オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
スピーカーケーブル

2004.6.11新規更新!

スピーカーケーブルが音質に与える影響は大である。ここをおろそかにしてオーディオは成り立たない。とはいっても、世の中には星の数ほどのスピーカーケーブルが存在する。さて、何を基準に使えば良いのか?もちろん、音質がいいに越した雑誌の評価も参考になるし、オーディオショップで実物を確認するのも重要。見た目も重要だし、価格はピンからキリまで。私は今まで様々なケーブルを使ってきたが、現在はかなり安いケーブルを使用している。長岡ファンなら共感していただけるかも知れないが、電工用のケーブルを使用中である。

長岡ファン御用達!
富士電線VCTキャブタイヤケーブル

3.5スケア \310/m 5.5スケア \450/m 購入:オヤイデ電気

長岡ファンにはお馴染みのVCT3.5sqだ。VCTは電線の構造を表わす略語であり、"PVC insulated PVC sheathed CabTyre cord"の略称である。日本語訳すると「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤコード」となる。VCTは一般にキャブタイヤケーブルとも呼ばれている。導体はタフピッチ銅線。絶縁体とジャケットは塩化ビニール(Poly Vinyl Chloride=PVC)。VCTにシールドは無いが、2芯と3芯、4芯があるが、スピーカーケーブルとしては2芯が適当。オヤイデ電気では富士電線のVCT3.5スケアとVCT5.5スケアを推奨している。富士電線VCT3.5はケーブル外寸φ11で、導体はφ0.32の45本撚り、価格は\310/m。富士電線VCT5.5はケーブル外寸φ13.5で、導体はφ0.32の70本撚り、価格は\450/m。芯線はゆるやかにツイストされ、その上から外装ジャケットが被さっている。オヤイデ電気には藤倉電線の5.5スケア4芯(\670/m)というのもあり、これは片側2芯の11スケア極太スピーカーケーブルとして利用できるかも知れない。なお、VCTは電気工事用の配線ケーブルであり、オーディオ用ではない。VCTをスピーカーケーブルや電源ケーブルとして転用し、かつオーディオマニアに広めたのは故長岡鉄男先生であった。VCTの魅力は何といってもその安さ!それに、スピーカーケーブルとしても優秀だという。長岡先生一押しというわけで、私は自作スピーカーPA-2にVCT3.5を使用している。というのも、故長岡先生設計のスピーカー「PA-2」製作記事に「3.5sqか5.5sqのキャブタイヤを直出しで使うこと」とあったので、その教え通りにしたのだ。以前、別のスピーカーにVCT5.5スケアを使用したことがあったが、5.5スケアともなると導体が太すぎてターミナルに差し込みにくく、低音がダブつく傾向があったのだ。実際に、VCT3.5スケアをPA-2に使ったところ音質的に不具合は感じなかった。なお、VCT3.5スケアはPA-2に直付けしてしまったので、他のスピーカーケーブルとの音質比較は出来ない。もっと、上質なケーブルは世の中に沢山あるのだが、ガッツのあるPA-2と同じくガッツのあるVCT3.5は相性がいいみたいだ。PA-2はいずれネットワークを別ボックスで外出しにし、スピーカーケーブルは脱着可能にする予定。その際はスピーカーケーブルグレードアップしようと思っているが、当面はVCT3.5スケアを使い続けよう。そもそも、VCT3.5はスピーカー直出しにしているので取り外せないのだ。
富士電線VCT3.5スケアの2芯。故長岡鉄男先生が自作ケーブルや自作電源ケーブルに愛用されていたことで有名。外径φ11。導体線数はφ0.32×45本撚り。3芯タイプも売られているが、スピーカーケーブルとしてなら2芯でよい。秋葉原の配線材屋を散策すると様々なメーカーのVCTを見かけるが、オヤイデ電気では品川電線のVCTを扱っている。東急ハンズ渋谷店でも売られている。 自作スピーカーPA-2の背面から垂れ下がるVCT3.5。長さは2.5m。ho私はVCT3.5スケアに銅編組シールドチューブとSFチューブを被覆。端末はテフロンテープと熱収縮チューブで処理。写真ではケーブル端末にバナナプラグが装着されているが、現在はバナナプラグを介さずに、ターミナルへ直接接続している。VCTは非常に柔らかいので、太い割には取り回しが楽。
最近、オーディオユニオンでクーナルのWP-15を中古購入。WP-15は筒状の桜材にクーナル水を浸透させた音質改善材。これが不思議と効果あり。バイオリンの弦の響きの伸びが素直で、雑味感が減少した。装着し始めて分かる効果だ。ぴったりと装着できたので、見た目も楽しい。 VCT3.5の端末。綺麗な銅色をしている。ばらけないように先端へハンダを盛っている。一見綺麗に見える導体だが、ポリマールなどで磨いてやると目に見えない酸化膜が剥がれてぴかぴかに。さらに、チタンオーディオオイルやセッテンプロなどを塗布してやると端末処理は完璧。
2004.6.27新規更新!
富士電線VCT5.5キャブタイヤケーブル使用スピーカーケーブルの製作

