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オーディオみじんこ
オーディオ聖地巡礼記2008年1月

ここでは、みじんこの足で稼いだオーディオショップ巡礼記をお伝え。巡礼地は秋葉原を中心とした東京都内のオーディオショップ最新情報、みじんこの目に止まった新入荷のオーディオアクセサリーや珍品、名機と謳われた中古オーディオ機器の入荷状況をいち早くご紹介!みじんこがオーディオ店で見て聞いたオーディオ業界裏話も。

2008.1.22

フォステクスFE138ES-Rレッツクラフトクリエイティブセミナー速報(取り急ぎ写真のみ。)

1/19秋葉原損保会館に行ってきました!聴いてきましたよ!
FE138ES-R搭載スピーカー3種一挙登場だ!

ご覧の通り、FE138ES-R搭載の3機種。エンクロージュア形状はおなじみ。スワン型のバックロードスピーカーが「ターキー」、ネッシー型共鳴管スピーカーが「ネッシーミッド」、D-55をサイズダウンしたというバックロードスピーカーが「名前はまだない」。ま、これら3機種を2時間弱じっくり聴いたわけです。ターキーは現在発売中のオーディオベーシックに、ネッシーミッドは現在発売中の季刊アナログに、名前はまだないバックロードは現在発売中の月刊ステレオの「音の館」コーナーにそれぞれ板取図、制作記事、試聴感想などが掲載されている。限定1500本(限定1400本との話も)ユニットなので、欲しい人は急げ!2本ペアで8万円ほどだが、これは買って損はないユニットかと。今後の同社限定ユニットの計画において、ロクハンの予定はないらしく、予定されているのは、13cmより小さいものらしく、近々にFE208ES-Rの再販はされるそうだが、アルニコの原料となるコバルトの価格高騰で、再販価格は昔より高くなるらしいし。思うに、13cmというサイズ、これ6畳から10畳ほどの部屋にはうってつけの大きさかと。

代表的な3タイプの設計も行われているし、今月末にはフォステクスがこれら3機種のカットサービスをホームページ上でアナウンスするらしい(たぶん18mm厚シナアピトン合板使用)ので、ユニットをまず押さえて、それからじっくりどれを作るか考えて、カットサービスが開始されたら、欲しいタイプの板材を注文するのがよかろうと。なお同社のカットサービスとは、カット済み板材一式を販売するもので、組み立ては自分でおこなうもの。一般に、バックロードおよび共鳴管は、ブックシェルフより工作の難易度が高い。つまり、高精度に組み立てる必要がある、またはパーツ点数が多くて、組み立てが難しい。しかし、何事も経験だ。躊躇している人は、この際、やってみるべし。これらのスピーカー、この長大な試聴会場でも、朗々と鳴り響いてました。これを自宅で鳴らすと、うーん、きっと部屋の中は音の洪水かと。たった13cmの、しかもフルレンジ1発で、これだけ鳴るのは、やはり強力なプレミアユニットと、その長所を最大限引き出すエンクロージュア設計の妙かと。これはねぇ、メーカー完成品ではなかなか得られませんなぁ。

この試聴会はそれほど大々的に告知されていたわけではないのだが、ご覧の通りたくさんの人が来場。この写真は始まる数分前で、最終的にはもっとたくさんの人が来てました。なお、この会場は、2重窓になっていて、外界の音はほぼ聞こえない。とても静かな会場だった。試聴会の最中、聴こえてきたのは、音楽と、いびき(誰だー寝てるのは!)。

取り急ぎ写真のみのつもりがなんだか長々と書いてしまいました。なので、ついでに、というか、本題の試聴の感想をちょっとだけ。試聴ソフトは、女性ボーカル、ジャズが中心。

