オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
電源タップ
2005.11.15更新あり

「電源&アクセサリー大全2004」の定義によると、自作電源ボックス(ACボックスとも言われる)はケーブル脱着式、電源タップ(テーブルタップ或いはACタップとも言われる)はケーブル直出しのものを指すらしい。以下、みじんこ自作の電源タップをご覧あれ!

PORTFOLIO No.72 Dolores
2005.11.15

ケース:樹脂製 ACプラグ:レビトン8215C ACケーブル:藤倉CV-S3.5 コンセント:オヤイデSWO-DX

コンセントにオヤイデ電気SWO-DXを使用した2個口電源タップ。この電源タップではケーブル部分に藤倉CV-S3.5を使用。ケーブル表面の擦れを避けるため、また、引き締め効果による音質向上を図るため、ケーブルにはSFチューブを被せている。ケーブル長は2.5m。コンセントプレートにはアコースティックリバイブの樹脂製カバーJAC-1を使用。これはトルマリン粉末を混ぜ込んだオーディオ用コンセントプレートである。また、本来は灰色の樹脂製コンセントボックス、これをラッカースプレーで真っ黒に塗装。全身真っ黒な電源タップに仕立ててみた。
電源タップなのでケーブルは直出し。2個口と個口数が少なく、用途は限られるが、意外と使い勝手の良い個口数でもある。例えば、壁コンセントからモノラルパワーアンプ用にこの電源タップを使用し、壁コンセント側のもう1個口から別途、4個口電源ボックスなどを接続し、そちら側にはソース機器やプリアンプを接続するという具合である。私も実際、このような使い方をするためにこの電源タップを製作し、B-2103を2台この電源タップに接続していた時期がある。ちなみに、直出しタイプはケーブルからの配線がコンセントに直に接続されるため、電源供給経路の接点が少なく、音質劣化が抑えられると言うメリットが多少ある。
本体ケースのアップ。前述の通り、アコリバのコンセントプレートJAC-1を使用している。JAC-1はJ1プロジェクトとの共同開発コンセントプレートで、制振性に優れたJ1コンポジットで出来ている。このプレート樹脂にはトルマリンが配合されている。トルマリンからはマイナスイオンが放出されるそうで、このマイナスイオンが有害電磁波を中和してくれるとか。ホントかな?このプレートの欠点は表面に傷が付きやすい事。このプレート、手でねじ曲げられるほどけっこう柔らかいのだ。プレート中心にある固定ネジにはステンレス製を使用。コンセントのへそを介して固定されている。
ACプラグにはレビトンの8215Cを採用。ケース表面には、ホスピタルグレードであることを示すグリーンドットマークが確認出来る。レビトン8215Cはケーブル挿入口がやや狭く、ケーブルの装着固定にはややコツがいる。写真では分りにくいが、ケーブルの端末付近の径、つまり写真でいうところの白いコネクター固定具と接触している部分あたりまでのケーブル径を細く加工してやるのだ。CV-Sの場合、素の状態だとφ12ほどあって同プラグに挿し込みにくいのだが、外装シースと銅箔シールドを除去してやるとφ9くらい、同プラグに装着固定するのにちょうど良い細さになる。さらに、細めた部分を含めたケーブル端末10cmほどを熱収縮チューブで保護してやると、被服除去部分の保護にも役立つし、見た目も奇麗に仕上がる。
名称はDoloresとした。カクテルの名称である。
コンセントケース部分の加工状況をちょっとご紹介。この作例では赤=ホット、白=コールド、黒=切断、という配線にしている。通常は黒=ホット、白=コールド、赤=アースもしくは切断の方が一般的かもしれない。2芯で配線しているという事は、アースは配線していないという事である。これも日本の電源事情ではなんら問題無し。右はコンセントボックス内部に貼り込む鉛シート。黒いのはブチルテープ。
ケースの内部5面に鉛シートとブチルゴムテープを3〜4重に貼り重ねた。あまり充填し過ぎると内部配線を這わせる余裕が無くなるので、ほどほどに。この電源タップの重量は1.5kg。素の状態だとケースが軽いので安定性が悪いが、このように重量付加してやると安定性が増す。普通のケーブルを2本挿しした程度なら、ケースがひっくり返る事は無い。もっと安定させるなら、底面に大きめの板を貼付けてやると良いかもしれない。鉛とブチルには制振効果もあり、ケース自体を叩いてみても、鳴きはない。なお、コンセントの固定にはM4のステンレス皿ネジを使用。コンセントは前述の通り、オヤイデのロジウムメッキ高級品SWO-DXを使用。
Doloresはその後、改修を加えた。コンセントをSWO-DXからFIM880へ、ACプラグをLEVITON8215から明工社ME2591へ変更。なお、この写真のFIM880は、取り付け金具の先端をペンチでカットしている。FIM880は高音質コンセントとして人気を博していたが、2004年4月の特定電気用品PSE施行によって、国内輸入が途絶えた。余談だが、FIM880の灰色バージョンは日本向け専用色であり、元来は青色。国内正規輸入元ののコンバックコーポレーション以外、つまり平行輸入品は青色モデルだった。
コンセントのケーブル固定口に、短く切った単線を用意し、4カ所のうち3カ所挿し込んでやる。こうすることで、導体を1本のみで固定するよりケーブル導体の固定が安定する。これは福田先生が雑誌上で掲載された技なのだが、有効なので私も真似している。コンセントとケースとのネジ固定にはステンレスネジを使用。これも福田先生の受け売りなのだが、たしかにステンレスネジを使うと低域に締まりが出て具合が良い。ちなみに、ネジのサイズはM4。
J-1コンセントカバーを取り付けて、コンセントの交換は終了。FIM880、外見は地味なコンセントだが、音質は現在でも一級。輸入停止が惜しまれる。真ん中に見えるコンセントカバー取り付けネジはインチネジを使用。海外製コンセントのヘソネジは全てインチネジ仕様なのだ。
改装後のDolores。SWO-DXの時と甲乙付けがたいが、FIM880ならではの艶やかで繊細な雰囲気は、この電源タップにおいても活かされている。
PORTFOLIO No.52
~Bicephalic~
2005.2.19追加

