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オーディオ聖地巡礼記2006年12月

ここでは、みじんこの足で稼いだオーディオショップ巡礼記をお伝え。巡礼地は秋葉原を中心とした東京都内のオーディオショップ最新情報、みじんこの目に止まった新入荷のオーディオアクセサリーや珍品、名機と謳われた中古オーディオ機器の入荷状況をいち早くご紹介!みじんこがオーディオ店で見て聞いたオーディオ業界裏話も。

2006.12.09
師走の秋葉原オーディオ店その他情報

こんばんはみじんこです。だいぶ寒くなってきましたね。ボーナス時期ですが、皆さんは何か大きい買い物するのでしょうか。私は慎ましく、かつ清貧のオーディオでございます。さて、今日は秋葉原の情報その他諸々をお伝えします。

まずは、デノンの新製品試聴会。これは先週土曜日(12/2)お茶の水クリスチャンセンターで開催されたもので、オーディオユニオンお茶の水店のイベントだった。登場機種は、デノンのアンプPMA-CX3、SACDプレーヤーDCD-CX3、スピーカーSC-CX303、MCカートリッジDL-103SA

今年のインターナショナルオーディオショウで、私が一番注目したのは、アンプPMA-CX3、SACDプレーヤーDCD-CX3であった。それ以来、同機が発売されるのを心待ちにしていたのだが、今回同機の試聴会があると言うので、喜び勇んで馳せ参じたわけである。講師は石田善之先生。試聴ディスクはモーツアルト、マーラー、ボーカル、ジャズなど多岐にわたり、1時間ほどの試聴時間はあっという間に過ぎていった。

これがアンプPMA-CX3、SACDプレーヤーDCD-CX3。PMA-CX3はW300×H80×D341、5.5kg。DCD-CX3はW300×H80×D310、7kg。

この手の製品としては、かつてソニーのTA-F5000/CDP-X5000があり、特にCDP-X5000はCDトランスポーターとして非常に優秀であったため、オーディオマニアに絶大な人気を誇った。「ピュアオーディオとして通用する本格的な造りのミドルサイズコンポ」は、実にTA-F5000/CDP-X5000以来ということになる。

PMA-CX3、DCD-CX3ともに統一されたデザインで、高級感がある。うーん、なんとも素晴らしい出来のコンポだ。同機は一見、流行のスタイリッシュコンポと思われるかもしれないが、造りはしっかりしており、ピュアオーディオの単体コンポーネントとして十分に通用する造り込みがされており、オーディオマニアも納得出来る音質である。PMA-CX3、DCD-CX3ともに、126,000円。秋葉原など主要オーディオ店での店頭実売価格は96,000円になる見込み。発売は当初、11月中旬を予定していたが、メーカーの生産上の都合で、発売は12月15日前後に延期された。だから、まだ店頭に並んでいないのだが、先行予約をおこなっているお店は多い。

マニアの遡及点としては、高精度ボリューム、新開発WBT風スピーカーターミナル、自社開発デジタルアンプ、スイッチング電源、高精度ボリューム(以上PMA-CX3)。音量新開発自社メカドライブ、AL24搭載、アルミ鋳物ディスクトレイ、SACD再生、ユニバーサルではない(余計な映像回路が無い)、2トランス構成(DCD-CX3)。両機に共通したものでは、3P脱着式電源ケーブル、削り出しRCAジャック、アルミ削り出しフロントパネル、小型故の高剛性、低価格(マニア的には)、最小限の表示パネル、セッティングで音が変わる余地があること等。

マニアじゃない人向けに嬉しい点は、デザイン良好、高級感、コンパクト、チューナー内蔵、フォノイコライザー内蔵、iPod入力ポート搭載、リモコン付属、ほどほどに高いが手の届く価格(マニアじゃない人には)など。

