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「旬の音本舗福田屋アコースティックリバイブ製品試聴会」
2005.6.14公開!

開催日:2005年6月12日14時〜16時半 開催場所:オーディオユニオンお茶の水店

旬の音本舗福田屋の試聴会が久々に開催された。場所は恒例のオーディオユニオンお茶の水店4階。講師は当然、福田屋店主の福田雅光先生だ。
前々回に続いてアコースティックリバイブ製品の集中試聴となっている。前々回のイベントは参加できなかったので、今回は何としてでも行かねばならぬと意気込んだ。今回は、アコリバの新製品から旧来製品まで一挙10品目以上を試聴する。

なお、「旬の音本舗福田屋」とは季刊オーディオアクセサリー誌の連載記事。執筆者は当然、福田雅光先生だ。私も福田屋が読みたいがためにAA誌を毎号購読している。「福田屋店主」とは、福田先生自身が言っていることなのだが、福田先生がお店を商っている訳ではない。福田先生流のユーモアだ。

ここでメーカーの紹介をちょっとしておこう。アコースティックリバイブは関口機械販売のオーディオブランド名。埼玉県に居を構える機械メーカーだ。現在はほぼオーディオ関連の開発製造が主となっていると思われる。アコースティックリバイブは国内オーディオアクセサリーメーカーとして、常に時代の先進をいく製品開発を行っており、その独創性は他の追随を許さない。例えば、CD消磁器RD-1。これがそもそもアコリバの出発点であり、CDディスクの音を良くする装置として一大センセーションを巻き起こした。RD-1のヒットを契機に精力的な製品開発を進め、電源ボックスRTP-6、デジタルケーブルDSIX、コンセントCCR-DX、ルームチューニングパネルRWL-1など数々の売れ筋アクセサリーを製品化。特に、RTP-6は電源ボックスの重要性を世に知らしめた製品として、オーディオアクセサリー史に語られるべき存在である。最近ではショートピンSIP-8のヒットが記憶に新しい。同社の製品にはシューマン共鳴波発生装置RR-77などあまりに独創的な製品もあるのだが、スピーカースタンドRSSシリーズやオーディオボード、シングルコアケーブルシリーズなどオーディオアクセサリーの主要ジャンルもきちんと制覇している。近年はオヤイデ電気との技術提携が盛んで、同社初の切り売り電源ケーブルPOWERMAX5500CCR-DXもオヤイデ電気との共同開発製品だ。POWERMAX5500の実力は私も切り売り電源ケーブル一斉比較試聴で紹介してある通り、非常に魅力的な音質を有するケーブルとしてイチオシしたい。CCR-DXは私の愛用コンセントでもあり、まさに純日本的といえよう。つまり、切れが抜群、高解像度、高域の表現力に優れており、まさにコンセントの最高峰といっていい。その他、おすすめ商品はこのページの一番下にイベント結果を踏まえて紹介しているのでお読みいただきたい。

-試聴リスト-

      その1.アコースティックコンディショナーパネルRWL-2

      その2.電源ボックスRTP-6evolution+電源ケーブルPOWERMAX

      その3.コンセントスタビライザーCS-2

      その4.デジタルケーブルDISX-1.0

      その5.RCAラインケーブルRCA-1.0F+スピーカーケーブルSPC-F

      その6.ピュアシルクアブソーバーPSA-100

      その7.天然クォーツインシュレーターRIQ-5010

      その8.RCAタイプショートピンSIP-8

      その9.アナログレコード消磁器RL-30|||

      その10.アナログレコードスタビライザーDBLP

      その11.マイナスイオン発生器RIO-5+DVD/CD消磁器RD-2

      番外編.100円ショップで売られている洗濯物用クリップ

オーディオユニオンお茶の水店の店頭に張り出されていた試聴会の案内チラシ。右は試聴用のシステム。オーディオユニオンお茶の水店4階奥に設置されていた。参加者はざっと30名はいるだろうか。立ち見参加者も多く、会場は大入り満員だ。私はあらかじめ予約しておいたので、最前列右端に陣取った。右スピーカーの真ん前だ。リスニングポイントとしては偏っているが、まぁいいだろう。

