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パワーアンプ:サンスイ B-2103MOS Vintage


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ヤフーオークション出品B-2103MOSVintageの追加写真掲載ページ
ヤフーオークション出品中B-2103MOSVintage
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発売:1993年 定価:\38万 購入年:2003年 購入額:\10万 購入先:オーディオユニオン吉祥寺店

初期型MOSを用いたサンスイの名機。長岡鉄男先生の愛機だけあって、余裕の鳴りっぷりはさすが。
SANSUI B-2103MOS Vintageの背面パネル
SANSUI B-2103MOS Vintageの背面パネル。SP出力はAB2系統。入力はなんと5系統もある。
 金が無いのに無理して買ってしまった。サンスイのパワーアンプB-2103MOSVintageである。B-2103は中古市場にもめったに出ない貴重なパワーアンプなのだ。2003年初頭にプリアンプPRA-2000ZRを入手したのをきっかけとして、いつかはパワーアンプを・・・という思いがあった。そして、その想いは次第に強くなり、本格的にパワーアンプを探しはじめることとなった。

みじんこが望むパワーアンプの条件として 
 1.高音質 
 2.高さはラックに入る18センチ程度 
 3.フロントパネルはシャンパンゴールドでデザインが良し 
 4.故障時にメーカー修理が可能 
 5.定価\30万以上の機種を\10万以内で中古入手
を念頭に、様々な資料を調べ始めたのだが、なかなか条件に見合う機種が思い当たらなかった。ま、お気に入りのL570AX-900が健在なので、パワーアンプ探しに焦る必要もなかったのだ。

 2003年5月中旬、なにげなくヤフーオークションを見ていたらB-2103MOSが目にとまった。しかも珍しいシャンパンゴールドモデルである。これはいい!デザインといい、性能といい、まさしくみじんこ好みのパワーアンプだ!B-2103の黒モデルは以前、オーディオユニオン吉祥寺店と柏店で見掛けたことがあるが、シャンパンゴールドモデルの存在はこの時初めて知った。早速入札をしてみるものの、値段はうなぎ上りで入札者に15万弱で落札されてしまった。ヤフオクの法則なのだが、高額で落札された商品があると、それを見た人が続けて同機種を出品するのだ。この時も先のB-2103落札直後に他の出品者がB-2103を出品してきた。みじんこはこの出品にも入札したものの13万円弱で他の入札者に奪われてしまった。

 2003年5月下旬。さらにB-2103について調べていくうちにとんでもないことが分かった。なんと、長岡鉄男先生のサブシステムにB-2103MOSが1994〜1997年にわたり使われていたのだ。長岡ファンながら今頃気付くとは恥ずかしい次第だが、長岡先生がB-2103を使っていたとなればもう手に入れるしかない!それからというものの、行きつけの中古オーディオショップでB-2103の入荷状況を調べる日々が続いた。しかしながら、どこのオーディオショップでもB-2103の入荷はまれで、2年に1台あるかないかといったところらしい。これはもう、運に任せるしか、執念で見つけるしかない。執念で探せば欲しいものは向うからやってくる、それが運というものだ。そう信じながらオーディオショップ巡りを続けた。

 2003年6月中旬。奇跡は起きた!週に3回は訪れるオーディオユニオン吉祥寺店にB-2103入庫!願いは叶うのである。つい先日、同吉祥寺店の仲田店長にB-2103MOSのことで相談したが「もともとの販売台数が少い上に、シャンパンゴールドモデルとなるとめったにないですねー」と返答されたばかりだったのだ。ただし、納入されたばかりで、持ち込み者との買い取り交渉中とのこと。「それでもいいから商談中にして下さい」ということで、購入予約をしたのであった。それからというもの、オーディオユニオン吉祥寺店に足を運び「まだですかー?」「まだですよー!」とB-2103の買い取り交渉成立を待ちわびる日々が半月続いた。