私の感想としては、上記に加え、音が良い(倍の価格帯と渡り合える)、モノとしての質感に秀でている事。操作感も良い。ボリュームのぐらつきが無いのも偉い。同機の欠点は、インシュレーターが貧弱である事、これは、逆に言うと、ボードやインシュレーターの組み合わせ次第で、音質をさらに延ばせる余地があるということだ。これはマニア的にも楽しめる点である。それと、電源ケーブルやラインケーブルの選定も重要と推察される。私の予想では、このPMA-CX3/DCD-CX3をいじくる(改造する)ことがマニア間で流行るものと思われる。

アンプPMA-CX3、SACDプレーヤーDCD-CX3を前面から。下のフルサイズのアンプ(PMA-SA11)と見比べると、如何に小さいかが分るだろう。ちなみに、PMA-CX3/DCD-CX3はまだ店頭に並んでいないのであしからず。発売は12月15日前後になる模様。

 石田先生の解説のもと、同機の音をしっかりと耳に叩き込んだ。組み合わせたスピーカーや、セッティングの詰めの問題があったので、トータルの再生音としては、驚くほど完璧にハイエンドで素晴らしい、というところまではいかなかったが、アンプとCDプレーヤーの素性は素晴らしく、クラシックからジャズまで、高解像度、かつ繊細に表現出来ていた。音調はメリハリ調というデノンの香りを感じつつも、いままでのデノンには無いしっとりとした雰囲気の良さを醸し出していたのも事実。これは、アンプの性格によるものだろうと思われる。

今回の試聴会は、自分的には非常に興味のある製品で、世間の注目度も高いに違いないはずで、試聴会もきっと大入り満員になるかと思っていた。しかし、同試聴会に参加したのは、私を含めたった5人だった。参加者はたぶん全員、同機を買うんじゃないかな。私もサブシステムとして購入するっきゃないと心に誓ったわけである。

この機種、絶対にヒットすると思うんだけどなぁ。試聴会に参加した者の感想として、これは買い!である。オーディオマニアにはセカンドシステムとして、オーディオマニアじゃないけど良い音で音楽を楽しみたい人にも、PMA-CX3とDCD-CX3の組み合わせは、絶対にお勧めである。詳しいレポートはまた別項を設けて紹介したいと思う。

12月6日。秋葉原駅前電気街口。平日なので人通りはほどほど。駅前のサトームセンがメガネスーパーに代わっていた。駅前すぐにメガネ店とは、なんかアキバっぽくないなぁ。けど、この風景もじきに慣れるんだろうな。
サトームセンラジオ会館1階店が閉店し、代わりにホビーショップコトブキヤがオープンした。ここにあったサトームセンも客入りが悪く、やばいなぁと思っていたが、コトブキヤの客入りは上々。しかもカップルの来店者が多い。ラジオ会館の総合家電店はこれで皆無になった。
キムラ無線フォステクスのマグネシウムフルレンジユニット使用スピーカーG850が1セット残っていた。今夏、予約分で完売した同機だが、これはキムラ無線に展示されていた展示機体だ。稀少品なので、売り切れで諦めていた人は急げ!どこを探しても、もう同機は売ってないのだから。

そうそう、いまごろになってG850専用スピーカースタンドSG850が発売になった。同スタンドと合わせて購入できればなおよし。G850が完売になって間をおいて専用スタンドを発売するとは、ちょっとおまぬけな感じもするが、フォステクスさんも色々と努力しているのですよ。そういや、G850と先のPMA-CX3/DCD-CX3を組み合わせるのも、なかなかオツかも。

右は栃木県のガレージメーカーが製作する陶器スピーカー。ユニットはTBのものを使用。音は聴いていないので分らん。陶器製のエンクロージュアには色々なメリットがあるそうな。

テレオンサウンド110の3階。カルダスのGOLDEN REFERENCEの色が変わったのかと思いきや、よく見ると新製品のGOLDEN PRESENCEだった。音はゴールデンリファレンスとは異なり、下位のCROSS(奥の緑色のケーブル)に近いマイルド基調らしい。