さて、2時ちょうどに試聴会挨拶が始まった。まずは、オーディオユニオンお茶の水店4階フロアー長の松浦さんが挨拶。

松浦さんに続き、デノンのコンシューマーマーケティングの中村さんが試聴機器の説明をおこなう。こちらが試聴用の機器。公の場ではこれが初お披露目となるデノンの新型SACD/CDプレーヤーDCD-1650AEプリメインアンプPMA-2000AEだ。今回の試聴会用に最終テスト機を持ち込んだとのこと。DCD-1650AE/PMA-2000AEともに定価\157,500で、来月7月に発売とのこと。どちらも10年以上脈々と続くシリーズだが、このAEバージョンからデザインが一新された。DCD-1650AEは評論家宅でのテスト試聴を終えたので、これから音質部分の最終追い込みに掛かるらしい。デザインはご覧の通り、上級機のデザインを踏襲している。DCD-1650AEはSACDに対応したことと、上級機のアドバンスドAL24プロセッシング回路を搭載していることが大きな進化。PMA-2000AEは前バージョンPMA-2000|Vに比べ、プリアンプ回路のローノイズ化を徹底しているらしい。Phonoイコライザー回路ももMC/MM両対応となっている。ラックはJ1プロジェクト、オーディオボードは
LPプレーヤーとDCD-1650AEに米国SYMPOSIUMの極厚ボードULTRA PLATFORM及びSUPER PLUS、PMA-2000AEにはBDRのTHE SHELFを敷いている。SYMPOSIUM/BDRともにオーディオユニオンの別会社パシフィックオーディオの扱い品だ。
こちらは試聴システムの足下の様子。RIO-5やDSIX用強化電源DPS-1が置いてある。ユニオンオリジナル電源ボックスUN-AC1も見えるが、これはRIO-5やDPS-1の給電のため。DCD-1650AE/PMA-2000AEはラック背面にある電源ボックス(ラック背面のため製品名確認できず)から電力供給されているようだ。右は試聴用のスピーカー。ASWのGENIUS100。φ13ウーハーにソフトドームツイーターの2way小型バスレフ。H340/W145/D350と小型ながら、鳴りっぷりのいいスピーカーだ。ASWはドイツのメーカーで、ASWとはACCURATE SOUND WAVEの頭文字。GENIUS100もパシフィックオーディオが輸入しており、ユニオン系列各店で試聴できる。

試聴機器の説明に続いて、いよいよ福田雅光先生のご登場となる。福田先生の挨拶を要約しよう。///今回はオーディオアクセサリーの大御所アコースティックリバイブの試聴です。10製品くらい用意しています。音楽ファンは買って来たシステムをそのままで楽しみますが、オーディオファンは機器を買ってから、如何にいい音を出すかなんです。買ってつないだだけじゃー良い音しないですからね。僕はオーディオを色々やってますが、これが奥深いんですね。最近の発見では、コンセントベースやコンセントプレートなんてのもありました。伝々///

試聴その1.アコースティックコンディショナーパネルRWL2

福田先生のお話の要約///さて、まずはルームチューンパネルRWL-2ですか。皆さん、最終的に耳に届くのはスピーカーからの音じゃないんです。部屋の壁に反射して耳に届くから、ルームチューンというのはとても重要なんですね。このパネルに張ってある布材、この材質でものすごく変わってくるんです。これはシルクですか。これがポイントです。試聴するソフトの空間の響きが、如何に奇麗に出るかですね。///

このような前振りにて、まずはRWL-2を裏返した状態で試聴。試聴ソフトは福田先生が持参されたtheBというアカペラグループのCD。XUXUというアルバムの8曲目。美しい女性ボーカルだ。そつがなく奇麗に表現されている。ラックやボードも含め、きちんとセッティングされているから、それなりの音が出るのは当然だ。

さて試聴ソフトを1分弱聴き終えた後、RWL-2を表向きにする。RWL-2はラック背面に1枚、スピーカー背面に各1枚の計3枚。設置後、同じ曲を聴いてみると・・・存在感が増し、音量も少し上がったように聴こえる。声が少し前に張り出してくる。空気感がたしかによく出ている。奥行き方向の表現が増したとも言える・・・私はそう感じた。

福田先生評は///ノイズ感が減ったと思います。空間表現が良くなっていますね。こういうパネルは適当な枚数があって、ただ増やせばいいというものではないんですね。必要以上に増やしてしまうと音がやせてきます。伝々///