VCT5.5をケーブル線材に使用した電源タップ。大電流パワーアンプへの給電用に製作。サンスイB-2103のバイアンプ駆動に使用するため製作した。2個口仕様となっているためモノラルパワーアンプ2台への給電にうってつけ。5.5スケアの導体断面積を有しているので、瞬間給電力にも余裕で対応。プラグの差込強度に優れたレビトン製コンセントを搭載している。ケーブル長は2m。

コンセントボックスには一般的なシングル型樹脂ケースを使用。コンセントを1個搭載できる。これ、非金属であることなどが幸いし、福田先生曰く音質的に有利とのこと。ケーブルには富士電線5.5スケアを使用。ケーブル径は13φで、導体断面積は5.5スケア。芯線端末がばらけないようにハンダ付けにて処理し、さらにヤスリがけで整形してある。ハンダには無鉛銀ハンダを使用。
コンセントにはレビトンの5362-Rを使用。プラグ電極を極めて強固に喰わえ込むことができる。この差込強度は数あるコンセントの中でも随一。パワーアンプへの安定した給電にはうってつけ。艶あり赤のケースはとても美しい。
ケーブルは直出し配線の電源タップ仕様とし、接点ロスを減少。プラグには明工社のME2591を使用。プレートにはフルテックのステンレス製を使用。このプレートはS/N感に優れ、音質を引き締める作用がある。コンセントへのプレート固定には制振合金M2052の6/32インチネジを使用。
樹脂ケースはラッカースプレーで艶消し黒に塗装。重量付加のためケース内部には鉛シートを貼付けてある。VCTケーブルには錫メッキ銅平編チューブを被せ、さらにSFチューブ9φを被せてある。メッシュチューブから銀色の平編チューブが透けて見える。作品名「Bicephalic」とは双頭という意味。2個口給電からこの名を付けた。
鋼鉄製BOX+ステンレス板使用!光り輝く重量級電源タップ

製作年:2002年 制作費:約3万円 重量:約3kg

電源ボックス:松下電工DS72191
(鋼鉄製 ねじなし露出スイッチボックス)
壁コンセント:フルテックFP-2-R
電源ケーブル:ディーバス14-4CT
電源プラグ:レビトン8215CAT
直出しコネクター:タカチ製
底板:8mm厚ステンレスSUS304
コンセントプレート:オヤイデ
シールドチューブ:
収縮チューブ:タイガー無線