右はフォステクスのWAGC302中古。1mペア。おそらく中古市場に初出と思われる。
WAGC302は知る人ぞ知る長重量級RCAケーブルで、3種あるWAGCシリーズ中最高峰のケーブルだ。受注生産品なので、店頭で見かける事はまず無い。同ケーブルは私の知る限り史上最重量級のケーブルで、とにかく重い。たぶん5kgはあるんじゃないかな。重さの理由はタングステンシートの採用。フォステクスから制振目的で発売されているタングステンシートだが、これを2.6φの銅/銀合金単線に被覆し、徹底した制振対策を施している。あまりに重いので、機器への接続には、支えが必須。普通のケーブルよろしく接続すると、機器の端子が壊れる事間違いなし。定価42万が中古198,000円税込みなので、お買い得と言えばお買い得だが、高額ケーブルである事には変わりない。ケーブルが硬くて重いので、使いこなしには覚悟が必要。超マニア向き。同ケーブルの詳細は、各種オーディオ雑誌の既刊号、並びにフォステクスのサイトでご確認いただきたい。

MITのデジタルケーブル。店頭システムでのエージングが済み、ショーウインドウに飾られている。もちろん、試聴を希望すれば、店頭での即時試聴、もしくは試聴貸し出しにも対応してくれる。

左はSG-Digital(ショットガンデジタル定価77,700円、実売68,500円)、右はORACLE-Digital(オラクルデジタル定価168,000円、実売148,200円)。写真には写ってないが、MG-Digital(マグナムデジタル定価116,550円、実売102,800円)も展示されている。ORACLE-Digitalには、表立っては謳っていないが、ステレオボックス製のシャドウプラグが採用されている。SG-DigitalとMG-Digitalには、ZAOLLA製(ザオラ)と思しきプラグが採用されている。PSE問題で電源ケーブルの輸入が途絶え、日本での勢力が衰えたMITだが、ぜひともがんばって欲しいものだ。

一時期はMITの電源ケーブルはPSEを取得して、国内市場に復活するとうわさされていたのだが、数年経った今でも輸入は再開されていない。やっぱり電源ケーブルのPSE認証は諦めたのかなぁ。あのブラックボックスが問題なら、いっその事、特定電気用品<PSE>ではなく、家電製品に与えられる丸PSEを取得したら良いんじゃないかなとも思う。丸PSEは自主的に申告するだけなので、<PSE>みたいにお金が余計にかかることもないんだがなぁ。この方法でうまくやっているものに、CSEの電源ボックスがある。

コイズミ無線本店。コイズミオリジナル(たぶん)の真空管アンプ。型番はKAX-EL34。1台のみ処分特価68,800円。右はカインラボのA-55T。定価126,000円で、実売特価96,000円だったが、最近さらに歳末特価として86,800円に値下げ。KT88が4本。
長谷弘工業の特殊塗料SSC。右はスピーカーボックスに塗布するタイプ。木質を硬化して音質向上を図る。左はユニットのコーン紙に塗布するタイプ。コーン紙を硬くして、音質向上を図る。アルコール系の塗料で、色は透明、極微細なガラス質の成分が含まれている。昨年登場した塗料なので、目新しくはないが、ユニット用SSCは私の次期スピーカーのユニットに塗布してみたいと思っている。しかしこの塗料、高いっす。

似たような木質硬化剤には色々あるが、例えば木肌マモールというものが挙げられる。これはずいぶんと安い。オーディオ用ではなく、木の食器などに用いられる腐食防止材だが、木質を硬化させるという作用は同じ。オーディオ用に効果があるのか、いつか検証してみたいとは思っている。木肌マモールは新木場のもくもくに売っている。東急ハンズでは見かけた事が無い。

フォステクスのスーパーツイーターT90A-EX中古、もしくは展示処分。私が来店した時点では値札が付いていなかった。気になる人は電話で確認してみるべし。これも、今年初頭に予約完売した限定ツイーターで、入手は困難。

コイズミ無線にはこのような穴空き済み板材も売られている。様々な口径のものが売られている。地方のオーディオマニアが自作スピーカーを製作するとき、板材のカットをホームセンターに依頼する場合もあるだろう。ただ、ホームセンターなどでは直線カットのみで、穴開け加工まで対応してくれるホームセンターは少ない。丸穴開けが自作スピーカーにおけるネックだと思うが、フロントだけこの板を使えば、穴開けの問題は解消される。
若松通商秋葉原駅前店。ラジオ会館の4階にある。ASCのフィルムコンデンサの陳列風景。自作スピーカーマニアに人気の高音質コンデンサだ。手前にはサンヨーのOSコンデンサが陳列されている。サンヨーのOSコンは自作アンプ製作マニアに人気。既製品のオーディオ機器の改造(基盤上のコンデンサの交換による高音質化)にもよく用いられている。