友人依頼のVCT5.5スケアスピーカーケーブル製作過程を上記リンクにまとめました!

話題のハイCPスピーカーケーブル
オルトフォン SPK-3100
定価:\1,000/m 実売:\800/m 販売先:大部分のオーディオ店
SPK-3100は発売当初「価格を超えたハイCPスピーカーケーブル」としてオーディオ各紙を賑わしていた。雑誌の高評価によるのだろう、オーディオ店では売り切れが続出していた。発売年はたしか2002年だったと思う。同社のスピーカーケーブルの中では最も安価。ケーブル直径はφ10。2芯シールド構造。導体はOFC銅に銀メッキ。φ0.25の24本撚りで、断面積は1スケア弱。絶縁材の材質は不明だが、触った感触では2本の芯線はゆるやかにツイストされている。芯線の周りに綿糸を充填し、金属製編組みシールドを被服し、透明な外部ジャケットで仕上げている。私はSPK-3100をスーパーツイーターへの配線に使用している。幾分すっきりまとまる感じで、どぎつさやピークはは皆無。友人依頼のトールボーイスピーカー内部配線にもSPK-3100を使用。導体が細いので、スピーカーユニットへのハンダ付けも極めてやりやすい。癖がなく、ハンダものりやすく、自作スピーカーの内部配線におすすめである。トールボーイスピーカーとアンプ間の接続にもSPK-3100を使用してみたが、非常に良いパフォーマンスを発揮してくれた。曇り感や解像度不足は感じられない。低域は適度の締まりがあって小気味良い。ケーブル自体の個性がもう少しあってもいいかなとも思うが、ハイCPケーブルであることに変わりはない。価格が安いので、好みに合わなかったとしても損害は少ない。2004年初頭にはSPK-3100の4芯バージョンであるSPK-3900(定価\1,800/m)が発売された。バイワイヤリングの高域にSPK-3100、中低域にSPK-3900を使用するとバランス的に面白いかも知れない。
千円未満のスピーカーケーブルにしてはシールドもされており、しっかり作られている。 透明なジャケットからシールドが透けて見える。導体は細め。中高域の解像度が良いと評判だ。
SPK-3100にはSFチューブを被覆している。スーパーツイーターT925に使うために、端末にはハイパス用コンデンサーをハンダ付けしている。
SPK-3100の端末。導体断面積は約1スケアと細め。芯線のシールドは私がおこなったものであり、実際には芯線ごとのシールドはない。
オーディオアクセサリー 旬の音本舗 福田屋 で話題のハイCP屋内配線用ケーブル!
品川電線VVF
入手先:オヤイデ電気 河口無線 他 価格:\100/m前後
オーディオアクセサリー誌の「オーディオ福田屋」で話題になった品川電線VVFケーブル。福田先生が品川電線のVVFを取り上げて以降、一時期VVFがブームになった。マニアの要望により、オーディオ店でも品川電線VVFを在庫するようになったほどだ。現在では、VVFブームは冷めてしまった感があるが、ネタ的には面白いので取り上げてみよう。VVFは本来、電源ケーブルのカテゴリーに入れるのが妥当であるが、スピーカーケーブルの作例を紹介したいので、このコーナーに分類した。