 2003年6月下旬。ついにショップから「買い取り交渉成立」との連絡あり。ショップの販売提示価格は税込み10万円ジャスト!ヤフオクより安い!しかし、給料もカットされ、ましてや夏のボーナスもあるわけがない。そんなみじんこの金銭状況で、10万円の買い物などとんでもないことなのだ。しかし、ここは無理してでも買わねば二度とB-2103MOSと巡り合えないだろう、ということでなけなしの金を叩いてB-2103を購入。手持ちのコンポを売って10万円の穴埋めをしよう。

 2003年7月5日。幾多の試練を乗り越え、晴れて我が家にB-2103がお目見えした。早速、AX-900と交換する。全ての配線を接続の後、いつものリファレンスソフトを鳴らしてみる。「image3」収録のゴンチチ-cora-では、ギターの一音一音が明瞭に定位する。このソフトは音源を相当加工されているはずだが、それでもチチ松村とゴンザレス三上が目の前で演奏しているような錯角におちいる。思わず学生のころ行ったゴンチチのコンサートを思い出してしまった。お気に入りの女性ボーカルSOPHE B HAWKINSの「whaler」4曲目の-As I Lay Me Down-では彼女の美声がきらきらと輝く。非常に立体感のある音楽表現だ。PA-2の潜在能力の高さにも起因するが、音に余裕があるのだ。PA-2の30cmユニットPS300をB-2103が自在に操っている感じがする。これがAX-900だとPS300が暴れてしまうのである。音楽ソフトの再生の後、DVDを再生してみた。宇多田ヒカルの「traveling」は迫力満点!AX-900では刺激が強すぎ、L570ではまとまりが良すぎた感じがあるのだが、B-2103MOSは再生音の全てにおいて上なのだ。音に艶があるとはまさにこういうことだろう。さらに「スターウォーズエピソード2」の戦闘シーンを観賞する。これもあっと驚く爆発音の連続。近所迷惑にならない程度に音量を上げ下げしながら楽しんだ。というわけで、4時間ほど鳴らし込んだ後で、B-2103の天板に手を当ててみるとほどほどに熱くなっているが、許容範囲だ。というわけで、新入りB-2103は我が家で確固たる地位を築くに至った。

 このような名機を数多く生み出したサンスイだが、経営危機から新製品も途絶え、風前の灯火だ。とは言えサンスイは今春、府中から渋谷に居を移し業務はおこなっているので、修理対応も継続中。とにかくB-2103MOSとは生涯連れ添うつもりで大切に扱っていくつもりだ。もし、2103MOSの後釜を選べと言われれば、サンスイB-2302かパスラボのXシリーズかな。

B-2103背面端子RCAはWBT製の削り出し
B-2103へのラインケーブル接続状態
B-2103背面端子。RCAはWBT製の削り出し。SPターミナルは通常のもの。一見バナナプラグ対応のようだが、穴は貫通しておらず非対応。 B-2103のラインケーブル接続状態。全て自作ラインケーブルだ。端子間が広いので、HH3.5使用の自作極太ラインケーブルも余裕で差し込める。
B-2103の天板
B-2103の天板を外す
B-2103の天板。極厚ではないが、比較的しっかりしている。奥行きは45センチあり、ラックに納まるぎりぎりのサイズだ。 B-2103の天板を外す。大形トランスが中央に鎮座。これまた特大のコンデンサーが確認できる。うっすら被っていたほこりを掃除してあげた。
B-2103フロントパネルの入力セレクターと音量ボリューム。プリからの固定入力はピン1系統、バランス1系統。音量可変入力はピン2系統,バランス1系統もあるのでプリメイン的に使える。これらの装備はパワーアンプらしくないという意見もあるが、みじんこにとっては使い勝手が良い。 B-2103純正インシュレーターは非常に強固な純銅製。単売してもおかしくない出来映えだ。実はみじんこお気に入りのTAOC TITE-27Rに交換しようと思って外してみたのだが、B-2103純正取付ネジの頭が大きすぎTITE-27Rを装着できなかった。出来がいいので純正のまま使うことにした。
B-2103MOS Vintageの電源ケーブル交換
2004.01.18追加更新!