かわいらしいヘッドホンアンプが入荷。EdifierのE-10という製品で、ご覧の通り真空管が使われている。

テレオン第一店。DENONの新型アンプPMA-CX3/新型SACDプレーヤーDCD-CX3の案内ポスター。同店に限った事ではないが、同機の購入予約を募る店が多い。それなりに注目度が高い製品なのだろう。発売後、しばらくは品薄状態が続くと思われるので、確実且つ早めに欲しい人は予約すべし。オーディオ店によっては、予約購入者に御影石やキンバーのRCAケーブルをプレゼントするというところもある。

所代わって、右は東急ハンズ渋谷店。電気照明部品フロアで売られいてる各種コンセントプレート。オーディオ用として売っているわけではないが、JIS規格コンセント用プレート(長方形の穴が開いたもの)はオーディオ用にも応用出来る。

左はJIS規格コンセント用の2連型コンセントプレート。極厚真鍮に奇麗なメッキが施されている。かなり重くて、制振効果がありそうだし、見栄えも良い。値段は1,627円。この他、真鍮製JIS2連、3連プレートなどもある。右はUL規格コンセントプレート。東急ハンズ渋谷店にコンセントプレートは数あれど、UL規格対応品はこれのみ。値段不明。スチール製と思われる。特に高品質なものではない。
東急ハンズ渋谷店の素材フロアの金属素材コーナー。アルミと銅、真鍮の価格改定のお知らせを記した札が張られていた。材料価格の高騰によって販売価格を大幅に値上げしましたという告知だ。パッと見た限りでは5割ほど値上げされているようだった。最近、金属価格の高騰がすさまじい。これは世界的な規模で起こっているのだが、特に銅の値段が急騰している。困ったものだ。ニュースで話題になっている道路の側溝やマンホールの窃盗事件も、金属価格の高騰が誘因となっている。
ORPHEANのスピーカーWB-28A。東急ハンズ渋谷店が取扱の第一店舗目だったと思う。このメーカー、このアクティブスピーカー(アンプ内蔵スピ ーカー)をもってオーディオ業界に初進出してきた。今年のAVフェスタにも初参加していた。写真の角度が悪いので、よく分りにくいが、アルミ筐体の頑丈なスピーカーボックスで、造りは頑丈。音もけっこう良いが、オーディオマニアじゃない人にとっては、この価格はやや高額なのでは。江川三郎先生あたりがこのスピーカーを取り上げれば、オーディオマニアへの認知度も上がるだろう。

では、今日はこれまで。

2006.12.02
師走の秋葉原オーディオ店

こんにちはみじんこです。あっという間に、もう師走ですね。みなさん、オーディオ三昧してますか。私はぼちぼちです。さて、今日は秋葉原オーディオ店情報をお伝えします。師走と題してますが、今日紹介するのは10月末から11月中旬に掛けての情報です。

11月12日(日)の秋葉原電気街口。ぼちぼちの賑わい。
 コイズミ無線本店。フォステクスのT90A-EXが1ペアだけあった。たしか、キャンセル品だったか、少量の追加生産分だったか。とにかくも、これを逃すと入手は難しい代物だ。私も1ペア持っているが、それの真価が発揮されるのは、新しいスピーカーが出来てからだ。

 右はコイズミ無線オリジナルのタンデムスピーカーARDD10K Mk2。ユニットはTB製の8cmフルレンジ。外からは見えないが、13cmユニットがボックス内部に1個備えられていて、外部に取り付けられたユニットの背圧を相殺する仕組みだ。それにより、小型ながら優れた再生ができるというもの。このARDD10K Mk2には前身があり、昔はフォステクスのフルレンジユニットをタンデム搭載したものだったと記憶している。間違ってたらごめんね。