写真左のターキーは音場型バックロードだけあって、空間描写が見事。スワンのスケールアップした鳴りっぷりのよさ、そしてふわりと会場を包み込む広がり感が印象的だった。なお、この試聴では、スワンのポケット(上部天板に設けられている重し入れの穴)には何も入れられていない。この穴に砂などを詰めてやると、かなりの音質向上が見込めるとの事。ターキーの板取図は、FE138ES-Rの説明書に、推奨エンクロージュアとして添付されているそうだ。

名前はまだないバックロード(写真中央)は、ご覧の通り純然たるバックロードスピーカーだ。こおういう形状、懐かしいですな。いやいや、FE138ES-Rが発売されると知ったとき、D37とD118の間に位置するバックロードスピーカーの設計はだれがやるんだ!?と思ったのだが、フォステクスの佐藤さんがやってくれました。D-55の縮小版のようだ。見た目一番小さいが、奥行きはなんと49センチもある!うーん、45cmに縮めてほしかった。45cmなら我が家のシステムにもちょうどいいのだが。おっと、我が家のスピーカー完成したところなのに、もう浮気かよ。うーん、この試聴会でこれらのスピーカーに浮気したくなってしまっている自分。さてさて、このバックロードスピーカーは、3機種の中では一番低音の出がよい。このスピーカー、3種の中では最も背が低いこともあるし、私の前には大量の障壁(私より前に座っている数十人の人々)があるわけで、私の耳にはかなり減衰した音が届いているはずだが、それでも地を這うような、つまり重心の低い、13cmとは思えない再生能力に驚いた。しかもこの低音はスピード感がある。これも長岡式バックロードの血統たる証。

真打ちは、右のネッシーミッド。ま、真打ちとはいっても、ネッシーミッドは3機種の中で2番目に聴いたんですけどね。さて、結論から先に言うと、今回の3機種中、個人的にはネッシーミッドが一番かな。形状そのまま、音場が縦に伸びる。ホールで聴いている感じ。低音はあまり出ないのはネッシーファミリーに共通。スペースファクターも3機種中一番良い。つまり、設置面積が小さい。また、この機種も含め、ネッシー系は壁に密接して使う方が音的によいという、他のスピーカーと設置の方法が異なるのも面白い。

私はネッシーとネーミングされている一連のスピーカーは試聴会で何度か聴いただけで、自分では作ってない。ただ、ビッグカノンというネッシーの原型の派生型スピーカーを愛用していたこともあって、こういう俗に「青天井の音」と言われる開放感あふれる共鳴管の音はけっこう好きなのだ。今回、フォステクスの佐藤さんも、「青天井」という表現をされていたが、ネッシーミッドはまさしくその通りの音だった。佐藤さんも、会場の外で、ネッシーミッドが個人的には一番いいとおっしゃておられた。また、ネッシーミッドにはサブウーハーを追加するのもいいとのこと。これもネッシーシリーズ共通の事。

なんだか、結局、試聴の感想を長々と書いてしまった。ま、詳しくは、文言を整理して、今度発売になるオーディオアクセサリー誌(2/21発売)に載せるとしよう。しかし、8万かぁ。最近プリアンプを新調して、お金がすっとんでしまったので、悩むところ。悩んでいるうちに、ユニットはどんどん売れてしまうし。こうなったら、秘蔵のユニットを売っぱらって資金調達するか・・・。いや、FE138ES-Rを購入したら、エンクロージュア作りたくなるし、そうなると今のスピーカーは・・・!?

2008.1.6
あけましておめでとうございます!

久しぶりの更新です。皆さんお元気でございますか。私は仕事が怒濤の忙しさで、すっかりサイト更新が滞っておりました。昨年秋頃から年明けにかけていただいたメールの多くに、まだ返信できずにおります。この場を借りてお詫びいたします。

