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オーディオみじんこ
「アコースティックリバイブ製品試聴会レポート」
2006.11.04公開!

開催日:2006年9月10日14時〜16時 開催場所:オーディオユニオンお茶の水店

旬の音本舗福田屋の試聴会に行ってきました!ずいぶんと遅くなりましたが、ここにレポートします。
今回のお題はアコースティックリバイブ製品の集中試聴。同社製品試聴会としては2回目となる。場所は前回と同じくオーディオユニオンお茶の水店4階。講師はオーディオ評論家の福田雅光先生。参加者はざっと数えて30名ほど。立ち見も出る盛況ぶり。ユニオンの立地条件の良さと製品への関心もさることながら、福田先生の求心力に依るところが大きいのだろう。
-試聴システム -

   SACDプレーヤー:デノン DCD-1650AE

   プリメインアンプ:アキュフェーズ E-213(デジタル入力ボードDAC-10付き)

   スピーカー:ASW GENIUS300

-試聴リスト-
()内の価格は定価。

   その1.アコースティックコンディショナーパネルRWL-2(67,200円)

   その2.電源ボックスRTP-6evolution(94,500円)+電源ケーブルPOWERMAX(52,290円)

   その3.RCAラインケーブルRCA-1.0F(41,790円/1mペア)

   その4.デジタルケーブルDISX-1.0(60,900円/1m)

   その5.バイワイヤアダプターBWA-4(2個1組9,240円)

   その6.RCAショートピンSIP-8(8個1組10,290円)
      XLRショートピンBSIP-2(2個1組8,190円)

   その7.コンセントスタビライザーCS-2(12,600円)

  その8.グラウンディングコンディショナーRGC-24(31,290円)

   その9.天然クォーツインシュレーターRIQ-5010W(4個1組50,400円)

   その10.マイナスイオン発生器RIO-5||(52,290円)+ディスク消磁器RD-3(35,700円)

試聴の開始前に、福田先生から前説があった。その中で、先生が最近関心を持っているものとして、CDディスクに帯電している静電気についてのお話があった。CDディスクには静電気が帯電していて、それが再生に悪影響を及ぼしているとの事。「静電気テスター」なるものを先生の手持ちのディスク表面に近づけると、400Vもの値を示していた。ま、私はこの時初めて、静電気の強さが電圧で表されると知ったのだが。
さて、ディスクに静電気が帯電すると、音楽再生に悪影響があるらしい。これを静電気除去装置で除去してやると、音質がアップすると言うのだ。福田先生の話を抜粋してみよう。

///いま、静電気キャンセラーというものがあります。ブラシもあるが、これは気持ち程度良くなるけれど、いまプラスイオンとマイナスイオンで除去する装置があります。静電気を取ってやると、スパッと音が奇麗になるんですね。///

ブラシは某SK-2を指しているものと思われる。静電気キャンセラーはオーブのSN-01のことと推察される。なお、静電気の悪影響と除去方法については、季刊オーディオアクセサリー誌122号の「旬の音本舗福田屋第18回」に詳記されている。アコリバ製品群とは関係のないお話だが、とても興味深いお話であった。
実は、後日、オヤイデ電気本社試聴ルームにて新型コンセントの試聴企画にお伺いした時のこと。業務用の静電気除去装置でディスク処理をしたのだが、これが処理前後でずいぶんと差があって驚いた。半導体製造現場で使われる業務用の装置らしく、見た目は扇風機のような機械。価格は7万円くらいらしいので、購入するのに躊躇いがあるが、この効果を知ると欲しいなぁと思った。メーカー名や型番は不明。聞くところによると、マイナスイオンを発生する事の出来るヘアドライヤーでも似たような効果があるとか。マイナスイオンドライヤーをネットで調べてみたところ、2万円程度で色々見つける事が出来た。これなら現実味があるな。

余談が過ぎた。さて、本題に戻ろう。まずは、アコリバ製品を一切使わない状態での試聴。ソフトは福田先生の持参品。何だったか忘れた。音は繊細で、音場感も良い。スピーカーのユニット口径が小さいからか、迫力とか瞬発力が今一歩で、低域はやや弱腰に感じる。私の試聴位置は、最後尾なので、試聴位置としては決して良くない。

【試聴その1.アコースティックコンディショナーパネルRWL-2(67,200円)
システムの背面に計3枚設置。我々リスナーから見ると、真正面に設置されたことになる。
一字一句同じじゃないかもしれないけど、福田先生のお言葉を抜粋。
///さて、今回の試聴製品は沢山ありますが、お、ルームチューニング材があるのですね。ルームチューニングについてはまだ実験途中で、やるといってもなかなか大変なんです。ま、部屋に色々詰め込んでいくと、自然と乱反射するんですけど、リスナー背面には何らかの吸音材があったほうがいいですね。いま、スピーカー背面へのセッティングが出来たようなので、効果を聴いてみましょうか。〜試聴〜 余計な響きが抑えられますね。質感が増すのが判りますね。///

