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質問返答と書籍記事抜粋
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わが情熱のスピーカークラフト
自作スピーカー:長岡鉄男先生設計 PA-2
PA-2改 最終バージョン 全体像
2006.3.27公開
PA-2のヤフーオークション出品に先立ち、詳細な画像を掲載します。まずはPA-2の全体像。
PA-2を前面より望む。全高129cm。最上面のスーパーツイーターまで含めると全高139.5cm。大型のフロア型スピーカーである。厳密に言うと、大型ブックシェルフ+専用スピーカーベース+専用ネットワークの3段組み合わせ。ユニットやパーツ以外は全て私の自作。スピーカー部の高さ91cm、ベース高さ24cm、ネットワークの高さ14cm。光量の関係からやや白飛びしているが、実際には真っ黒だ。
PA-2全体像別画像。同スピーカーの自総重量は100kg/台。本体45kg、スピーカーベース15kg×2、ネットワーク20kg、スーパーツイーター部分5kg。
斜め上より望む。PA-2は長岡鉄男先生の設計による大型スピーカー。これを元に、みじんこが更なる改良を加え、現在の形状となっている。オリジナルのPA-2について、長岡先生がこう書き記されている。

「壮絶、圧倒的、メーカー製のシステムでは絶対に聴けないショッキングなサウンドだ。ものすごく音離れが良く、全域にわたってスピード感がある。音波は当然音速で伝わるのだが、このスピーカーの音は、超音速というよりは超光速で飛んでくる感じがある。到達時間ゼロ。アッと思った瞬間に音はリスナーを突き抜けてはるか彼方にいってしまっている。音圧の衝撃力も大変なものだ。直径1mのフライパンでガーンとひっぱたかれる。そんな感じである。なんといってもコーンの面積が大きい。1145平方cmある。40cmウーファーの面積が880cmだから、いかに大きいかわかるだろう。しかも非常に硬いコーンである。そこでガーンと1発。到達距離も大きく、浸透力も強い。(月刊ステレオ1985年6月号 長岡鉄男先生のPA-2製作試聴記事)」

この記事を読んで、私はPA-2の製作を決断した。そして、そのコメントがはったりではなかったことを身を持って知ったのである。
PA-2の要となるユニット。FOSTEXの30cmフルレンジユニットPS300とFT600。FT600をPS3002発で挿み込むユニット配列、つまり、仮想同軸構造(バーチカルツイン)となっている。
30cm口径フルレンジというのは、世にある数多くのユニットの中でも種類が少ない。貴重な存在である。しかも音がいい。幾分派手で元気のよいユニットである。大型のフルレンジらしくサブコーンを有している。高域特性の向上を図るためだ。PS300は主にコンサートホールのPAスピーカーなどに採用されている業務用スピーカーユニットである。1本あたり定価18,480円。インピーダンスは8Ω。再生周波数帯域は58Hz〜18kHz。能率は98dBにも及ぶ。連続許容入力は75W。PA-2においては2発使用なので、150Wの連続許容入力を有する事になる。PA用に十分耐えられるようコーン紙は強靭。M0は35.0g。フレームはプレスだが頑丈。ユニット重量は5.1kg。ピュアオーディオ用としても十分な性能を有している。PS300の潜在能力をを最大限引き出すよう設計されたのが、このPA-2なのである。

PS300のみでフルレンジ動作させた場合、ピュアオーディオな観点からすると高域の延びに限界を感じる。30cmフルレンジなので、当たり前だ。だから、適当なツイーターと組み合わせてやるのが良い。中域の張りや、押しの強さはPS300ならではの出色である。なお、PA-2ではPS300をウーハー動作させている。コイルを1個仲介させて、ハイカットしているのだ。

こちらはスピーカーグリルを搭載した状態。子供のいたずら対策である。本体にネジ固定しなければならない固定アダプターは使わず、両面テープにて固定している。
スピーカーグリル搭載状態を正面から。このスピーカーの完成当初、つまり2002年8月時点では、我が家に子供はいなかった。その後、子供が生まれたため、グリルを付けている。音質には不利と知りつつも。せめてもの対策にと、両面テープには振動吸収高価のある特殊テープを使用している。
スピーカーグリル搭載状態のPS300ユニット近影。グリルは簡単に外せるし、またすぐに取り付けられる。剥がし後の残らない粘着テープなので安心だ。
グリルネット。コイズミ無線で購入。1枚3,000円弱。

右は固定用の両面テープ。住友スリーエムのアクリル用両面テープというものだったと思う。ご覧の通り、透明で肉厚の両面テープである。接着力は強いが、剥がしやすい。基材が、紙製や発泡性樹脂ではないため、貼り後が残らない。この粘着テープ自体に振動吸収作用があると、テープの取り説には書いてある。東急ハンズやホームセンターなどで入手可。

FT600近影。FT600は中型ホーンユニット。鋳物成形のスロートに、専用ドライバーがネジ留め固定されている。フォステクスのカタログ上ではツイーターに分類されているが、再生帯域からするとミッドレンジ(スコーカー)として好適。
長岡氏はFT600を絶賛されていた。実際、この姿といい、奏でる音色といい、ハイCPの秀品である。ただ、2002年、残念ながら絶版となってしまった。私はヒノオーディオ店頭在庫の最後の1ペアをぎりぎりセーフで購入。絶版の理由は、スロートホーンの鋳型が摩耗したため。鋳型を再製作するのには莫大な費用がかかる。フォステクスとしては、そこまでして生産継続するのは採算に合わないと判断。絶版と相成った。残念なことだが、仕方が無い。ちなみに、FT600鋳物ホーン部分の製造はリョービがおこなっていたらしい。
PS300の近影。PS300のコーン紙は新品時、ダークグレーだった。ところが、年数とともに色が変化。赤茶色になってきた。これは日光による退色と思われる。屋内なので直射日光が当たるわけではないのだが、それでも影響はある。この写真は日中明るい時に撮影したので、赤茶けた感じがより強く現れている。日が陰ったところで見ると、以前と変わりないダークグレーに見える。
左上のPS300について、これは片側のスピーカーの上部ユニットにあたるのだが、子供が触ってしまったため、サブコーンに少しシワが出来てしまった。スピーカーに子供、これほど恐ろしい組み合わせはない。センターカバーを指で貫通されなかったのは不幸中の幸い。
スピーカーベース。みじんこオリジナル。PA-2にぴったり合うよう設計している。基材はコンクリートブロック。ブロックの内部空間にジルコンサンドをたっぷり封入。周りをサウンドシールドNKというアスファルト系防振シートで覆い、ブチルゴムを積層、最外装をシナ合板で覆っている。叩いても一切鳴きが無く、極めて強固なスピーカーベースが完成した。コンクリートブロックを素の状態で使用していた時と比べると、音質も飛躍的に向上。低域の量感、レスポンスの改善が特に著しい。ベースはスピーカー本体と同色に塗装。見た目のマッチングも良好。広大な面接触なので、安定性も抜群である。ベースの寸法はH240 D400 W105。ベースの重量は15kg弱/台。スピーカー1台に対し2台のベースを用いている。
ベースの床接地面には植毛シートを貼付け。床との振動伝達を減衰させるとともに、床面での移動をしやすくした。スピーカー本体との接地面には薄型の滑り止めシートを貼付け。スピーカー本体とベースの密着性を増している。このベース4台で、ジルコンサンド25kgバルクを全て使い切った。ジルコンサンドは強力な制振効果を有する特殊な砂。比重は3弱。この作例のように、スピーカーベースなどに用いると非常に良好な結果が得られる。
PA-2改 最終バージョンネットワークB最終状態
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