試聴その2.電源ボックスRTP6evolution+ 電源ケーブル POWERMAX(2.0m)

お次は、電源ボックスRTP-6evolution+電源ケーブルPOWERMAXの試聴なのだが、その前振りとして、福田先生より電源の重要性についてのお話があった。

お話の要約///電源系は“そのうちに”ではなく、まずやってほしいです。アンプの電源系にモロ影響しますから。もちろん、CDにもその他の機器にもです。どこから変わるかと言うと(屋内配線の)Fケーブルになるんですね。私は最終的に、ブレーカーをテンパールの20Aに変えましたけどね。(みじんこ注:テンパール工業20A子ブレーカーはオヤイデ電気で入手可)さらにやる人は、柱上トランスを専用にしたりとかしますけど、そこまではね。Fケーブルについてはいろいろありますが、東日京三のFケーブルが抜群です。エコシースというものですね。これは一般的な(絶縁体が)PVCじゃなく、ポリエチレン製です。音が全然違います。コンセントも重要ですね。(アコリバのコンセントCCR-DXを取り出して)このコンセントはオヤイデのやつにマイナス196度ですか、の低温処理をかけたものです。全体にではなく、この電極部分にだけかけるんですが、クライオ処理をすると金属が非常に硬くなるんです。これは普通、ナイフの処理などにおこなわれる技術です。(オーディオでは)S/Nが高くなる、濁りが少なくなるなどの効果があります。アコリバの(CCR-DX)は少々高いですが、これ1個でかなり音が変わるんですから、ぜひおすすめです。コンセントは非常に大事ですね。///

次に電源ケーブルPOWERMAXについてのご説明の要約///POWERMAXには、絶縁材にPVCは全く使ってないんですよね。メッシュチューブのアコースティックリバイブのあれですか、カーボン入りです。(みじんこ注:CSFチューブ)プラグはロジウムメッキです。混戦とボックス(電源ボックス)は背面についている足でも変わってきますからね。敏感です。例えばこれ、SYMPOSIUMのインシュレーターですが、この玉はタングステンで出来ているんです。この上に置いたらいいんですね。伝々・・・では、ノーマルの状態と、タップとケーブルを組み合わせた状態で比較します。///

試聴は、まず今繋がっている電源ボックスと電源ケーブルを聴き、それから、電源ボックスRTP-6evolution+電源ケーブルPOWERMAXに交換。試聴ソフトはクラシック奏者の神田めぐみさんが奏するジャズアルバム“MONALISA”の2曲目。楽器はトロンボーン。福田先生の持参ソフトだ。ノーマルでもシンプルな楽曲で気持ちいい。これをRTP-6evolution+POWERMAXに置き換えてみる。右上は交換している風景。交換後の試聴では、トロンボーンの厚みが増し、延び延びと広がる。全体的に落ち着きが感じられると、私は感じた。当然と言うか、変化はあった。もっとも、交換前にはどんなケーブルと電源ボックスを使っていたのか分からないのだが。

福田先生評の要約///全体的に一定に鳴るようですね。中高域の描写力、S/Nが良くなってきました。僕、よくコントラストとか言いますが、陰影感のことなんですが、そういう強弱のところ、これが出ないといけないんですが、よく表現されてます。それと一番重要なのが高域ですね。高域が伸びて、描写が良くなっているというのが分かっていただけたかと思います。で、これはメーター切り売り(3芯電源ケーブルPOWERMAX5500)も出るんですね。これ、ここ(オーディオユニオンお茶の水店)にはもう入ってますか?(アコリバ社員さん→まだです。来週です。)切り売りが出るということは良いですね。50cmのものが欲しいという時もありますから。プラグとコネクターを取り付けるだけですから。///

試聴その3.コンセントスタビライザーCS-2

お話の要約///いやー、こういうものが出てきましたね。(CS-2を手に持ち)フィルターでもないし、ここまでは僕も考えなかったですけどね。///

アンプのACアウトレットと電源ボックスRTP-6eの空きコンセントに、CS-2を1個づつ、計2個差し込む。ソフトはピアノとバイオリンの協奏曲だったが、ソフト名は忘れた。CS-2を差し込むと、差は微妙だが、音が滑らかに変化したように思う。背景ノイズが落ち着いたようにも思える。うーん、この変化を効果ありととらえるかどうか微妙だ。私なら、この変化に1万円×2個分も投資できない。