みじんこ評:ボーカルが延びる。艶が乗る。生々しくなる。差は少ないとも大きいとも言える。

【試聴その2.電源ボックスRTP-6evolution(94,500円)+電源ケーブルPOWERMAX(52,290円)

CDPに使用されていたワイヤーワールドのSEPを引っこ抜き、代わりに電源ケーブルPOWERMAXを挿す。壁コンから電源ボックスまでのケーブルもPOWERMAXに変更。この部分に元々どんなケーブルを使っていたのかは分らない。電源ボックスに関しても、元々何を使っていたのかはわからないが、RTP-6eに変更。すいません、私の試聴席はかなり後ろの方だったので、交換作業風景が見えないんです。試聴ソフトはジャズ。
福田先生の言葉抜粋///ケーブルを換えて、それが自分の好みに合わないからとすぐにケーブルを取っ替え引っ替えしてもダメなんですよ。良い事をしようとすると、悪い事も知らないといけないです。ケーブルを換えて何かが悪くなったとき、それは自分のシステムの悪いところが浮き出て来たということとも捉えられるわけです。システムの欠点が出てくるというのは、とっても有意義な事なんです。電源ケーブルはいまだ謎が多いんですが、理論で説明出来ない事も沢山あるんです。けど、これは仕方ないんです。電源ケーブルで音がなぜ変わるか、わかんないことは一杯あるんです。ジャンボジェットが浮き上がるのも、冥王星が惑星だったのも仮説だったんです。電源ケーブルは50Hzしか通さないのだから、何でもいいという人もおりますが、それじゃ全然ダメですね。電源ケーブルもレンジが広くないといけません。電源ケーブルというのはどこを換えても音は変わります。けど、まずは壁コンを交換しないとダメです。3Pタイプのものですね。安くしないなら松下のWN1318があります。そして、質のいい電源タップを使ってやる。タップを介して付属ケーブルでいいですから、まずはここまでやる。ここまででキモは出来てますから。次にやるのは、機器のケーブルです。最終的には機器のケーブルが音を支配しています。タップには、CD、プリ、パワーという順で繋げていった方がいいです。〜試聴〜ASWの新しいスピーカー、なかなかやりますね。低域がぴしっと出てくるようになりましたね。///

みじんこ評:交換前に比べると、ヌケが良くなる。トランペットが軽めに出て来る。個々の楽器が浮き出てくる。特に、ドラムが良く聴こえる。少しきつめになるか。あれ?けど、POWERMAX5500って絶版になったんじゃなかったけなぁ。

【試聴その3.RCAラインケーブルRCA-1.0F(41,790円/1mペア)

試聴ソフトはリュートのワンポイント録音。///〜試聴〜これも色々な要素が出てきましたね。音質が滑らかに、ウォームな感じになり、バランスが安定してきました。深みが出てきたと言うか。///

みじんこ評:まろやかになったかな。若干弱めに、大人しくなったような。気のせいかな。

【試聴その4.デジタルケーブルDISX-1.0(60,900円/1m)

DCD-1650AEからE213間のデジタルリンクを同ケーブルに変更。元々使われていたデジタルケーブルは確認できず。試聴ソフトはバイオリン主体のオーケストラ。///さて、次はデジタルですね。DISX、これは箱が付いていて、アクティブ型なんですね。デジタル信号をブーストしています。こういうものにも色々なやり方がありますが、DISXは純パラレル方式というものです。ハイインピーダンスで受け、75Ωで出しています。〜試聴〜精度が良くなりましたね。///

みじんこ評:奥行き感が増す。バスドラが深く沈む。歪み感が少なくなった。S/Nが良くなった。

【試聴その5.バイワイヤアダプターBWA-4(2個1組9,240円)】

試聴ソフトはカインラボ扱いのカントリー風男性ボーカル。///90パーセントのスピーカーがバイワイヤリングがついていますね。これをシングルワイヤリングすると、ウーハーの起電力が悪さをします。バイワイヤリングしようとすると、実際にはお金がかかるなど、難しい事も多いんですね。バイワイヤリングやっている人いらっしゃいますか。(5〜6人が挙手)ほー、けっこういますね。さて、スピーカーの直近で、20cmでも25cmでもいい、分岐してやるとバイワイヤリングとほぼ同じ効果が得られます。アコースティックリバイブからこの夏、こういうアダプターが出ました。分岐に使うケーブルは別で用意します。これはオヤイデのですが。(オヤイデ電気P-22)バイワイヤアダプターにも色々ありますが、こういうシンプルな構造が一番いいんですね。それと、ケーブルの端末処理ですが、一般にはバナナよりYラグの方が音は良いです。〜試聴〜高域が非常に良くなりましたね。ぱーっと広がるようになりましたね。敏感な高域特性のスピーカーほど、バイワイヤリングの効果が出ますね。澄み切った音場感が出る。或いは、聴こえなかった音が出ます。えー、この箱にはスピーカー1本分しか入ってないんですか。ということはステレオだと2箱買って16,000円ほどですね。

みじんこ評:高域方向がリアルになった。かなり効いている。ここ一番の改善効果!

