV-S2.0 ACプラグ:明工社ME2591 IECコネクター:シェルター4781
No.114 MANTRAの特徴は、CV-Sケーブルの途中に巨大なモジュールを取り付けたこと。電源ケーブル数あれど、ここまで巨大な塊を纏っているケーブルはそうはあるまい。モジュールの大きさだけでいうと、MITのORACLEシリーズとタメを張れるかもしれん。MANTRAのモジュールはアルミの塊。内部は中空構造になっている。この内部空間にジルコンサンドを詰め込んだ。アルミの重量とジルコンサンドの振動吸収効果が相まって、強力な防振動作用を発揮している。難点はこのモジュールが大きすぎる事。見た目にも面白いし、ケーブル設置の安定性も良好なのだが、このアルミ隗の大きさ故、あまり高い位置にある機器へこのケーブルを用いる事は出来ない。ケーブルは長さ2m弱。モジュールはその真ん中あたりに固定されている。
手持ちのCDP(Wadia6)に接続しての印象は、引き締まった低域で、立ち上がりが極めて鋭く、ストレートな基調を有していた。導体が硬いため、エネルギーの塊が飛んでくるような印象を憶える。これはCV-Sの特徴だ。CV-S3.5より、CV-S2.0の方が、CV-Sケーブルの特徴をより際立たせている。これが良いのか悪いのかは好みによる。以前、CV-S2.0で電源ケーブルを製作したことがあるが、それよりもストレート感が強い。それと同時に、左右への音場展開も広がっている。アルミ隗の効果かなと思ったりもする。パワーアンプ(PASS Aleph3)でMANTRAを使ってみても、再生音はほぼ同様の傾向を示す。アンプに使った方が、よりタイトに、そして、シビアに音を出してくる。もう少しエージングで熟れてくると、高域の硬さが程よくほぐれてくるかな。まずは、成功といったところ。
下北沢の雑貨店で入手したアルミの塊。下北沢には、こういう金属塊を店頭販売している雑貨店があるのだ。店名は忘れた。
このアルミ隗、工業製品の部品のジャンク品のようだが、何の部品かは分らない。塊の中央にケーブルを通せそうな穴が空いており、中は程よい中空構造になっている。このアルミ塊を見つけたとき、これは電源ケーブルのスタビライザーとして使えそうだなと閃いて、購入した次第である。
このモジュールの重量は2kgほど。ジルコンサンドを封入しているため、重量はさらに増加している。内部に封入したジルコンサンドの量は量り忘れたが、300ccくらいは入ったと思う。ジルコンサンドの比重は実測3kg前後なので、300ccということは1kg近いという事か。
アルミ隗自体は最初、艶消し状にくすんでいたのだが、私が研磨剤で磨き上げてピカピカにした。とはいっても、近づいてみるとけっこう傷が残っているのが分るなぁ。
ケーブルの貫通部分は木のパイプやニシチューブなどを駆使して塞いである。詳しくは後述。
電源プラグは使い慣れたME2591。明工社の3Pプラグだ。ケーブル固定クランパーは元来、ベージュ色なのだが、私が黒色に塗装した。単に、見た目を良くするためである。そのままでは安っぽいプラグなのだが、クランパーを黒くするだけで高級感が出る。AET PSE-018 HR ACプラグの真似である。
IECコネクターはシェルター4781。これも使い慣れたコネクターだ。ブレードはメッキ無し真鍮。
ケーブルはフジクラCV-S2.0。外径11ミリと、程よい細さ。CV-Sらしく硬めのケーブルである。3芯構造だが、この自作例では、プラグ側は3芯、コネクター側は2芯分の配線処理としている。日本の一般的な家庭用交流電源では、アース配線はなされていないため、ケーブルのアース配線を配線使用がしまいが、どっちでもいいのだ。
被服にはデンカエレクトロンのFL-6透明を使用。オヤイデ電気に限定入荷したポリエステルメッシュチューブだ。CV-S2.0には、FL-6がぎりぎり被せられる。このメッシュチューブ、見た目が銀色っぽく見えるが、金属シールドチューブではない。光が反射してそう見えるだけである。
この電源ケーブルの名称はNo.114 MANTRA。「真理の言葉」とか「呪文」という意味。
ここからはNo.114MANTRAの製作過程を紹介。製作に用いるケーブルとアルミ隗、それにジルコンサンド。右はアルミ隗にジルコンサンドを封入しているところ。アルミ隗の片側の穴をテープで塞ぎ、ロートを使ってジルコンサンドを流し込んでいく。
ジルコンサンドの流し込み中。ジルコンサンドはつまるところ砂漠の砂である。本来は、工業用の研磨砂として利用するものらしい。一口にジルコンサンドと言っても、砂粒の大きさや色合いによって何種類か存在する。これはコイズミ無線で扱っているジルコンサンド。以前同店で扱っていたジルコンサンドより粒子がやや大きくなり、色もやや濃くなっている。昔扱っていたジルコンサンドは粉のように細かくて、色も乳白色だった。どっちが良いのかは分らない。同店店員さん曰く、以前のジルコンサンドは細かすぎて、作業中に飛散しやすかったため、やや大きめの粒子のものに変更したとの事。
ジルコンサンドはその名の通り、ジルコンという元素が主要構成成分となっている。ジルコンサンドの比重は4前後とされているが、私が実測した限りでは、比重は3弱だ。磁性分が少なく、電気伝導性はほとんどない。砂の粒子は非常に細かく、流動性がある。振動吸収効果が極めて高い。江川三郎先生の実験が発端となり、一時期、ジルコンサンドを自作アンプなどの筐体内部に流し込むことが流行ったことがある。
ジルコンサンドを封入の後、ケーブルを慎重に通す。そして、穴とケーブルの隙間をボンドで塞ぐ。さらに木のパイプや収縮チューブなどを組み合わせて、接合部分を塞いでいく。隙間があるとジルコンサンドが流れ出てしまうので、何重もの密封処理を施している。
No.109 SILVER SMACK
ケーブル:フジクラCV-S3.5 ACプラグ:明工社ME2591 IECコネクター:シェルター4781
ケーブル中間にアルミ隗のモジュールを装着したことを特徴としている。これは以前の作例No.98 ShivaやNo.95 Sledge Hammerと仕様的には全く同じ。違うのはケーブルの被服にデンカエレクトロンFL-9透明を用いた事。ケーブル配色の違いを確認するために製作。音質傾向はNo.95を参照あられたい。
モジュールのアップ。このアルミ隗も下北沢の雑貨店で入手。ケーブルの中間に重量付加を施すと、低域の分解能がアップする。最近流行のケーブルスタビライザーとして機能しているのだろう。なお、このアルミ隗とケーブルの隙間にはテフロンテープを介在させてある。アルミ隗の固定を確実にするためと、テフロン自体の防振効果を狙っての事である。
電源プラグには明工社ME2591、IECコネクターにはシェルター4781を使用。ME2591のくらんパー部分を黒色に着色して、見栄えをアップさせている。IECコネクターからケーブル部分に掛けてはニシチューブによる収縮チューブ処理を施してある。コネクターとケーブルとの接合部分の耐久性向上のためだ。ニシチューブはタイガー無線で小売りされている。スミチューブより厚肉で、仕上がりに光沢があり、高級感が出る。
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