福田先生の評要約///もちろん、激変するほどのもんじゃないですが、細かい滲みやざわつきを抑え、静かになりましたね。これ自分でも作れそう。どうんですかね?(石黒社長曰く、元々はプラグを差し込んでみたら変化があったのがきっかけ。製品化にあたっては様々なノウハウを取り入れているので、同じ効果は真似できないとのこと。)これなぜ効くかというと、コンセントのもう一つが空いていると、振動するんですね。それが音に悪影響を及ぼしてくる。オーディオとはそんなことまで音に影響するんだとびっくりしますが、このコンセントスタビライザーで微振動を取り除いてやるんです。///

試聴その4. デジタルケーブル DSIX-1.0

福田先生のお話要約///最近は各社、こういう箱を付けてきてますが、DSIXは先駆けですね。ここ(箱)にはデジタルアンプが入っているんですよ。これではアナログ的にパルスの立ち上がりを改善します。5パラの高速アンプが入ってます。アイソレーショントランスも内蔵されていて、ノイズを遮断しています。これ(DCD-1650AE)はトラポとして使ってます。(みじんこ注:JOBのDIGPREが置いてあるので、これをDACとして使用しているようだ)///

まず、ノーマル状態で試聴。ノーマル状態のデジタル同軸ケーブルの品名は不明だが、遠目から見る限りでは、ケーブルは細い水色で、自作っぽい作りの安っぽいケーブルだ。ソフトはヘンリーマンシーニの何かだったと思うが。DSIXに変更後、たしかに明瞭感が増したようにも思う。ただ、雑誌などでの絶賛評価をよく目にしていただけに、もっと激変するかと期待していたのだが、変化量は微妙だ。

福田先生評の要約///ワイドレンジなソフトなのですが、非常に切れが良くなりますね。僕もCDRに録音する時なんかにもこれ使います。CDRへの録音というのは、きちっと整備すると、元のCDより音を良くするというのは可能なんです。///

試聴その5. RCAケーブルRCA1.0F(1mペア)+スピーカーケーブルSPC-F

続けてラインケーブルとスピーカーケーブルを試聴する。

福田先生お話要約///ケーブルというは普通、細い線を何本も撚り合わせて出来ていますね。だいたいφ0.18mmとかを何十本か集合させたりしているんですが、これだと不連続な構造が出来上がるんですね。これは音に悪影響が出る。アコースティックリバイブはこの撚り線の問題を単芯で排除したんです。後は端子が勝負です。ケーブルが100%じゃないです。プラグが30%くらい効いてますから。今日は私が愛用しているオーディオテクニカのロジウムメッキを装着してます。単線は表皮効果があるとか、電気の教科書に載ってますが、全然そんなことはないんです。高音もきちんと淀みなく出るんです。単線が駄目なら、Fケーブルの音がなぜ良いのかということになるんですね。それと今日は私の自作のアダプターを使ってます。これはオーディオアクセサリー誌でも紹介したものですが、簡単にバイワイヤリングできるようにしてあるんです。ウーハーのコイルは音を発すると同時に発電もしていて、これがツイーターに回り込むと悪さをするんです。これをバイワイヤリングで取り除いてやるんです。皆さんもバイワイヤリングやってみてください。試聴ソフトは現在発売中のオーディオアクセサリー誌の付録CDです。もう少しレンジが広いといいんですけど、良い曲です。///

オーディオアクセサリー誌の付録CD16曲目を使用。交換前のスピーカーケーブルは結構太めの透明シースの平行2芯タイプだ。ラインケーブルは不明。これをアコリバRCAラインケーブルRCA-1.0F+スピーカーケーブルSPC-Fに交換すると・・・刺激感が少なくなったように感じ、より滑らかになったかな。私は激変とまでは感じなかった。

福田先生評要約///大きく変わりましたね。いままで色々換えてきたところで、ネックになっていたところを一挙に交換しましたから、変化量は大きいです。RCAケーブルもプラグが30%くらい(音質に)かかってきます。このケーブル(アコリバRCA-1.0F)はロジウムプラグです。これはクライオかかってるんですか?( 石黒社長曰く、クライオしてますとのこと)///

