オーディオみじんこ
わが愛しのオーディオアクセサリー
オーディオラック
オーディオラックの製作には既製品では得られない工夫が盛り込める。スピーカー工作も同様だが、金さえ積めば優秀な既製品が手に入る。しかし、あえて自作にこだわるのは、自作ならではの苦労と工夫と喜びが味わえるからだ。苦労も喜びとするところにオーディオ工作の醍醐味がある。
みじんこが新居に移る前から計画を練っていたのはスピーカーとオーディオラックの一新であった。山のように増えたオーディオ機器を効率良く収納する本格的なラックが必要だった。しかし、新居は2DKの賃貸マンションで、リスニングルームは矮小な5.5畳。オーディオ機器の理想的配置はオーディオ機器をできるだけ積み上げないこと。縦に積み上げ過ぎると振動に弱くなるのだ。しかし、5.5畳という狭い部屋ではオーディオ機器を縦に配置するしかない。次に、自作か既製品かという選択になるのだが、いろいろ考えた挙げ句、自作ラックを製作することにした。様々な検討を重ねた結果、長岡鉄男先生設計の単段積み上げ式ラックを採用することにした。長岡式積み上げラックは前後が独立した箱を作り、箱を積み重ねるというもの。箱の構造はロの字型をしており、前後を開口した単純なもの。上下の横板を左右の縦板で接合する。使用板は21mmシナ合板を使用。横板は1枚、縦板は2枚重ねで42mmとなっている。箱の寸法は横600mm、奥行き450mm。ここまでは長岡式ラックと全く同じ設計。高さは170mm/200mm/260mmの3パターンを用意、みじんこの使用機器が見栄えよく納まるようにした。さらには以下に列挙するアイデアを盛り込んだ。

1. 移動式ラック。ラック最下段にキャスターを搭載し、機器背面へのアクセスを容易に。
2. ラックに電源ボックスを内臓。ラック移動時に電源ボックスを引きずらないようにするため。
3. テレビもラックにしまい込む。テレビ用スピーカーもラックに同載する。
4. ラックとスピーカーの高さを120センチに揃える。
5. ラック最下段に小型機器の収納スペースを設ける。アースリンクやCD消磁器を収納する予定。
6. スピーカーとラックともに艶消し黒仕上げ。見た目の統一感を重視する。

この新オーディオラックは構想と設計に4ヵ月、製作に3ヶ月を有した。オーディオラックと自作スピーカーPA-2を同時製作したため、かなりハードな作業だった。総制作費は15万円程度。使用板材はサブロク板にして10枚ほど。製作する箱の数は10台、電源ボックス内臓のキャスター付き最下段を3台、テレビ用スピーカーが1台。製作中には様々な問題が発生。特に、板の接合ずれ、隙間や塗装ムラの修正に多大な労力を要した。これら様々な難題を克服した末に、我ながら見事なラックが完成した。まさに一生ものだ。スピーカー工作にはまっている人なら共感いただけるだろうが、オーディオ工作の苦労と工夫と喜びはとても言葉で言い尽くせないものがある。苦労の甲斐あって、このオーディオラックは月刊ステレオ03.7月号「工作人間大集合」の冒頭に掲載していただけた。

ラックの板材。シナ21ミリサブロク板で6枚分。江東区新木場の木材専門店「もくもく」にてカットしてもらった。大量の板カットは東急ハンズよりもくもくの方が安上がり。板材の値段がハンズの2/3くらいで済む。なお、ここに写っている板材以外にも、サブロク板4枚分の板カットを東急ハンズに追加注文している。
ラック前後面に位置する木口に1ミリ厚のヒノキ材を貼付ける。0.5ミリ厚シナテープの方が使いやすいのだが、入手可能なシナテープは幅30ミリまで。ラックの縦板の幅は42ミリなので、シナテープでは被いきれない。仕方なくハンズで売っている50ミリ幅のヒノキ材を使用。接着にはホットメルトを使用。アイロンの熱で融着させる。
板材を接着し積み重ねてみた。左右の高さがぴったり合った!高さは108センチある。うーん、設計図通りに組み上がった。
ラック最下段。この段には様々な仕掛けが施される。L字部分にはキャスターが取り付けられ、凹みには電源ボックスが搭載される。
ラック最下段の組立て途中。横板を接着するために木工ボンドを塗布しているところ。凹みが板で仕切られている。狭い方に電源ボックスを格納、広い方は小物の収納スペースになる。
ラック最下段をオイルステインにて塗装。さらにキャスターを取り付ける。キャスター取付位置を測り、あらかじめキリで穴を空けておく。キャスターは木ネジで固定する。
電源ボックスに使用するアルミプレート。このプレートにインレット、壁コンを固定する。プレートの大きさは400×60。カットは東急ハンズ新宿店に依頼。カット費用は材料込みで\12,000もした。くり抜き部分もハンズでやってもらったのだが、ガイド無しの手作業のため綺麗に切れていない。あとは自分でヤスリをかけながら修正した。
電源ボックス取り付けた状態。アルミプレートは厚みは5ミリもある。おかげでWN1318の取付にはかなり苦労した。作ってみて感じたが、プレートの厚みは3ミリ程度が適当。5ミリ厚だと壁コンセントのプラグ差し込み部分がプレートより低くなってしまうのだ。いずれはUL壁コンが取り付けられるようにバージョンアップしたい。
ラック最下段に取り付けられたキャスター。キャスターは東急ハンズで購入。耐過重は40kg/脚。キャスター4脚分で120kgの重さに耐えられる。キャスターの取付位置はキャスター回転半径を考慮した上で決定。しかし、キャスターを内側に取り付け過ぎたので安定性に欠ける。もう少し外側に付け直してやらねば。
完成したオーディオラック。塗装方法などは自作スピーカーPA-2を参照してほしい。ラック最下段の前面は開閉式の蓋が付いている。蓋を開けると、スーパーアースリンクやCD消磁器が収納されている。なお、ラック最下段の高さは120ミリ。床との隙間は20ミリしかない。ラックを正面から見ると床に直置きしているように見える。
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