どうです?ピカピカでしょ。見た目優先で作った電源タップだが、相当重量があり、防振もしっかり対策してある。パーツも吟味したので、音質はなかなかに優秀。ちょっとケースの音が響く感じもあるが、バリッとした押しの強い感触だ。そもそもこの電源ボックスを作るきっかけになったのは、このケースを吉祥寺のカフェで見掛けたためだ。吉祥寺の西側にアムリタ食堂というアジアンカフェがあり、その店内の壁にこのケースが取り付けられていた。ほー、かっこいいケースだなぁ、と観察してみてもどこのメーカーのなんという型番のボックスなのか、さっぱりわからなかった。それからというもの、この金属製ケースを探す日々が続く。様々なキーワードでネット検索した結果、松下電工の電源ボックスに金属製のものがあり、型番は DS72191ということが判明。そして、このコンセント2ヶ搭載型以外にも、1ヶ搭載型や、深さが深いものなど色々あることが分かった。ネットで調べた資料を元に、オヤイデ電気を訪問。斉藤さんに相談したら、ご親切に、たった1個なのに取り寄せてくれた。
わざわざ取り寄せまでして入手したケースだが、どう料理してやるか・・・。色々考えた挙げ句、電源ケーブル直出しの電源タップとして製作し、重量付加のため底面にステンレス板を貼付けてやることにした。見た目はこのケースに見合うよう銀色に統一しよう。そうなればコンセントやACプラグは透明が似合いそうだ。そんなこんなでパーツの選定が進んだ。さて、このケース、材質は錫に亜鉛メッキしたもののようだ。表面はざらついており、見た目はいまいち。そこで、表面をピカピカに研摩してやることにした。まずは、上写真のようにケーブル引き出し口の突起を金ノコでカット。ここは後ほどタカチのステンレス製コネクターを装着してやることにする。研摩しているところの写真は撮影してないので、研摩前と後でどのくらい綺麗になったのかお見せできないのが残念。フィニッシングペーパーで磨き、さらにコンパウンドをバフに付け一生懸命に磨き上げたのだ。おかげで、顔が映るくらいの鏡面仕上げになった。
さらに、近所の金属加工業者に依頼して、厚み8mmのSUS304ステンレス板をカットしてもらった。このステンレス板で1.5kgはある。右上はレーザーカットしたステンレス板の切断面。この断面も研摩してやった。
内部にはブチルゴムと鉛シートを敷き詰めた。さらに、ケースの底面にブチルゴムを貼り、ステンレス板を接着する。実は当初、ケースとステンレス板をネジ留めしようとしたのだが、ステンレス板の穴開け加工に失敗し、途中で断念。次には、ケースとステンレス板をステンレス専用ハンダで接着してしまおうとしたのだが、ハンダがうまく乗らずに失敗。結局、ブチルゴムで接着することにした。
ステンレス板を接着したケース。右上はケーブル引き出し口に取り付けたケーブル直出しコネクター。ケースメーカーで有名なタカチのコネクターで、ステンレスで出来ている。ピカピカして見栄え良し!写真に映っているケーブルはディーバスの14-4CT。高純度銅にテフロン被服を施した電源ケーブルだ。音が良くて実売\3,000ほどと手頃なケーブル。なかなかお勧めです。
コンセントとケーブルをネジ留めしてから、ケースに固定する。コンセントはフルテックFP-2-R。なかなか贅沢なチョイスだ。右上はUL規格4個口コンセントプレート。オヤイデ電気で売られているステンレス製のものだ。
完成した電源タップ。パーツを吟味したおかげで美しく仕上がった。これが仮に市販されたとすると、6万円くらいの値が付いてもおかしくはないかな。ACプラグにはレビトン8215CATを使用。電源ケーブルには高周波対策シールドチューブを被せている。このシールドチューブは日本ジッパーチュービングが製造するZS-06HFというもので、一般的な亜鉛メッキ銅編組シールドチューブより造りが良い。この電源タップは重いので、設置が安定する。この電源ボックスを使うと明らかに音が変化する。全域に渡り音が張り出してくる感触があり、音場感もアップするようだ。これはケースのおかげか、ケーブルやプラグやコンセントの性質か、全体的な造りが効いたのか。現在は予備役として保管しているが、手塩にかけて製作した電源タップなので手放すつもりはない。
オヤイデ電気非売品電源ボックスを使用
OCB-1用樹脂製電源タップ