試聴その6. ピュアシルクアブソーバー PSA-100

福田先生お話要約///これはシルクですね。これはどういったものですか。(石黒社長曰く、基本的にはスピーカーの吸音材として開発したものですが、帯電除去作用があるんです。プラグやインレットなどの周りに置くと音質向上します、とのこと。)

オーディオアクセサリー誌の付録CD1曲目を使用。使用前に試聴し、その後、石黒社長が機器背面のプラグやインレット周りにPSA-100を配置していく。どうやら巻き付けているようだ。取り付け後、試聴を再開。う!これは明確に良い方向へ変化した!音楽全体が明瞭になり、鮮度が増す。演奏者の息づかいなど細かい表情が浮き出てくる。これは今日一番の好転だと私は感じた。

福田先生評要約///効きますねー。(会場から同意の笑い声)これを知ってしまうと外せないですね。じゃ、外してもう一度聴きましょうか。///

石黒社長がPSA-100を取り除き、再度未使用状態で試聴。

福田先生評要約///平坦で音がかすれていますね。じゃ、やっぱり付けなきゃ駄目だね。これ売ったら?(福田先生の冗談まじりの質問に、石黒社長は“売ってます”と即答。そりゃそうだ。)このシルクの綿使うと曇りがとれますね。これなに、1箱幾らなの?(石黒社長より、“\4,800です”と返答)これ必要になっちゃうね。

もう一度PSA-100をもう一度使う。

福田先生評///これは面白いですね。このシルク、このまま使うだけじゃなく、なにか自分で袋に入れてもいいでしょうね。それにしてもこれ、シルクじゃないと駄目なの?綿じゃ効果ないの?(石黒社長曰く、綿は効果ないとのこと)///
みじんこも福田先生と同感だった。この変化は参加者全員が感じ取ったのではないだろうか。PSA-100は買いだ。素材として色々工夫できそうだし。

試聴その7.天然クオーツインシュレーターRIQ-5010

福田先生お話要約///あ、これ、水晶みたいじゃないですか。(福田先生の冗談まじりの質問に、石黒社長、水晶ですと即答。会場笑いに包まれる。)インシュレーターは物性の勝負ですから、オーディオ的にいかに良いものを探してこれるかですね。これ大きさは直径5cmで厚みは1cmですね。これ占いにも使えますか?(石黒社長苦笑いしながら“占いには使えません”と返答。)他に特徴は?///

福田先生はけっこう気さくでユーモアのある方なのだ。試聴も半ば過ぎ、参加者はそろそろお疲れ気味。こんな時、福田先生は笑いで会場に景気づけをされる。石黒社長曰く、水晶は石材系としては硬くないとのこと。アコリバの社員さんがもう一人出てこられて、天然水晶について説明を始める。曰く「人工水晶は、水晶の粉に石英の粉を混ぜて焼いて作るので、透明で奇麗ですが音質的には天然が上です。天然水晶は水の結晶なんです。だから水晶と言うんです。天然水晶には結晶構造があるため、これが音によく作用します。天然水晶は今日より明日、明日よりあさってと、使えば使うほど良くなっていきます。」・・・よく分ったようなわからないような説明だ。

さて、試聴は女性ボーカルもの。これも福田先生持参のCDだが、詳細は控え忘れたので不明。まずは、現在の状態で試聴。次に、RIQ-5010をDCD-1650AEのインシュレーターとオーディオボードの合間に挿み込む。右写真はRIQ-5010を挿み込んでいるところ。

実はこのRIQ-5010、私も使っている。これを使うと音楽が有機的になり、艶かしい雰囲気を醸し出すことを経験している。雑誌の評価通りに自宅でも再現された希有な例だった。さて、この試聴会ではどういう変化を感じ取れるか・・・やはり同じ変化の方向だ!いままで気づかなかったざらつき感や歪み感が解消されたよう。変化してみて初めてわかることだ。音楽全体にトロみがついてくる。好き嫌いがあるかもしれないが、大部分の人はこの変化を好ましいと感じ取ることだろう。