で、前記のスピーカーを使って、抵抗の音質比較実験をやらせてもらいました。抵抗による音の差ってどうなんですかね?って小泉常務に質問すると、じゃあ今やってみましょうかと言う事で、商品棚に並んでいる抵抗をスピーカー背面のターミナルに挿し込んで、試聴させてくれたのだ。試聴したのは、一般的なスピーカー用セメント抵抗10W(白いやつ、126円)、ムンドルフのセラミック抵抗10W(右の緑色のやつ、価格忘れた)、トリテックのシリコンセラミック抵抗10W(左の緑色のやつ、892円)の3種類。これらをターミナルの+側にまとめて挿し込んで、スピーカーケーブル端末のクリップを順次咬ませていくのだ。これなら一瞬で、音質の比較試聴が出来る。

これがまぁ、驚くほどに音が違うのだ。セメント抵抗はがさついて、シャリシャリした音。安いけど、これはやはり価格相応。ムンドルフは前述のセメント抵抗よりかなりレベルが上がって、音像がしっかりした。ただ、歪み感があるように感じた。私の耳にはそう聴こえた。トリテックはピシッとくっきりした音。かつ、繊細で、情報量もしっかりと出て来る。3種の中では、トリテックがダントツだった。

もし、貴方がお使いの市販スピーカーのネットワーク回路にセメント抵抗が使われていたら、それをトリテックの抵抗に交換してやると、音質向上したりしそうだな。市販スピーカーをばらして、ネットワークを改造するのは、それ相応の技量と知識が必要なので、お勧めはしないが、こんなに抵抗で音が違うなら、そういう改造も有効だなと思った。

この実験では、抵抗をスピーカー配線に直列に咬ませた。抵抗を何に使うの?という人のために、簡単に説明しよう。(あくまでスピーカーネットワークにおける抵抗の話だが。)抵抗が入るとどうなるかというと、音量が下がるのだ。2ウェイ構成以上のスピーカーの場合、ツイーターの方がウーハーより音量レベル(デシベル 単位:dB)が高いことが多く、そのままスピーカーとして仕立てたら、高域が強調されたバランスの悪い音になる。そこで、再生音のバランスを整えるために、ツイーターの音圧レベルをウーハーの音圧レベルまで落としてやる必要があるのだ。その音圧を下げる部品が抵抗である。フルレンジユニットを用いたスピーカーには抵抗を付ける必要はないが、一般的な2ウェイ以上のスピーカーには、通常、ツイーターのレベル調整のために抵抗が使われている。

抵抗には、固定抵抗可変抵抗の2種類がある。固定抵抗は前述したような抵抗そのものであり、可変抵抗とは、俗に「アッテネーター」と言われるもので、抵抗の利き方のレベルがツマミで調整できるタイプのものだ。JBLの4343/4344/4348などのフロントパネルに付いていたりするツマミがそれである。

一般的に、音は固定抵抗の方が良いと言われている。ただし、使い勝手は可変抵抗の方が上だ。固定抵抗の場合、単純にある一定量に音量を下げるだけで、音量を微調整することができない。やるには、固定抵抗を外して、別の値の固定抵抗に組み替えてやる必要がある。可変抵抗の場合、音量を自由に絞り込む事が出来る。

抵抗の話でずいぶんと長くなってしまった。抵抗の比較ついでに、コンデンサの試聴もさせてもらった。小泉常務お勧めの、安くて個性的な音のコンデンサ、ムンドルフのMKTである。右上がその実験風景で、抵抗のときと同様にスピーカーターミナルにコンデンサを咬ましての試聴である。

比較したのは、ソーレン(SOLEN)コンデンサ。昔から流通している良質でオーソドックスなコンデンサだ。たしか、B&Wも昔はソーレンのコンデンサを使っていたと記憶している。今はムンドルフを使っているはずだが。