VVFはPVC insulated PVC sheathed cable Flat typeの略称であり、ビニル絶縁ビニルシース平型ケーブルと訳される。もともと屋内配線に使うケーブルで、導体素材はタフピッチ銅=4N純度。導体直径(導体断面積)は1.6mm(2.0スケア)、2.0mm(3スケア)、2.6mm(5.3スケア)が一般的。耐圧はいずれも600V。家庭内の屋内配線には通常、VVF1.6が使われている。VVFの導体本数は2芯と3芯があり、2芯は100V伝送に、3芯は200V伝送に用いられている。VVFはオーディオ用ではないが、一部自作マニアは昔からオーディオに転用していた。VVFは単線であり、単線には撚り線にはない良さがあるのだ。福田先生によると品川電線のVVFがオーディオ用にとても優秀らしい。導体素材、導体の引き出し方、絶縁材の微妙な違いなどが音質に作用しているのだろう。スピーカーケーブルにはVVF1.6が適しているとのこと。私はVVF2.0を大量に買込んだので、スピーカーケーブルや、電源ボックスの内部配線、インターコネクトケーブルに利用してみた。しかしながら、現用しているものはない。柔軟性に欠けるので使いにくいのだ。取り回ししづらいのは単線ケーブルの宿命である。また、VVFは見た目が明らかに安っぽい。ただ、下記作例のように被服処理をしてしまえば、さして気にはならなくなる。私自身は製作したスピーカーケーブルを自分で試聴していないので、音質的な優位性は私には分からなかった。なお、福田先生から直接聴いた話では、東日京三のEEF2.0の方が品川電線VVF2.0より音質は断然上だとおっしゃられていた。

品川電線VVF2.0。実はブレーカーからオーディオルームまでVVFで直配線しようと思い、20mもまとめ買いしてしまった。だが、配線の困難さから直配線を断念。さて、使わずじまいのVVFをどうすべきか?そこで、知人へのプレゼント用にスピーカーケーブルを作ってみる事にした。 そのまま端末処理をしてしまえば、スピーカーケーブルとして使えるのだが、それだとあまりに味気ない。せっかくプレゼントするのなら、それなりの見た目に仕上げてみよう。ついでに電磁波シールドや防振処理も施そう。というわけで、ケーブル端末近くに鉛テープを巻いてみた。
全体を片面粘着式アルミテープで被服する。アルミテープは比較的柔軟性があるので、極端に曲がりにくくなる事はない。アルミにはGHz帯の電磁波シールド効果がある。 さらに、ケーブル全体にSFチューブを被せる。SFチューブがダブつかないように、鉛を巻いた部分の両端をテフロンテープで締め上げてやる。さらに、熱収縮チューブで被服処理する。
ご覧の通りなかなか良い感じに仕上がった。写真では1本だが、同じものをもう1本作っている。長さは2.5m。実は、私自身はこのスピーカーケーブルを試聴していない。プレゼントした知人いわく「音がずいぶんはっきり元気良く出てくるようになったよ」とのこと。 これも友人にプレゼントするために作ったVVF2.0使用のスピーカーケーブル。こちらにはナイロンスリーブというメッシュチューブを被せている。このナイロンスリーブ、見た目は綺麗に仕上がっているが、実はあまり使い勝手がよくなかった。なよなよしていて、ケーブルが通しにくいのだ。
あとがき
VVFとVVR

故長岡鉄男先生はVVFやVVRを使用したラインケーブルを使っておられた。VVRはPVC insulated PVC sheathed cable Round typeの略称であり、600Vビニル絶縁ビニルシース丸型ケーブルと略される。のVVFとVVRはケーブルの断面形状に違いがある。VVFの断面は長丸型なのに対し、VVRは真円型をしているのだ。ちなみに長岡先生はVVFよりVVRの方が構造的に音が良いとおっしゃられていた。ただ、VVFは秋葉などでm\100程度で簡単に入手できるが、丸シースのVVRはまったく見掛けない。VVRはオヤイデに問い合わせても100m単位の取り寄せになるらしい。1999年頃にオーディオユニオンお茶の水店に日立電線製のVVR1.6mmと2.0mmが入荷したことがある。買い逃してしまったのだが、店員によるとたまたま入荷しただけで、もう入らないとの事。たしかにオーディオ用ではない\300/mほどのVVRケーブルを売ってもさして利益にならないだろうし。

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