福田先生評要約///はい、これはどうですか。一変しましたね。ウォームというか、人間臭いというか、これだけで全然違うCDプレーヤーになっちゃいましたね。ただ、オーディオ機器の設置に関しては、インシュレーターを使う前に、やっぱりきちんとしたオーディオボードを敷くことですね。まず、オーディオボード、次にインシュレーターです。今日はJ1の高級ラック使ってます。でもやっぱり、オーディオボードは使った方がいいですね。どんなに良いラックもオーディオボードほどの効果を併せ持ってませんから。機器のセッティングで皆さんあれこれ悩むと思いますが、まずはきちんとしたオーディオボードを使われることが、もっとも早いアプローチになります。///

試聴その8.RCAショートピンSIP-8

福田先生のお話要約///(SIP-8を持ちながら)アコーステックリバイブのショートピンは単にショートさせるだけじゃなく、かなりの制振作用があるんです。僕もこれを試したときはかなり効いて驚きましたね。最近はこれ、バランス用(BSIP-2)もあるんです。基本的には入力側に挿してやります。アンプのPhono入力はノイズを拾いやすいですから、使ってなければショートピンを挿しておきましょう。このアンプ(PMA-2000AE)にははじめからショートピンが挿さってるようで、ちゃんと配慮してありますね。伝々///

まずは、SIP-8を挿さない状態で試聴。試聴ソフトは福田先生持参のソフトだが、詳細は忘れた。次いで、石黒社長がSIP-8を機器の背面RCA端子に挿しまくる。計10個挿したとのこと。他の参加者はどう思ったか知る由もないが、使用前との音質差は、正直なところ微妙だと私は思った。ざわつき感が減り、滑らかな表現になったとでも言うか。ま、こういうものだから劇的に効いたら凄いことなので、差は僅かでも仕方ない。

福田先生評の要約///これも一変しましたね。非常に分解力が上がります。使っちゃうと必要になっちゃう部類ですね。///

試聴その9.アナログレコード消磁器RL-30|||

大きな機械のため、参加者の後ろ側で現物をお披露目。したがって、写真は撮影できなかった。

福田先生お話要約///えーっと、お次はアナログ消磁器の実験です。レコードディスクの磁気成分を除去するということですが、レコード盤に磁気成分とはどういうことですか?(石黒社長曰く、レコード盤を製造する過程で材料のPVCを練る釜は鉄ですし、溝を刻み込むスタンパーはニッケルメッキで、これらの行程でレコード盤に磁性体が混ざり込む可能性があるんじゃないか、とのこと。また、このRL-30|||は大きいので、レコード盤に留まらず、プラグやケーブルなど様々なアクセサリーの消磁にも使えることのこと。)///

福田先生持参のレコードをまずは消磁せずに聴こうとしたのだが、最初にセットした盤は歪みがあり、針が安定せず、別のレコード盤に変更して試聴。曲名は忘れたが、やはりレコードの生々しさはいいなぁと感じる。もちろん、ノイズ感はCDと比べるべくもないが、一音一音が艶かしい。次にレコード盤を消磁処理。ほんの1分ほどの処理時間だ。さて、どう変化したか・・・私の感想はこうである。すっきり明瞭になり、スクラッチノイズは変わらないが、刺激的なノイズはやや減少。音が整理されたように聴こえ、粗っぽさや歪み感が減少。正直、この消磁器は高価なので、かなりのアナログマニアにしか手は出せないのではないかと思うのだが、効果は確かにあるようだ。ひょっとしたら、この消磁器、ディスク内の磁性体うんぬんではなく、盤面の静電気を除去することによる音質向上効果が強いのではないだろうかと、私は勝手に推測する。

福田先生評の要約///いやー、これは変わりましたね。(石黒社長曰く、レコード盤の磁力を無くすことで、カートリッジのコイルへの悪影響もなくなるんです、とのこと。)RL-30もマーク|||になったということで、今までのものとどう違うのですか?(石黒社長曰く、従来はLP盤と同じ大きさのコイルを内蔵していたが、今回は小さめのコイルを複数内蔵しているとのこと。)///