【試聴その6.RCAタイプショートピンSIP-8(8個1組10,290円)

同ピンをアンプに7個装着。バランス端子部にも同バランスタイプのピンを2個装着。///私は端子を抜き差しするとき、バンドー29D(スプレー式の金属洗浄剤。工務店やホームセンターで入手可。)を使って端子を洗浄してます。余計なものが何も入っていないので、後に何も残らないのがメリットです。〜試聴〜音が澄んで、濁りが無くなったような感じですね。///

みじんこ評:かなり控えめな音調になった。やや抑えつけられたような印象。好転したような悪くなったような。

【試聴その7.コンセントスタビライザーCS-2(12,600円)

試聴ソフトはマリンバを使った曲。電源ボックスRTP-6eに1個挿す。///コンセントの空き部分は振動しているんじゃないか、そこまでやらなくてもと思うけど、こういうのがあるんです。〜試聴〜音が研ぎ澄まされてくる感じですね。///

みじんこ評:福田先生と同感。透明感が増した。かなり微妙な変化だが。前回のアコリバ試聴会の時よりは、変化を捉える事が出来た。

【試聴その8.グラウンディングコンディショナーRGC-24(31,290円)

アンプのアース端子に接続。試聴ソフトは山本音響工芸の出しているバイオリンとピアノの協奏曲。
///これこそまさに仮説の世界ですが、アンプの端子に装着してやるという、全く想像しなかった装置です。グラウンディングコンディショナーを今回は、アンプのアースターミナルに装着しましょう。〜試聴〜S/N が良くなって、音色が良くなってますね。これも全く副作用がない。///

みじんこ評:んんん?差が分らなかった。

【試聴その9.天然クォーツインシュレーターRIQ-5010W(4個1組50,400円)

試聴ソフトは女性ボーカル。アンプとCDP両方に使用。計8個使用ということになる。
///インシュレーターも多種多様だけど、物性が影響していますね。自分の一番好みにあったものを使うのがいいです。これも測定機器で測定しても絶対に分らない世界です。オーディオというのはある意味、聴感分析学なんですね。では、水晶がどうなのか、やってみましょう。〜試聴〜これは非常にニュアンスの暖かい方向へ変化しました。///

みじんこ評:ボーカルの声が澄み切って、ハッキリしてくる。同時に暖かみもプラスされる。濡れる感じで、これはなかなかいい!

【試聴その10.マイナスイオン発生器RIO-5||(52,290円)+ディスク消磁器RD-3(35,700円)

参加者にディスク提供を募り、提供されたCDを2枚、両装置にて処理。1枚目は何だったか忘れたが、もう1枚は女性ボーカル。RD-3処理は20秒。RIO-5Mk2の処理時間は不明だが、たぶん数十秒程度。〜試聴〜曇りが取れましたね。倍音成分が研ぎ澄まされましたね。///

みじんこ評:1枚目は、そう言われれば曇りが取れたような気がする程度。2枚目はけっこう変化あり。声が明瞭になった。

ふ〜、そんなこんなで2時間余りの試聴会は無事終了。私的にはとても楽しい時間を過ごさせていただいた。終了後も、福田先生は参加者に囲まれての質疑応答。参加者もマニア揃いのはずで、皆さんかなりご熱心な様子だった。アコリバ社長の石黒さんも参加者から色々質問を受けられていた。ご苦労様です〜。

ずらりと並ぶアコースティックリブァイブ製品群。近年の同社製品は奇麗な紅色のパッケージを纏っている。

今回の試聴アイテムの中で、一番効果明晰だったのはBWA-4。これはいずれ自宅に導入してみたい。ちなみに、同試聴会時点では、BWA-4はまだ発売前だった。10月初旬からオーディオユニオンお茶の水店初め、オーディオ店各店に並び始めた。なお、BWA-4については、11月23日発売予定のオーディオアクセサリー誌123号のオーディオみじんこ観察日記でも少し触れているので、よろしければご覧いただきたい。

2番目は天然クォーツインシュレーターRIQ-5010Wちなみに、RIO-5010は私の愛用インシュレーターでもある。RIO-5010WとRIO-5010は単なる色違いで、効果は同じ。

では、レポート終わり。

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