製作年:2002年 重量:約1.5kg

電源ボックス:オヤイデ電気提供非売品
(OCB-1に使われている電源ボックス)
壁コンセント:レビトン5362-IG
直出しコネクター:タカチ製ステンレス
電源プラグ:フルテックFI-15MEG
電源ケーブル:フジクラCV-S3.5sq
この電源タップは、オヤイデ電気の電源タップケースに私がパーツを選んで組み合わせたものだ。このケースは現行OCB-1シリーズに採用されているのと同じものだ。本来、ケースの単売はされていないが、私は現行OCB-1の発売前に試作ケースを入手した。直出し電源ケーブルには藤倉電線CV-S3.5スケアを使用。肝心要のコンセントにはレビトン5362-IGを使用。ケーブル引き出しコネクターはタカチのステンレス製。コネクターはステンレス製なので銀色をしていたのだが、私がラッカーで黒く塗装した。
左上はケースの内部。ケース内部底面には私が鉛板を貼付けている。最初はジルコンサンドを袋詰めしたものを貼付けていたのだが、ジルコンサンドが洩れ出すとやっかいなので取り外した。このケースは特殊なグラスファイバー入りナイロン樹脂で、剛性は高い。右上はコンセントへの配線状態。まず、2つある内の1つのコンセントに電源ケーブルを接続。さらに、長さ10cmほどのケーブルを用意して、1つ目のコンセントと2つ目のコンセントを接続する。音質的には電源ケーブルに直接接続されている1つ目のコンセントが有利になる。
2つ並んだレビトン5362IGがなんともかっこいい。コンセントとケースとの固定には、この用途において音質的に最適と謳われるステンレス皿ネジを使用。ステンレスネジは秋葉原や東急ハンズ、ホームセンターなどで容易に入手できる。右上はこの電源タップに使っているACプラグ。ACプラグは最初、マリンコ5266を付けていたが、後ほどフルテックFI-15MEGに変更している。
ケースの上部プレートと下部の本体はM3ネジ4本で接合されるのだが、このネジには製振合金M2052のネジを使用してみた。このネジけっこう高いんです。製振合金M2052はマンガンと鉄、その他幾つかの元素を含む合金なのだが、非磁性体だ。
ケースカバーを取り付けて完成。OCB-1より見た目が良さげでしょ。レビトン5362IGはレビトンのコンセントらしくプラグの喰い付きが強固で、このためか馬力を感じさせる音色が特徴。純正OCB-1は所有していないので、なんとも言えないが、私がこのケースにSWO-DXを搭載した時と、このレビトン5362IGを搭載した時とでは、変化があった。SWO-DX搭載時は高域の伸び、解像度重視の傾向。レビトン5362IGでは高域レンジはSWO-DX程では無いが、中低域に密度感のあるコシの強い感触に変化した。当初はやや粗雑な感じもしたのだが、通電とともにそれも解消。レビトン5362IGの魅力はなかなかのものだと言える。色も綺麗だし。なお、5362には5362IG以外に5362Aというものもあり、これらはアース関連の内部構造が違えてある。
ケース底面にはオヤイデ電気が販売しているOCB-1専用スパイクを貼付けた。このスパイクは真鍮で出来ている。直径は1.5cmほど。こんな小さなスパイクを作るとは、オヤイデ電気もマニアックだなぁ。
このスパイクに合うスパイク受けがモニターPCから発売されており、これも組み合わせてみた。これはMD-8という型番で、オヤイデ電気かオーディオユニオンお茶の水店で入手できる。さて、このようなパーツの組み合わせで製作した電源タップだが、音質はまずまず問題無し。ケース自体の音質うんぬんはなんとも分からないのだが、はっきりした物言いに変化する。ケースの性質が関係するのか、パーカッション系の細かい立ち上がりなどが軽やかで反応が良い。低域の量感は少ないが、特に不足はない。重量は2kg ほどと軽め。重しを入れてやれば、音色もどっしりした方向に変化するかも。
これはオヤイデケースとの最初の組み合わせ。コンセントにはオヤイデのSWO-DX、ACプラグにはマリンコ5266を使用。すべてのパーツが黒いので、見た目がなかなか渋いでしょ。SWO-DXの特徴が良く引き出されるため、音もシャッキリとし、やや腰高なものの張りのある音色だった。
ベルデンPS1550