試聴その10. LPスタビライザー DBLP

福田先生のお話要約///最近はこのレコードプレーヤーのように、海外勢を中心にターンテーブルシートレスが多いです。半端なターンテーブルシートを敷くと良くないですね。シート無しの方が良い場合の方が多いですね。さて、このスタビライザーですが、非常にしっかりとした作りです。重さは300gくらいですか、ちょうどいいくらいですね。これはどういう工夫があるんですか?(石黒社長曰く、このスタビは複合素材で、ディスクとの接触面にも独自の彫り込みがあって、これがミソなんですとのこと)///

試聴ディスクは福田先生が持参された右上のもの。曲名は分らないが、よく耳にする曲だ。スタビライザーを載せると、使用前よりノイズ感がなくなり、極端な言い方をすればCD並みのS/N感になった。声もずいぶんと延びやかになった。確かに、効果はあるようだが、このスタビライザーはめちゃ高い。それに、スタビライザー無しの状態との比較なので、単にスタビライザーとしての効果の度合いかもしれない。厳密に言うと、他社のスタビライザーとの比較をしてみないといけない。

福田先生評要約///音のバランスが良くなりましたね。伝々///

試聴その11.マイナスイオン発生器 RIO-5+ディスク消磁機 RD-2

福田先生お話要約///アコースティックリバイブの名を広めたのがこのCD消磁器です。圧倒的に注文があり、何万台も売れたものです。できれば誰かCDお持ちの方いらっしゃましたら。///

参加者の一人がクラシックCDを差し出す。聴いた曲だが、誰の曲だったかなぁ。なお、福田先生の持参ディスクは全てこれらの機器で処理済みのようだ。だから、参加者からのディスク提供を求められたのだと思われる。さて、まずは処理前の状態で試聴。大編成のクラシックなので、ちょっとスピーカーのGENIUS100が苦しそうだ。次いで、ディスクを取り出し、RIO-5とRD-2で消磁/マイナスイオン処理を施す。それぞれ数十秒の処理時間。処理後の音質変化はというと・・・うーん、微細な変化だ。福田先生がディスク提供者に変化の度合いを尋ねられたが、提供者の方は「うーん・・・」と唸るだけで明確な返答はなされなかった。雑誌やネット上で絶賛された画期的な装置だけに、私自身もっと顕著な差が出るものかと期待したのだが、これはなんとも言えないなぁ。一つに提供ディスクが比較試聴に不向きだったとか、そういうこともありえるのだが。ディスクであれば何でも効果があってよいはずだし、ディスクによる効果の相性があるのか・・・。福田先生も、ディスク提供者から芳しい返答がなかったことと、他にもディスク提供者を募ったが、手を挙げる人がいなかったこと、それにイベントの時間がオーバーしていたこともあって、この装置に関してはコメントはほとんどなされずに、イベント終了の挨拶へと突入。

福田先生のイベント終了の挨拶要約///皆さんお疲れさまでした。今日お集まりの皆さん、非常にご熱心ですね。さて、オーディオアクセサリーはたくさんありますが、まとまって聴くという、こういう機会は滅多にありませんし、自分でやるのは本当に大変です。今回のイベントでそれぞれのアクセサリーの方向性というものは掴んでいただけたと思います。この傾向というのは自宅で使ってもそうなりますので、皆さんもぜひ実践してみてください。オーディオ装置はとかくお金がかかりますが、こういったオーディオアクセサリーを活用して、(装置ほどの)お金をかけずにこういうところをこうしたらこうなるんだというポイントを見つけていただけたかと思います。///

中略

///私はよく百円ショップや東急ハンズに行って、色々な素材を探してくるんですが、最近はこれです。( 鞄からクリップを出してこられて)オーディオアクセサリー誌にも書きましたが、こういったもの、これ分りますか、百円ショップで売っている洗濯用のクリップですが、これをこう、ケーブルに挿むんです。これは劇的に効果があります。クリップの物性自体には意味がないです。ケーブルを床に這わしておくことが良くないと分ったんです。ケーブルを浮かすということ自体に意味があるんですね。それと、ケーブルとクリップの間にフォックを挿むんです。フォックというのは凄く効くんですね。(クリップで浮かすのは)もちろんスピーカーケーブルでもいいですけど、ACケーブルがもっとも効くんですね。///