さて、両者を比較してみると、ソーレンは穏やかで、癖の無い音調だった。かたや、ムンドルフのMKTは元気一杯!派手で、エッジが立つ音調だった。悪く言えば、ドンシャリのシャリシャリ感が際立つ音調だが、安っぽい感じではなく、艶やかな表現もきちんとこなす。これは、スピーカーに活を入れたいときなんかに、ネットワークに組み込んでやるとよさそうなコンデンサだ。小泉常務も、大人しめのユニットを元気つけたいときに使うのがよさそうですね、とおっしゃられていた。予算を抑えたいが、質にはこだわりたく、かつ、メリハリの利いた音が好きな人には、このコンデンサお勧めかも。私が今まで聴いたコンデンサの中では、フォステクスのCPシリーズが、今回聴いたムンドルフのMKTとよく似たような音質傾向を有している。
六本木工学研究所の直営店 麻布オーディオ。秋葉原にあるのに、なぜ麻布なのだろう。
それはさておき、ここは台湾のTB(TangBand:タンバン)を始めとしたスピーカーユニットを輸入している六本木工学研究所の直営店だ。久々にお伺いした。
これはTBの5cmフルレンジユニットを用いた小型スピーカー。5.5mm厚のシナ合板を使用している。手のひらサイズで、ニアフィールドリスニングに最適と思われる。これ、ユニットが1個2580円なので、板材とターミナル合わせても、ペアで1万くらいで製作出来そう。んでもって、これがなかなかフレッシュな音を聴かせてくれるんです。後ろにあるのは、ユニットが同じで、箱をMDF合板にしたもの。大きさも前列のシナ合板タイプより若干大きい。けど、どちらも手のひらサイズ。このユニット、型番はW2-800SJと言う。同店やキムラ無線やコイズミ無線でも売っている。TBの5cmユニットは、同型番をはじめとして、4種類が輸入されているが、私がかつてキムラ無線で試聴した限りでは、このW2-800SJが一番、解像度と質感が高かった。振動板は強化アルミコーンの逆ドーム型。高域の延びが心地よいので、これをツイーターとして応用している人も、どこかで見かけた事がある。
先の5cmスピーカーの製作例は、左上のスピーカー工作本つくって鳴らすDIYスピーカー に掲載されている。この書籍は半年ほど前に刊行されている。で、この書籍で製作された作例そのものが、前記のスピーカーなのである。右写真は、前記の手のひらスピーカーの試聴風景。聴いているのは、私の友人だ。友人も、この音を聴いて、自分で作ってみたくなったそうだ。
このスピーカーも前記の書籍の作例。このスピーカーの板材、なんと、ホームセンターなどで売られている安いツーバイフォー材とのこと。このトールボーイスピーカー、とても軽い。音はほどほど。使われているユニットはTBのW3-993SC(2,580円)という8cmフルレンジユニットだ。このユニットは、TBブランドが国内輸入され始めた初期の頃からの定番ユニットだ。
こちらも書籍に掲載されていた作例。これに使用されているユニットはDavisというフランスのユニットメーカーの13MRPA(7,800円/個使っている)という13cmフルレンジユニット。音はやや解像度不足か。中域が膨らみ過ぎる。これより、先の手のひらスピーカーの方が、好みだったりする。ま、これらの作例は、しばらくの間、同店に置いてあるようなので、聴きたい人は同店に行ってください。
これはソーレン(SOLEN)の空芯コイル。この度、輸入中止が決まった。在庫処分セール中。値段はそれなりにお得。今度入手出来なくなるので、希少価値があるかもしれない。プチプチに包まれているので、中身が見えづらいが、このコイル、とても奇麗な赤色をしているのだ。赤色をしているのは、コイルの銅線を被覆している絶縁膜が赤色だから。音は知らんが、ソーレンの製品だから、けっこうまろやかなのかな。これで、私の要望する値のものがあれば、速攻で買っていたのだがな。大きな写真を掲載しているので、この写真でもある程度の値段は分るだろう。気になる人は直接問い合わせてくり。
ついでに、同店で売られている他のコイル。左上はJANTZENの銅箔コイル。値段は普通。この銅箔コイル、正確な金額は記憶していないが、サウンドアティックスの輸入しているDIYAUDIOの銅箔コイルと値段的に拮抗する。ま、値段は同店のサイトに載っているかもしれん。