B-2103は90年代前半の製品なので、電源ケーブルが直出しなのだ。電源ケーブルの交換は今や常識だが、90年代前半はまだ重要視されていなかったのだ。よって、国産機のほとんどは電源ケーブルが直出しだった。古いコンポを扱う場合、ネックはここにある。電源ケーブルが自在に交換出来た方が楽しいに違いない。特に、パワーアンプの電源ケーブル交換は如実に音質へ影響するが故、ケーブルが交換できないのは残念なことだ。パワーアンプの電源ケーブル交換の効能は福田屋のケーブル試聴会でも充分に実感している。そういうことで、昨年末にB-2103の直出し電源ケーブルを交換してみた。オリジナルの直出しケーブルを高品質なケーブルに取り替えてやるのだ。これは、へたをするとアンプ自体を破損しかねない改造なので、慎重におこなう必要がある。幸いにも、B-2103は筐体内部でのケーブル引き回しがシンプルなので、比較的容易に交換できそうだ。作業行程は以下に示すが、ケーブル交換によるB-2103の音質改善は確かに有効だった。ケーブルにはS/ALABのHHS、プラグにはレビトン8215CATを見繕った。(プラグは後にオヤイデP-037に交換) その結果、若干ながら音のち密さが増し、B-2103の持つストレートな色彩感がより強調された。理想は、電源ケーブルを脱着自在に改造する事だが、それにはインレット固定のためにケースへの穴開け加工が必要。よって、現時点ではケースへの加工をおこなわずに済む直出しケーブルの交換のみに留めておいた。いずれは、ケーブル脱着式にしようと思っている。その方がケーブル交換の楽しみが広がるしね。

B-2103のケーブル固定に使うためのコネクタ。手前のは秋葉原ラジオストアーのパーツ屋で購入したφ11対応品。これはPRA-2000ZRの直出しケーブル交換に使用した。B-2103には右奥のNSL-11を使用。これは、大阪日本橋のパーツ屋で購入。たしか\300だったか。六角ボルトのような形状がかっこいい。 ケーブルにはS/ALABのHHSを使用。HHSはφ9mm。ケーブルがコネクタから抜け落ちないように、ブチルゴムを巻いた上から収縮チューブを掛けて、こぶを作った。ケーブルの長さは1mほど。やや短いが、みじんこのシステムではオーディオラックのすぐ後ろに電源タップを配置しているので、1mあれば充分。
B-2103のケーブル交換は、本体下面パネルを外しておこなう。下面鋼板は4mm厚の銅板。ネジ22本で取り付け。下面パネルの角は鋭利なので、取り外す際は怪我をしないように注意。 わかりにくいが、これがオリジナルの内部配線。直出しケーブルは一旦、電源サービスコンセントに接続。そこから、コールド側は基盤に、ホット側はトランスに配線されている。
オリジナルのケーブルとケーブル固定コネクタ、さらにサービスコンセントを外す。今回の改造は直出しケーブルの交換だが、いずれはケーブル脱着式にしたい。その際は、サービスコンセントの切り欠きを利用して、そこにACインレットを嵌め込んで固定すれば良い。 サービスコンセントへの配線をパスして、サービスコンセントに配線されていた内部配線に直接ハンダ付け。さらに、テフロンテープと収縮チューブで被服する。こういった改造の場合、事前にオリジナルの配線状態を写真やイラストで残しておく事。記録しておくと、配線ミスが避けられる。
ケースを空けたついでに、セレクタ−へ接点復活剤を塗布した。B-2103を入手した時点で、すでにセレクタ−にガリの症状が見られたためだ。ケーブル改造してから言うのもなんだが、他にも、RCAの固定入力にノイズが入るので、いずれは修理に出すつもり。その時には、ケーブルをオリジナルに戻しておいた方がいいだろうな。 電源ケーブル改造後のB-2103背面。ケーブル交換に際しては、ケースへの穴開けなどは全くおこなっていない。改造後の音質はストレート感が加わった感じ。HHSの性格が上乗せされたみたいだ。なお、こういった改造をした個体は、故障時の修理をメーカーで受けつけてくれない場合が多い。よって、それなりの覚悟で望みたい。
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