というわけで、最後に福田先生ご持参の洗濯用クリップを試聴システムの電源ケーブルとスピーカーケーブルに挿み込み、ケーブルを浮かした状態で試聴。私の感想では、S/Nが一挙に上がり、このシステムではほぼ完成形とも思われた再生音にも、まだまだ改善の余地があることに気づかされる。全域にわたり音量が上がったかのように聴こえた。たしかに効果があるようだ。理屈にも納得がいく。皮肉なことだが、今日一番のハイCPオーディオアクセサリーと言えるだろう。

ケーブルを浮かすというのは昔から一部のマニアが実践していたことでもあり、その手法はゴム系素材をかますとか、ヒモで吊るなどであった。福田先生の洗濯バサミで浮かせるというのは、お手軽さからいうとすぐにでも自宅で実践できそうだ。

ケーブルを浮かせるアクセサリーは、メーカーブランドの既製品でもいくつか存在するのだが、そのいずれもが高価であったり、挿み込む機構が面倒であったり、挿み込むケーブル外径に制限があったりする。また、1システムに対し浮かせたいケーブルは何本も存在するだろうし、ケーブルをきちんと浮かすとなると幾つも使わざるを得ない場合が想定される。そうなると、ケーブルフロートアクセサリーにかなりの出費を覚悟せねばならなくなり、手を出すには躊躇してしまう。ところが、洗濯バサミだと、10個くらいまとめ買いしてもたかが知れている。問題は見てくれが悪いということだが。金属素材や制振素材など見栄えのいい素材で、洗濯バサミと同様の機構のケーブルフロートアクセサリーを開発し、比較的手頃な価格で販売すれば、かなりのヒット商品になるのではないかと思った。

こんな感じでイベントは無事終了。左はイベント終了後の会場風景。福田先生と石黒社長に参加者から様々な質問や挨拶が繰り返されていた。私も石黒社長と少しお話しした。また、会場には、オーディオみじんこを愛読していただいている方とお会いすることもでき、有意義なイベントと相成った。福田先生と石黒社長、オーディオユニオンさんに感謝感謝である。右は参加者に配られた粗品。袋にはPSA-100少しとSIP-8が1個入っていた。

 普段からアコリバ製品を多用している私にとって、自分では確証に至れなかった効果効能を、このような機会で確認できたのは非常に有益なことだった。私は別にアコリバ製品びいきという訳ではないのだが、自宅にあるアコリバ製品を列挙してみると、RE-9/RD-1/RIQ-5010/SIP-8/BSIP-2/POWERMAX5500/CCR-DXといった感じだ。

イベントでは、福田先生とアコリバ石黒社長の笑いを交えた談話も聞いていて面白かった。効果大のもの、効果微妙なものなど、様々であったが、今回の試聴イベントで確証を得られた製品が幾つもあった。

特に印象深かったのは試聴その6.の天然無加工シルク繊維PSA-100 だった。実は昔、AVフェスタの会場で石黒社長からサンプルとして一塊もらったことがあるのだが、これは近いうちにちゃんと購入したい。一箱5,000円ほどでこの効果が得られるならハイCPだ。原価は幾らなのか気になるところだが。実はその後、ネットや東急ハンズでシルク真綿を探してみたのだが、見つからなかった。一般に売られているものではなさそうだ。真綿布団を買って、中身を取り出して使うと言う手もあるが、オーディオのために布団を買うというのは究極的オーディオ馬鹿だ。いさぎよくPSA-100を買った方が早い。

綿が機器の背面にぐちゃぐちゃと置いてあるのは見てくれが悪いので、福田先生もおっしゃっておられるように、袋か何かに入れて使いたいものだ。シルクの綿で効果があるのなら、服飾用に売っているシルクの布などにも効果がありそうだ。これは新たな研究対象となりえるな。そういえば、自作ケーブルマニアの中にはシルクを絶縁材に使われる方もいるし。

試聴その7.天然クオーツインシュレーターRIQ-5010も効果大だと改めて認識できた。自分はすでに所有しているので買う必要はないのだが、インシュレーターとしてお勧めできる製品だ。ちょっと高いけど、価格相応の満足感は得られるのではないかと思う。ただし、天然水晶の原石自体はそれほど高価なわけではない。要はブランド代なのだろう。どこか似たようなものをもっと安く作ってくれないかなぁ。一度、オーディオリプラスの石英インシュレーターと比較してみたいものだ。

最後に、会場に来れなかった人に、このレポートが参考になれば幸いです。

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