さて、昨日久々に秋葉原巡礼してきました。いやー、しばらく秋葉原に来ないうちに、駅前にヤマダ電機は出来てるわ、オーディオ店にはいろんな新製品が入荷しているやら。

さて、今日は時間がないので、緊急を要する話題のみお伝えします。上写真はフォステクスの限定発売ユニットFE138ES-Rです。昨年12/27日に第一期の入荷がありました。入荷店は、秋葉原で、キムラ無線ヒノオーディオコイズミ無線となっています(他にもあったらすいません)。今回このユニットは限定1500個。限定ユニットにしては数量が多いです。これは、前回のFE208ES-Rがあまりに数量が少なく、注文時に混乱を来したことによる反省から、そして13cmユニットのフレームの量産コストの面から1500個という多めの生産を行うようです(あくまでうわさ)。で、上記各店、まだ注文受付できるみたいです。1本39,900円というのは、高いと言えば高いけど、この造りで、現在のほぼ最高技術を集積したユニットが入手できるなら、妥当な価格なのかも。それにマグネットがアルニコなんで、このくらいの価格になるのはある意味仕方ないのかと。

さて、肝心の音質です。上写真のように、コイズミ無線本店(秋葉原駅電気街口からすぐ、ラジオ会館隣りのミツウロコビル5階。)には、このユニット用に専用設計された「ターキー」というスワン型スピーカーが1/4お目見えしましたので、早速試聴しました。うーん、なかなかに素晴らしい。スワンというより、これはその上のクラスのモア、もしくはレアの音ですな。高域の繊細さ、音場の広がりはスワン譲り、低域の量感は十分で、レアに近い。2way以上の「ほら低域出てますよ」といわんばかりの低域とはまったく違う、「自然と体をすり抜けていく、風のような低音」。ターキー+FE138ES-Rで、フルレンジ+バックロードの醍醐味が存分に味わえます。バリバリ叩き付けるような音とはだいぶ違うので、好き嫌いはあるだろうけど。それと、エージングが十分ではないので、まだ分解能は本領発揮という感じではないような気もした。

ま、それはさておき、最近、長岡流バックロードを試聴できる店はなかったので、興味のある人は出向くべし。鳴らし込むうちに、音はどんどんこなれてくるはずなので。ちなみに、このターキー、正月返上でコイズミ無線店員さんが制作したらしい。使用板材はシナ合板。急いで制作したようで、多少粗があるが、シナ合板はしっかりしたものを使用しているし、FE138ES-Rの評価にはこれで十分だろう。

コイズミ無線では、第一期入荷分は予約済みみたいだが、第二期入荷が今月10日に予定されているので、注文は受け付けてくれると思う。ヒノオーディオは5日の時点で、すぐに購入できる状態だったと思う。ヒノオーディオでは、丸板にFE138ES-Rを取り付けての、モノラル状態での試聴がなされていた。キムラ無線の在庫状況は分からないが、予約は受け付けているはず。これら3店はいずれも同じ値段。限定ユニットは定価販売、基本的に値引き無しなのだ。値引きしなくても引く手数多で売れてしまうからかな。

さて、ここからが重要!!!1/19土曜日に秋葉原損保会館(秋葉原電気街口から徒歩5分)で、フォステクス主催のFE138ES-R試聴会「レッツクラフトクリエイティブセミナー」が開催されます!!!限定120名(今までの試聴会の状況から、それ以上の人数の場合は、立ち見できると思うが。)。詳しくはフォステクスのサイトをご覧あれ。試聴機種は、前述の「ターキー」他、ネッシーMid(ネッシーミッド、音元出版の季刊analog現行号、2007年冬号Vol.18の150-153頁に制作記事記載)、それにコニカルホーン型バックロードの3機種らしい。私も仕事がなければ、行きたいと思う。余談だが、音楽之友社の月刊ステレオの次号には、FE138ES-Rを搭載した某有名自作スピーカーのミニチュア版?の制作記事が掲載されるとか(長岡鉄男先生が設計されたFE168Σ+FW168+FT96H搭載の上下分離型のあれです)。

最後に、昨年限定発売されたFE208ES-Rが再度限定生産されるらしい。どうやら今年の夏頃に再販される模様。ま、あくまでうわさということで。

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