右上はムンドルフの空芯コイル。ややオレンジがかった絶縁材が使われている。なお、同店では今後ムンドルフの取扱を止めるそうだ。DYNAUDIOJAPANがムンドルフの正規輸入商社になり、また、その関係先としてムンドルフ専門扱い業者ディーフォースが去年設立されている。そのことが影響しているのか。ま、六本木は取扱品目が多いので、ムンドルフの取扱を止めても、売り上げにあまり影響無いんじゃないかな。

オヤイデ電気。屋内配線用電源ケーブルEE/F-Sだ。製造はPCOCCの老舗である古河電工が請け負っている。構造は3芯構造で、銅箔シールドを有している。ケーブル導体にはφ2.6という極太銅線を使用している。しかも、この導体は単線構造で、素材はPCOCC-Aという高音質銅。Aはたしか「アドバンス」を意味する。ケーブル外径は15mmくらいあったと思う。けっこう太い。オーディオアクセサリー誌に同ケーブルの絶賛記事が掲載されているので、探してみてね。11月の巡礼記にも、同ケーブルについて少し触れている通り、私もこのケーブルをACケーブルとして使っている。私はEE/F-S使用ACケーブルを勝手に「禁断の電源ケーブル」と名付けている。この愛称には、法律上はコネクターとプラグを装着した状態での使用が禁止されていること、または、EE/F-Sが再生音に及ぼす影響が圧倒的であるという、2つの意味合いが込められている。
左写真はEE/F-Sの内部構造。EE/F-Sはとても硬いケーブルだが、意外と使い易い。というのも、このケーブル、単線であるが故に、いわば針金の要領で曲げれば良いのだ。曲げた後の戻りも少なく、曲げた形状を維持し易い。ま、表向きは屋内配線(ブレーカーから壁コンセントまでの配線の事)専用。

こちら、オヤイデ電気で売られいてるFLチューブFL-9。ブルー、パープルは従来から同店で扱っていたが、この度、半透明のチューブの取扱がはじまった。半透明は製品としては昔から存在していたのだが、この度オヤイデででも扱い始めたと言う事だ。FLチューブは、デンカエレクトロンの製造するプリエステルメッシュチューブの商品名。したがって、このオヤイデオリジナルFLチューブも製造元はデンカエレクトロンだ。デンカの本社は秋葉原から徒歩20分くらいのところにある。

こちはは電源ケーブルPA-22の特価販売案内。店頭にどっさり置かれていた。撮影時から半月以上経過しているので、まだあるかどうかは知らん。札に記載の通り、外装に偏肉箇所や汚れがある。なお、札には「変肉」と書いてあるが、これは「偏った肉」つまり「偏肉」と書くのが正しいと思われる。

偏肉は、外装シースが、ケーブルの中心軸に対して均等に被覆されている状態ではなく、外装シースが偏っている状態を示す。使用上、音質上、特に差し支えは無い。偏肉は製造上の失敗だ。

右上は、オヤイデ電気の秋の新製品。楽器用の信号ケーブルで、型番はPA-01という。ご覧の通り、1芯シールドの構造を有しており、ケーブルの中心軸に位置する導体がホット(+)であり、ケーブル中心軸に対してリング状に配置されている導体が、コールド(ー)である。このケーブル構造の場合、コールドがシールドの機能を兼ねている。

左上はノイトリックの新型PHONEプラグNP2C-AU-SILENT。赤い色をしたケースが特徴だ。右上はノイトリックの新型キャノンプラグNC3MXXNC3FXX。これも最近出た製品だと思う。従来のノイトリックのものに比べて、外見上は、ケースのデザインが変更になっている。内容的な改良があるのかは知らん。

今日はこれまで。さて、今日はこれからお茶の水に出かけてきます。デノン大注目の新製品PMA-CX3/DCD-CX3の試聴会に参加するのだ。これ、今年のインターナショナルオーディオショウで見かけて以降、凄く気になっているのだ。スリムコンポながら、なかなか良さそうですよ。

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