購入年:1995年 定価::\10,000 実売:\9,000 購入先:シマムセン

米国ベルデン社の電源タップで、オーディオグレードとしては最安の部類になる。昔から存在し、今でも現行品としてオーディオ店で売られている。なにより安いのが魅力。学生の頃に入手し、それ以来愛用し続けてきた。これは私が最初に手を出した電源アクセサリーだった。そもそも、90年代中頃は電源ボックス関連の製品数も少なかったし、ウン万円も掛けられない学生にとってPS1550はありがたい存在だったのだ。手頃な価格が魅力で、兄弟機のPS1800とともにロングセラーを続けている。PS1550は内部配線にBelden-OFHCという線材を用いている。ケースは金属製。底面にはスポンジ状のゴムシートが貼ってある。ケーブルは2m。プラグは2Pタイプなので、普通の壁コンセントに差し込める。3Pコンセントは2個口で、2Pインレットが4個口となっている。今となってはいささか古めかしく、高級感も皆無。ただ、造りは頑丈だし、手頃な価格なので、電源タップ事始めにはいいかもしれない。当時、これを使い始めた時には音質的な変化というのはあまり感じなかった。やはり、壁コンセントから攻めていかないと、根本的な解決にはならないのだろう。もちろん、使う人の環境によっては劇的な変化を生ずるかもしれないし、通常の電源タップよりはるかにマシと思う。

-電源ボックス・電源タップについて-

電化製品は電気を使うからには、なんらかの電源供給を必要とする。それはオーディオ機器もしかり。ゼンマイ式の蓄音機やバッテリー駆動は別として、オーディオ機器は壁コンセントに電源ケーブルを差し込むことで電気を得ている。これら電気の通り道である電源ケーブルや壁コンセントは音質に多大な影響を与えるのだ。それはなぜか?オーディオ機器が電気の力で音を奏でている。つまり、ソフトから得られる微少な音楽信号を電気で増幅してスピーカーから発するのがオーディオ機器の役目であり、この電気の質によって音質が左右される。電気の質は、高周波ノイズの混入、交流波形の乱れ、導体抵抗など様々な要因で表現される。私は電気工学の専門では無いので、電気と音質の関係を完全に理解しているわけでは無い。また、現在のオーディオ界でもこれら電源の問題については多種多様な理論が唱えられているものの、完全には解明されていないし、当面解明されないだろう。よって、電気と音質の関係については専門書に席を譲るが、みじんこはこう考えている。電源の重要性は、飯炊きに例えられる。米を上手くいただくには、米の品質は無論のこと、水の質と炊き方が重要。どんなに美味しいお米でも都会の汚れた水で炊いては旨さを全て引き出せない。皆さんの家庭でもきれいな水を得るために浄水器を使ったりしているだろう。また、水加減、火加減を受け持つ炊飯器などでも炊きあがりは変化する。ここでいう米はソフト(CDやDVDレコードなど)に、水は電気、炊飯器はオーディオ装置に例えられる。そして、やや飛躍し過ぎかも知れないが、コンセントや電源ケーブル、電源ボックスは水道管や浄水器に当たるかもしれない。これらのパーツの性能いかんで、電気の質を良くも悪くもするのである。

 電源ボックスも当初、単に電源を各機器に分配するという目的で使用されていたのだが、やがてオーディオメーカーが音質に配慮した電源ボックスに取り組みはじめ、いまやオーディオ用電源ボックスは必需品と言えるまで充実してきた。というのも、近年のオーディオ界では、電源ボックスは単なる電気の分配器では無く、ノイズの除去を始めとした「電源の質を整える」という重要な装置であるという認識が高まっているためだ。そして、電源ボックスはここ数カ月これでもか!これでもか!という具合に新製品が登場する。みじんこも自宅で使ってみたい電源ボックスがいろいろあるのだが、金が無いので自作している。しかし、製作に懲り過ぎた結果、市販品を買った方が安かったのではないかと思うこともしばしばあるのだが、自作電源ボックスの製作には市販品にはない苦労と感動がある。

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